朝ドラ『らんまん』に登場した「みょうがのにぎり」をつくってみた。
夏になったら体が欲するもの。
自分の場合、それは「ゴーヤー」「大葉」「みょうが」「お酢」だ。
NHK『きょうの料理』に幸吉が登場
先週、たまたま昼にNHKの「きょうの料理」を見ていたら、朝ドラ『らんまん』のふるさと、高知県の特産品を使った料理が紹介されていた。
まだ再放送や、NHKプラスで配信されていると思うので、視聴できる方はぜひどうぞ。
この日ゲストとして呼ばれていたのは、あの幸吉! 俳優の笠松将さんだった。『らんまん』を視聴している身としては、これは見るしかない。
幸吉は真面目で無口なイメージがあるのだが、笠松さん自身はたいへん快活なようでトークが軽妙。「え、同じ人なの?」と驚くほど進行がうまい。この日の料理は、高知の郷土料理に詳しい小島喜和さんによる「新しょうがの天ぷら」「みょうがのにぎり」「なすのたたき」。笠松さんは、小島さんへの質問や相づちも完璧。おまけにおいしそうに頬張り、食レポも見事にこなした。別のオファーが来るのも近いと思う。
ご当地食材を使った寿司あれこれ
毎日35度前後の酷暑が続き、私はすでに夏バテ気味。そんなとき、甘酢に漬けた鮮やかなみょうがの映像が流れ、「さっぱりしたものが食べたい」欲望が沸いてきた。小島さんと笠松さんがつくった「みょうがのにぎり」は、『らんまん』の劇中、万太郎と寿恵子の祝言の際にも登場した一品。そういえば、牧野(富太郎)家の家紋は、「丸に抱き茗荷」なのだとか。
ご当地の食材を使った寿司は、地方に出れば時折見かける。昔よく立ち寄っていた直売所の加工品コーナーにも、こんにゃくやみょうがのにぎり寿司が並んでいた。九州では、宮崎の北方(現・延岡市)名物「竹の子寿司」や、大分の本匠(現・佐伯市)名物で椎茸を使った「雪ん子寿し」がよく知られている。これらは本当においしい。機会があったら、ぜひ食べてみてほしい。
「みょうがのにぎり」のつくり方
さて、わが家にみょうがはあっただろうか。冷蔵庫を眺めると、冷や汁用に買っておいたみょうがが1パック。レシピの半分しかないけど、つくってみるか。それぞれ縦半分にカットして、中の部分をちょっとだけ晩ごはんの冷や汁用に取っておき、まずはみょうがの甘酢漬けをつくることに。
ここからは、『きょうの料理』でのつくり方をざっくりと紹介。
*記載の分量はにぎり12個分。
(みょうがの甘酢漬けの材料)
・みょうが6個
*調味料*
・米酢 1/4カップ
・砂糖 大さじ1と1/2
・塩 少々
(甘酢漬けのつくり方)
・バットやタッパーなどに、甘酢漬け用の調味料をよく混ぜて溶かす。
・みょうがは縦半分にカットして、沸騰した湯に塩を少々(分量外)入れて2分茹でる。茹でたら水気を切って、熱いうちに甘酢に30分以上漬ける。
***
1週間ほど持つそうなので、私のようなみょうが好きな人間は、作り置きしても良さそうだ。見る見るうちに鮮やかになるのがおもしろい。自然の色の美しさに、見惚れてしまった。使い古したタッパーに漬けたのがもったいない。
甘酢漬けづくりを前日にやっておくと、にぎるとき時間がかからない。すし飯も、面倒ならすし酢を使えばいいと思う(文明の利器を活用)。
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(すし飯の材料)
*白ごはん用*
・米 1合
・水 1カップ
*すし飯の調味料*
・米酢 大さじ1と2/3
・砂糖 大さじ1と1/4
・塩 小さじ1
*すし飯に混ぜる具材*
・しょうがのみじん切り 35g
・みょうがの甘酢漬けのみじん切り(取り除いたみょうがの内側) 適量
・白ごま 大さじ1
(みょうがのにぎりのつくり方)
・白ごはんを普通に炊く。
・みょうがの甘酢漬けは、外側3枚を残して内側部分を取る。取った部分は刻んでおく。
・ごはんが炊けたら、ボウルなどに移してすし飯用の調味料を加え、しゃもじで切るように混ぜる。
・ここに、しょうがとごま、刻んだみょうがも合わせ、手早く混ぜる。
・すし飯を12等分にしてにぎり、みょうがの外側3枚を少し広げながらそれぞれにのせる。
はい、完成!
テレビ仕様とは違ったけど、美味なり
番組では立派なみょうがを使っていたが、わが家の冷蔵庫にあったみょうがはバラつきのある小さめサイズ。必死に広げ、なんとか形になった。「みょうが、しょうが、ごまとくれば、大葉だ!」と思い立ち、すし飯に混ぜる気でいた大葉は器に飾ってみた。
な、なんという贅沢。甘酢とみょうがのさっぱりとした味わいに、ごまとしょうがの風味が効いている。これはいくつでも食べられそうだ。みょうががあれば、もっとつくりたかったなあ。
つい先日、友達と「みょうがを食べたら物忘れがひどくなる」は迷信なのか?という話に。お釈迦様の弟子の話が由来らしいが、私が忘れられないのは、トーク番組で俳優の佐藤浩市さんが「役者なので、みょうがは絶対食べない」と話していたこと。今でも食べないのだろうか。私の中でみょうがと佐藤浩市はセットになっていて、みょうがを食べると毎回佐藤さんの顔が浮かぶのだった。
***
「冷や汁」についてもひとこと
ところで、甘酢漬けをつくった日の晩ごはんには、無事にみょうがや大葉などを使って冷や汁を。写真を撮り忘れたため、以前撮ったものをアップしておこう。
冷や汁は、決してごはんに味噌汁をぶっかけているものではない。手づくりしようとすると、鯵などの魚を焼いてほぐし、味噌も焼いて香りを出さねばならない。実は手の込んだ、奥の深い料理なのだ。私のように面倒くさがりな人間には、ハードルが高すぎる。しかしそこには、「冷や汁の素」という救世主が! 夏はやっぱり冷や汁を食べたくなる。
ここ数日は旬を味わって、少しは体が喜んでくれただろうか。夏は始まったばかり。また明日からがんばれるかも。
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