![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/122308697/rectangle_large_type_2_7d599b48b302d56bd927a4258e4dc6ce.png?width=800)
うどん職人はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】
どもー。
分析太郎です。
今回はうどん職人の
市場分析レポートです。
仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。
起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。
なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。
それでは、見ていきましょう。
【※1】
そばデータも含むため、
そば職人になりたい方も
ご参考頂けます。
【※2】
こちらの記事は1件購入ごとに
300円値上がりするよう
設定されています。
おかげさまで、
記事の総購入数が100件を超えました。
値上がりして閲覧不可になる前に、
早めのお買い求めがお得です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718630056770-uwx9XmT0OR.png)
【前編】うどん職人の将来性
まずは需給バランスを理解する
前編では、うどん職人の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。
世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。
そして市場の中には、
供給(事業者)と需要(お客様)が
存在します。
これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1700557226820-CNAMKQAOyq.png?width=800)
そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700557226896-JqzL8kc8SV.png?width=800)
本レポートでは、
うどん・そば市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。
それでは、本題に話を移しましょう。
うどん・そば業界の市場規模
それでは最初に、
うどん・そば業界の
市場規模を確認しましょう。
一般社団法人
日本フードサービス協会の統計によれば、
2021年のうどん・そば業界市場規模は
9,464億円、コロナ禍の影響で
ガクンと減少していました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700601484256-X4vkTbrhrr.png?width=800)
出典:JF外食産業市場動向調査(一般社団法人 日本フードサービス協会)
2010年代から上昇が続き、
2019年は過去46年間で最も
規模拡大したのですが、、、
コロナの影響でズドドーンです。
同規模の市場には下記市場が挙げられます。
時計(9,281億円)
コールセンターサービス(9,419億円)
学習塾・予備校(9,720億円)
国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700601865883-oI2n4P2A0f.png?width=800)
出典:市場規模マップ
そこそこの大きさという印象です。
この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1700601962849-VrvScJByEg.png?width=800)
確認していきましょう。
うどん・そば市場の供給の推移
それでは、うどん・そば市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。
ここでの供給は、うどん・そば屋の
・店舗数
・従業者数
の2点について見ていきます。
はじめに、
店舗数から確認しましょう。
事業所統計調査報告書(総務省)、
経済センサス(総務省)によれば、
2021年のうどん・そば屋店舗数は
24,982か所、推移は
減少傾向にありました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700603970922-nXaRelJBvX.png?width=800)
出典①:H8 事業所・企業統計調査(総務省)
出典②:H11 事業所・企業統計調査(総務省)
出典③:H13 事業所・企業統計調査(総務省)
出典④:H16 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑤:H18 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑥:H21 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑦:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑧:H26 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑨:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑩:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
右肩下がりで減少傾向にあるようです。
コロナ禍に入る前から、減少傾向が
始まっていたようですね。
では、うどん・そば屋で働く人は
どう推移しているでしょうか。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701074559001-35lCC6YvIO.png?width=800)
出典①:H8 事業所・企業統計調査(総務省)
出典②:H11 事業所・企業統計調査(総務省)
出典③:H13 事業所・企業統計調査(総務省)
出典④:H16 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑤:H18 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑥:H21 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑦:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑧:H26 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑨:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑩:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
うどん・そば屋の従業員数は
横ばいで推移していたものの、
コロナの影響によりガクンと
減少していました。
供給のデータを
簡単にまとめると、こうです。
・うどん・そば屋の数は減少傾向
・うどん・そば屋で働く人も減少傾向
つまり、
うどん・そば市場における供給力は
縮小していると考えてよさそうです。
従って現時点では、
先ほどの四分類では
このどちらかに分類されるのでは
ないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1701040979315-oqYC8Hp9dV.png?width=800)
では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。
うどん・そば屋の需要の推移
それでは、
うどん・そば市場の
需要がどう推移しているか
確認していきましょう。
まずは、世帯当たりうどん・そば代に
年間どれくらい支出しているかを
確認します。
家計調査(総務省)のデータによれば、
2022年の一世帯当たり(総世帯)の
年間うどん・そば代は5,020円で、
推移はコロナ禍を経て上昇傾向にありました。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701107820732-ZGHpuTlAk2.png?width=800)
※【390 日本そば・うどん】より作成
出典:家計調査(総務省)
おー。
コロナ禍を経て、
世帯当たりうどん・そば代支出額は
回復傾向にあるようです。
これはうどん・そば屋さんに
とってはいい傾向ですね。
ここからさらに、
市場規模からも考察してみましょう。
市場規模は、
全てのうどん・そば屋の
その年の売上の合計なので、
その年の市場規模を
うどん・そば屋店舗数で割ることによって、
一店舗あたりの
売上高の平均がわかります。
この数値が増加していれば
需要は拡大していると言えますが、
減少していると、需要は減少している
ことになります。
どのように推移しているでしょうか。
表を作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700649924572-FgDTKAd1Jj.png?width=800)
出典①:H8 事業所・企業統計調査(総務省)
出典②:H11 事業所・企業統計調査(総務省)
出典③:H13 事業所・企業統計調査(総務省)
出典④:H16 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑤:H18 事業所・企業統計調査(総務省)
出典⑥:H21 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑦:H24 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑧:H26 経済センサス基礎調査(総務省・経済産業省)
出典⑨:H28 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑩:R3 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典⑪:JF外食産業市場動向調査(一般社団法人 日本フードサービス協会)
おおー!
