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心療内科に通う意味はあるのか

来週の土曜日は月一回の心療内科への通院日だ。
毎回先生と5分ぐらい喋って、薬が決められ、次回予約を入れて、薬局で薬を貰って帰る。
これって意味があるのかと最近はよく考えていた。

最近メンタルに関する本を読んでいる。
自分の体の状態について、もう少し理解を深めたいと思ったからだ。
まだ自分の体の状態を受け入れられない気持ちが、少しだけ自分の中にある。
どうしても元通りになりたい、元気だった頃の自分に戻りたいという気持ちが捨てきれない。
どの本にも元通りには戻らない、現状を受け入れてこの先を生きていこうと書いてある事が多い。
そういった未練を断ち切って、前を向けるように、勉強しようと考えている。

その上で一番気になるのが心療内科に通う意味。
今回読んだ本は精神医療について、医者の視点から解説されている本だった。

再診でなぜ5分ぐらいしか看てくれないの?という問に対して、「診療報酬制度の問題と、精神科医の数と患者さんの数の割合が原因」と答えていた。
心療内科のシステムや国の制度など、現状の状況を分かりやすく説明がされていた。
短い時間で診察が終わってしまう、医者って冷たい、この時間には意味があるのかと不満を抱いていた部分はあるが、今のやり方じゃないと、病院に駆け込めなくなる人も増えるし、医者側も続ける事が出来ないと知れた。
病院なんて毎回薬を貰いに行く場所になっていたが、こうやって医者視点のお話を読むと、全部納得出来る訳ではないが、今の制度的にはベストな状況ではあるのは理解出来る。

この本には診断の判断基準、名医を見極めるポイント、診察に時間をかかけてくれないのはどうしてなのか、医師側の気持ち、カウンセリングは何故お金がかかるのか、どうして薬に頼るのか、患者に伝えたいこと、これからの精神科医療などについて解説されている。
ひとつひとつ内容を書き出したいが、長くなるので、実際に本を読んで欲しい。
精神疾患にかかった事がある人が一度は疑問に思う事が、ひとつひとつ丁寧に解説されていた。
とくに精神科医がどうやって患者の話を聞き、診断をしているのかを知れたのは、疑心暗鬼だった気持ちが少し晴れたような気がする。
専門家に対して疑心暗鬼も変な話だが、内科や外科みたいに分かりやすい症状ではない、曖昧な分かりにくい症状をどう診断しているのか、前から気になっていた。
患者側も単純に医療を受けるだけでなく、積極的に知るべき内容だと感じた。
知らないで文句を言うよりは、知った上で文句を言ったほうが良い。

もっと親身になって話を聞いてくれる医師を探した方が良いのではないかと考えていた。
ドラマや映画の影響か、良い医者のイメージが、患者さんに寄り添って、時間をかけながら一緒に治療をしてくれる先生という印象があった。
今の先生は名医ではなさそうだが、この本で解説されていた「良い先生」の基準は、クリアしているとは思う。
おっとりしてて、リアクションが薄くて、口数少ないが、患者の感情に流される訳ではなく、淡々と患者の状態を判断されている先生だと思う。
逆にそういう先生の方が信頼出来る事を今回知れて良かった。
担当の先生を疑いながら診察を受けるのは、よろしくない。
とりあえず、今の先生を信じて治療を続けてみようと思えた事が、今の私にとっては大きい収穫だった。

たった5分、されど5分。
専門家と話せる貴重な時間だと思う。
次の通院日では、薬を貰いに行く場所ではなくて、もう少し自分の体の状態を短い時間で上手く伝えられるように、努力してみようと思う。

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