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とりとめもないこと

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忘れたくない日々の些事について
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2019年8月の記事一覧

誤読を疑う、という慎み。

誤読を疑う、という慎み。

むかし、恋人との別れ際にわたしがLINEで放った一言で、相手を不愉快な気持ちにさせてしまったことがあった。

彼からの返信には、「その言葉が悲しい」とあった。

性格の構成要素を原材料名のように並べるとしたら、まちがいなく一番頭に「やさしさ」がきて「思慮深い」もトップ5にくるような人だったから「悲しい」という言葉を選んだのだろうけれど、きっと悲しさだけじゃなくて、内心ふざけんなこのアマァッ!なんて

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ペットよりもキケンなものもの

ペットよりもキケンなものもの

「ひとり暮らしのアラサー女子が猫を飼い出したらいよいよ危ない」なんて話があったりする。

猫なんていう可愛くてか弱い存在と暮らしてしまったら寂しさを感じなくなって、恋愛から遠のいてしまう、そして婚期を逃してしまう、という、ざっくりそんな意。

わたしは動物があまり得意ではないので、そもそもペットOKのマンションには絶対に住まないけれど(可愛げがなくてざんねん。たぶん、幼稚園の遠足でひよこまみれの囲

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独り占めするほかない悦と傷。

独り占めするほかない悦と傷。

夏風邪。風邪に「夏」が付くだけでちょっと可愛らしく思えてしまって憎いけれど、こいつがなかなかしんどい。

第一に、体温調整が難儀を極めている。ただでさえクーラーの±1度に、風向きに、毛布の厚さに…足したり引いたり苦心しているこの頃なのに。部屋も暑けりゃ自分の身体も灼熱地獄、ときどき悪寒。

ひとり暮らしで体調を崩すと、心までもが世紀末の雲に覆われるので一刻も早く治したい。iPhoneから流れてくる

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賤しかったのはわたしの目。

賤しかったのはわたしの目。

「職業に貴賎なし」

わたしはこの言葉を長らく自分の言葉にできなかった。

初めて聞いたのは、たしか高校生の頃だったと思う。

漫画家に、記者に、編集者・・・子供の頃から変わらず飽き性だから、職種すらコロコロ変われど、一貫して「発信する仕事」を望んできた。

あらゆるエンタメ、人の精魂込められた創作物がすきで、クリエイティブ色の強い職業に惹かれるわたしにはどうしてもすべての職業が等しいものだとは思

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