2021年はコロナの影響で
ガクンと減少していますが、
2006~2016年にかけて、
一店舗当たりの売上高は
増加傾向にありました。
その理由は、
うどん・そば事業所数が
減少しているのに対して、
市場規模が拡大しているからだと
考えられます。
では、なぜ市場規模がここまで
拡大しているのでしょうか。
考えられる大きな理由の一つが、
インバウンドです。
日本では、
2006年に観光業を国内経済の基盤とする
「観光立国推進法」が成立し、
2007年に施行、2008年には
観光庁が発足しました。
観光立国へ本格的に
歩み始めたと言うことですね。
では、訪日外国人観光客の推移を
見てみましょう。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701046246289-etYMkj8S24.png?width=800)
出典:訪日外客統計 時系列推移表(JNTO 日本政府観光局)
2012年は835万人だったのが、
2019年には3,188万人の観光客が来ています。
7年間で3.8倍です。
このようにたくさんの
外国人が日本に訪れていたわけですが、
外国人からのうどん・そば人気は
かなり高いようです。
農林中央金庫は
訪日経験のある1,200人の外国人を対象に、
日本食について調査をしています。
その報告書によれば、
・「自国で知られている日本の料理は?」
・「自国で最も人気のある日本の料理は?」
という問いに対し、うどん・そばは
かなり上位にランクインしていました。
表を作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701049171108-M9G3JI3NeM.png?width=800)
出典:訪日外国人からみた日本の"食"に関する調査(農林中央金庫)
この結果から、
「外国人観光客の増加が、
うどん・そば屋市場の
拡大に寄与している」という
仮説を立てることができます。
その仮説が正しいかどうか、
確認してみましょう。
確認方法としては、
店舗あたり年間売上高と
外国人観光客数の相関係数を
調べます。
相関係数とは、
2種類のデータ間の関連性(相関関係)の
強さを示す指標のことです。
-1から+1までの間を取り、
-1に近いほど負の相関関係、
+1に近いほど正の相関関係
だと言えます。
・負の相関:一方が増えると一方が減る
・正の相関:一方が増えるともう一方も増える
詳しくはこちら↓
インバウンドと
うどん・そば市場の売上高は
どのような関係にあるのでしょうか。
グラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701064519741-TpWFAVHA9U.png?width=800)
出典①:訪日外客統計 時系列推移表(JNTO 日本政府観光局)
出典②:JF外食産業市場動向調査(一般社団法人 日本フードサービス教会)
![](https://assets.st-note.com/img/1701072152418-pXA1jeBykb.png?width=800)
かなり強い正の相関がありました。
つまり
訪日外国人数が増えるほど、
うどん・そば屋の売上も伸びる
と考えられるわけです。
なるほどなるほど。
では、訪日外国人は
今後増えるのでしょうか。
インバウンドの数は
コロナの影響で激減しました。
先ほどのグラフでは、
2019年が3,188万人に対し、
2022年は383万人でした。
改めてグラフを見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1701065858984-xK4uQfNTRO.png?width=800)
出典:訪日外客統計 時系列推移表(JNTO 日本政府観光局)
この記事を作成している時点で、
2023年データは10月時点まで
公表されていました。
2022年データと照らし合わせて
見てみましょう。
表とグラフを作成しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1702356468558-tefodUOht6.png?width=800)
出典:訪日外客統計 月次報告(JNTO 日本政府観光局)
おー!
インバウンドは増加傾向のようです。
2023年10月時点の外国人旅行者数は
1,989万人でした。
これは素晴らしい傾向ですね。
ちなみに行政もかなり強気なようで、
コロナ騒動があったにもかかわらず、
「2030年6,000万人」という目標値は
変更しないようです。
訪日観光客の増加には、
今後も一層力を入れることが
考えられますね。
これは、うどん・そば市場にとっては
かなりいい動きなのではないでしょうか。
またコロナのような
世界的な非常事態が起きないことを
祈るばかりです…。
さて、需要のデータを
簡単にまとめると、こうです。
世帯(総世帯)あたりうどん・そば支出金額は増加傾向。うどん・そば市場はインバウンド数と正の相関があり、2023年のインバウンド数は10月時点で前年比5.2倍で推移。日本政府は2030年6,000万人を目標に掲げており、今後も様々な施策が実施される可能性あり。
さて、データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。
分析太郎の結論
まとめると、
うどん・そば市場の
需給バランスはこうです。
供給:うどん・そば屋店舗数は減少傾向、従業者数も減少傾向。
需要:世帯(総世帯)あたりうどん・そば支出金額は増加傾向。うどん・そば市場はインバウンド数と正の相関があり、2023年のインバウンド数は現時点で前年比5.2倍で推移している。日本政府は2030年6,000万人を目標に掲げており、今後も様々な施策が実施される可能性がある。
結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1701057976696-xQtirBUG8w.png?width=800)
釣り堀(=うどん・そば市場)の中で、
釣り人(=店舗数・従業者数)が減る中、
魚(=世帯当たり支出金額、訪日外国人数)が
増加傾向にあることから、
このような結果になりました。
いかがでしたでしょうか。
今回は、うどん・そば屋の市場分析を行いました。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。
日本は他国と比較しても、
地域によって文化が特色が
段違いに異なります。
香川県がうどん県と呼ばれるように、
地域によって消費性向は異なります。
従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。
そこで後編からは、
うどん・そば市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県を
特定していきます。
全業種の資料がいつでも読める
メンバーシップもやっています。
幅広く知識を吸収したい方は
こちらがメリット大きいです。
皆様の安定的なキャリアを、
心より願っています。
ここから先は
¥ 800 (数量限定:残り 30 / 30)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?