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会社のSNSが「ぷち炎上」したとき【SNSの教科書】

noteを書くようになってから文章を書くことについて色々と考える事が多くなった。
少し勉強してみようかなと思ったので「SNSの教科書」という本を読んでみた。

noteのプロデューサーさんが一般の人がSNSを使うことの良さについて書かれた本だ。
私は実名でSNSをやるつもりはないが、普通の人が発信することで得れる利点や、SNSについての向き合い方や付き合い方、どんな事を書けばいいのかなどのアドバイスがたくさん書かれていた。

この本で一番印象に残った内容が炎上についてのお話だ。

あなたに過失がある場合は、素直に謝りましょう。

自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書 P195

炎上で思い出したことがある。
以前所属していた会社の採用担当がTwitterでプチ炎上したことを。
その採用担当さんは社名と個人名を公開してツイッターを運営していた。
採用についてのアドバイスや、社内の取り組み、会社についての宣伝、業界の状況、採用や人事で培ってきた経験などを発信したり、採用イベントやセミナーなどにもよく顔を出すアクティブな方だった。
あの界隈なら少し有名な方だったと思う。

そんな採用担当さんが、とあるツイートを発信した。
面接に来られた学生さんについて「このタイプの学生って○○だよね~」と、ある特徴がある学生さんに対して、あるあるみたいな、見る人が見れば反感を買うだろうなと思える発言を発信した。
「流石にこれは書き方が良くないな…」と思った次の日、案の定、炎上していた。
炎上といっても「プチ」炎上なので、その界隈だけで話題になっただけだが、それでもそれなりに燃えた。
面接での内容を漏らした事は事実だし、採用担当側に非があると思うが、すぐには謝らなかった。
批判的な意見について「色々な意見があるよね~」というツイートをした上で、擁護するツイートにいいねを押したり、引用リツイートをしたりした。
これがまた炎上に燃料を投下してしまった。
もう周りは「何を言っても無駄だな…」という諦めモード。
「こんな採用担当がいる会社なんて…」みたいな雰囲気になってしまった。
結局、日が経つにつれてうやむやになり、自然と炎上はおさまったとは思う。
会社も注意したのか、その採用担当のツイートは採用募集の時か、イベント(セミナー)開催時ぐらいにしか発信しなくなった。

炎上したとき社内でも話題になった。
社員たちの間では「まぁ、あの人らしいよねね…」という感じの静観モードだった。
採用担当さんは思ったことは、はっきりと言う、SNSには、はっきり書くキャラではあったので、炎上は時間の問題だったかもしれない。
私は、その採用担当の方には可愛がってもらってて、割と近い所にはいたが、やっぱり「謝ったほうがいいのではないか」とは言えなかった。
言えなかった私も炎上に加担したようなもんだと思う。
やっぱり未だに言えばよかったと後悔している。
言えなかった理由は色々あるが、初期対応のツイートを見て、私もおそらく何を言っても無駄だろうと思ってしまった。
多分会社の上の方が言わない限りは、謝らないだろうという確信があった。
落ち着いた後に少しその採用担当さんと、その件で話す機会があったが、発信した内容については、あまり悪いとは思ってなかった。
「まぁそういうこともあるよねー!」という感じだった。
必要以上に落ち込んでないことは良かったが、企業の顔として、それってどうなん?とやっぱり少しモヤっとする気持ちはあった。
これは私の勝手な考えだが。

炎上したとき、謝るって誰に?って話はあると思う。
少なくとも、あのツイートを見て自分の事かもしれないと思った、面接に来てくれた学生さんに対しては謝るべきだった。
学生さんが、あのツイートを見たかは分からないが、見ていたら不快な思いはされていたと思う。
企業名を公開している以上、会社の顔として活動をしていることは間違いない。
あの発言が匿名だったら、ひとりの人間の意見として処理されていたとは思う。
企業の顔として活動しているなら、燃えた瞬間に謝罪はするべきだった。
会社全体がそういう事を言う、そう考えている会社なんだと世間から思われてしまうのはまずいし、在籍している他の社員も良い気はしない。

企業のSNS運営って難しいと感じた出来事だった。
どこまで企業の人間として自分を前に出すか塩梅が難しい。
以前お世話になった、とても偉い方が「どれだけ経験を積んでも、お山の大将になってはいけない」と言っていた。
知識や経験を積み重ねると周りの目や自分の意識が変わる。
「自分は凄い」と勘違いしやすい環境にいるからこそ、気をつけなければならないという話をしてもらった事がある。
その話を聞いた時はピンとはこなかったが、この炎上エピソードを思い出すと、あぁそういうことかと納得できた。

「SNSの教科書」の炎上についての話を読んで、あの時の対応をどうすれば良かったか、改めて答えを貰ったような気がする。
自分に非がある場合は、素直に謝ったほうが良い。
それだけで全くこの後の対応が違ってくる。
「慢心しない」「驕らない」は生きる上で大事な事だと思う。
人間って最後は素直さを問われるような気がする。
素直に自分の非を認めたり、人の意見を聞いたり、素直さが求められるシーンは多い。
私も「素直さ」を忘れないように、気をつけたい。

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