私がノルウェーに引っ越した理由 : 文化編


コミュニケーション

コミュ力高め?ノルウェー人

席は必ず一つ開けて座る

 ノルウェー人はよく”シャイ”だと言われがちですが、私は逆に"ソーシャル力"が高いと思っています。

 私が5年以上ノルウェー人を観察した結果👀、彼らが他人と良い関係を保てるのは、

  • 行き過ぎた干渉をせず、人に合わせて程よい距離感をたもつ

  • 見た目や服装、行動などで偏見を持たない

  • 自分の"常識"を他人に押し付けない

という文化のおかげではないかと思っています🤔

 日本に住んでいた時は、結婚、子作り、また人の結婚式に着ていく服の生地まで誰かの”常識”によって偏見を持たれたり、いちいちコメントされることに違和感を感じていましたが、ノルウェー社会での人間関係の作り方はとても心地よく、自分らしくあることができます。

なんでわかってくれないの!?


 そんな心地の良い人間関係に属する権利があるとするなら、”自分の果たさなければいけない義務”も存在します。
 それは、自分の意見や考え、感じていることを表現するということです。
自分の気持ちを整理し相手に伝えるところまでが自分の責任であり、それをせずに他人にイラついたとしてもそれは『自分が悪い』という文化です。

例えばこのような場合…

  • 上司が私の頑張りを認めてくれない
    → 何をどれだけ頑張ったのか伝えたのか?

  • パートナーが家事をもっとやってくれない
    → 何をやって欲しいのか具体的に伝えたのか?

 相手は自分ではないし、エスパーでもないのに「わかってほしい、察するべき」と言う押し付けは当然ながら”無理ゲー”なのです。さらに言えば自分で自分の気持ちがわかっていない場合、相手にわかって欲しいだなんて無理矢理な押し付けも良いところです。

 この文化のおかげでノルウェー社会では比較的「なんでわかってくれないの!?」から始まる喧嘩やドラマが少ないと感じます。

相手が自分の脳を読めないのは当然、何も言わなくとも、わかってくれたらラッキー。

ノルウェーに住んで得たの哲学

一歩踏み込んだ考えが持てる環境。

ノルウェー人は論理的思考を持っている人が多いと感じます。

3つ、例をあげてみたいと思います

根本的な解決を…!


一つ目の例として、犯罪が起きた時の社会の反応を例にあげてみたいと思います。

日本では

1️⃣ 事件が起きた

2️⃣ 犯人が悪い

3️⃣ 犯人を捕まえて罰を与えよう!

と言う考えが一般的だと思います。私も以前はそうあるべきだと思っていました。しかし

ノルウェーでは
1️⃣ 事件が起きた
2️⃣ 社会にとって危ない犯人を保護
3️⃣ 犯人はどうしてそんな行動に出たのだろう?
4️⃣ 犯人の置かれた環境や育った環境、受けた教育、社会的援助は十分だったのか問う
5️⃣ 刑務所では罰を与えるのではなく、足りていなかった教育、社会的援助、職業訓練をして、社会に馴染めるようトレーニングする

このように
犯人=悪い と考える代わりに
犯人罪因を分別する方が一般的な考えだと思います

↑ノルウェーの刑務所について(参考までに。)

 このように考えることで、物事を根本から見つめ、同じことの繰り返しを防ぐことができます。

不良品は誰のせい?


 二つ目に、お店での返品を例にあげてみたいと思います。

 買った商品に不備があって、返品する場合、日本だと大抵店員が「大変申し訳ございませんでした」と謝ってくれると思います。

 それに比べてノルウェーでは店員が謝ってくれるということは少ないと思います。なぜなら問題がある商品を取り扱っていたのはお店の方であり、店員個人ではないからです。
 店員さんは謝るどころかあなたの為にお店のシステムを確認してあげますねっと言った態度の場合が多いです。


 お客さんに関しても、店員に対して頭ごなしに怒る人は珍しいと思います(その店員が何かやったわけでないのでその人に怒ってもしょうがないとわかっている人の方が多いです)

私物を褒められたら…

分けて考えるということに関しては、悪いことばかりではなく、こういったシーンもあります。

例えばこうして持っているものを褒められた場合。

日本だと、このように謙遜することもしばしば。

ノルウェーでは、自分を褒められたのではなく、バッグを褒められたと捉え、素直に「ありがとう!」っという人が多いです。

超実用的主義。

 ノルウェーではマナーや伝統に従うかわりに実用的な考えをする人が多いと感じます。

無人。

 先日日本に帰国して驚いたことの一つが、「せっかく無人機(券売機など)になっているのにわざわざその前に人を配置してやってくれる」ということです


自動のベルトコンベアーを助ける人。

 もちろんそういった心のこもったサービスは素敵ですが、その人の給料が発生しているのも事実。特にノルウェーでは人一人配置する人件費がバカにならないし、そのサービス料は回り回ってサービスを利用する側の支払いに上乗せされるということがわかっているので、みんな無人を好むのだと思います。

例えば、以下の場所ではスタッフが不在で無人の場合が多いです。

  • レジ
    これは日本でも増えてきました。


  • オスロでは駅員という駅員は存在しません。改札もないし(この話は別の記事で…)清掃員もいません。来たばかりの時は「道がわからなかったら誰に聞けばいいの?」っとカルチャーショックを受けましたが、みんな質問があれば通行人同士で聞き合うのが普通のようです。私もその癖がついてしまって、日本に帰ってその辺の人に質問をしたら「知りませんよ💢」っと怒られてしまって逆カルチャーショックを受けました笑

  • クリニック
    一番違和感を感じたのはクリニックです!日本だと受付に受診カードを渡すなど、予約をしていても「私、来ましたよ!」というアクションがあるのが普通ですが、ノルウェーではネットで予約をし、予約したのが何週間前であっても、当日のその時間に待合室に直接行って、先生に診察室から呼ばれるのを待ちます。受付は一切なく、診察・治療が終わると機械に自分のパーソナルナンバーを入力し、お会計をします。

細やかなサービスは存在しない

そんな調子なので、ノルウェーでは
カードをお預りして切ってくれることもないし、
運転手が発車しますとか止まりますとか教えてくれることもないし、
スタッフが常駐していて自動券売機の使い方をサポートしてくれるわけもありません。

住むならどっち?

上記したことを逆手に取ると、自分が労働している場合でも過度なサービス精神を求められることもなく、もらえるお給料は正当にもらえるので、つまり、便利にするための皺寄せを誰かに押し付ける社会じゃないからこそ、私はしばらくノルウェーに住んで、たまに日本で休暇を取るくらいが丁度いいかなと感じ出ています。




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