東京都は1月11日、HPVワクチンを男性が接種した際の費用負担を軽減するために、自治体に対して補助を行う方針を明らかにしました。現在、国内では男性への適用で承認されているのは4価のガーダシルのみです。9価のシルガード9は、男性への適用がまだ承認されていないので、接種後にもし健康被害にあっても公的な救済制度の対象外になります。ガーダシルについて、男性に行われた臨床試験を調べてみました。
男性が接種する場合、自分にメリットはあるのか?
以下、TBS NEWS DIGからの引用です。
男性への適用は、2020年12月に承認されました。
ネット上では咽頭がんの予防も承認されたという情報がありましたが、上記には入っていません。アメリカのFDAでの承認と勘違いしているのかもしれません。
ガーダシルの添付文書や審査報告書は、下記のサイトで公開されています。
2020年12月25日 審査報告書 で下記の内容が追加されました。
男性の臨床試験は、下記のように行われました。
ここで注目すべきは、「AAHS を対照(プラセボ)とし」という部分です。別記の略語一覧を見るとAAHSとは「アルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩」と書かれています。
「アルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩」は、ガーダシルに添加剤として入っているものです。
安全性を検討する目的なら、プラセボ群は生理食塩水にしないときちんと比較できないはずです。なぜ生理食塩水ではないのでしょうか。
尖圭コンジローマについては、下記参照。
肛門疾患については、「MSM を対象として、本剤に含まれる HPV 6、11、16 及び 18 型に関連した AIN 又は肛門癌(以下、「肛門疾患」)に対する発症予防効果の検討が行われた」とあります。MSMとは、略語一覧によると「男性と性交渉を行う男性」です。MSM以外の男性も接種するのに、なぜMSMだけが対象だったのでしょうか。
※AIN :肛門上皮内腫瘍
「肛門癌は、10 万人あたり 1 人に発生する稀な癌」だと書かれています。臨床試験を行ったのが「男性と性交渉を行う男性」ということは、「男性と性交渉を行わない男性」を対象とした臨床試験ではデータは集まらないほど発症率が低いということなのではないでしょうか。
さらに、内訳を見ると、肛門癌はプラセボもゼロです。
国内の臨床試験は、MSMとHM(異性愛男性)が対象となっています。
けれども、有効性の検討に係る主要評価項目は、 HPV 6、11、16 及び 18 型に関連した肛門性器部(性器周辺部及び肛門内)の持続感染(6 カ月以上)の発生率とされ、海外の試験と違います。
HPVに感染していても、必ずがんを発症するわけではないはずです。なぜ国内臨床試験では、HPV 6、11、16 及び 18 型に関連した AIN 又は肛門癌に対する発症予防効果を調べなかったのでしょうか。
これについては、下記の議事録にも書かれています。
国内臨床試験では、尖圭コンジローマの発症予防効果を検証する試験はしていないということです。
ここにも、「肛門癌の発症頻度の低さ」と書かれています。
「5.5予防効果の持続期間は確立していない」ので、もし効果があったとしても、接種したからずっと安心というわけではありません。コロナワクチンも有効性95%と言っていましたが、効果の持続期間は確立していないと書かれており、接種しても多くの人が発症していました。
HPVワクチンはまだ未解明の部分が多く、接種後の健康被害によってそれまでと同じような生活が出来なくなってしまった人が多数いますし、日本でも男子の死亡事例があります(下記参照)。
男性が接種するメリットは、リスクを上回ると言えるのでしょうか。
「HPVワクチンへの疑問2」につづきます。