部下の叱り方≒ネガティブ・フィードバックの実践方法
新人の四人に一人が一度も叱られたことがない?
「叱り方のコツ・型とは?」部下を叱るのは、気が重いものです。私もリーダーとして、できれば避けたいと思って来ました。
あるシンクタンクの調査では、入社三年までに、一度も上司や先輩に叱られたことがない、と答えた新人社員が、なんと四人に一人もいるそうです。
いかにリーダーの方が叱るという行為を避けているのかが分かるデータだと思います。
そして私のリーダーシップセミナーでも、毎回のように、叱るのが苦手なので、そのコツを教えてほしい。という質問がでています。
そのため私のやってきた、ネガティブフィードバック≒叱り方のコツを、型・テンプレートにまとめてみました。ご意見などいただけましたら嬉しいです。
あの人だけには言われたくない!
まず叱る前提として大切なのは、上司と部下の最低限の信頼関係だと思います。
部下から見て「あの人にだけは、言われたくない。」と思われていては、上司が何を言っても効果は少ないように思います。
そうかといって、上司としては何としても改善させなければ、仕事上支障をきたす場合もあり、苦しいところだと思います。
叱り方の手順・テンプレート
それでは次に、いよいよ叱り方のコツについて、私のやってきた手順をご紹介します。
1.相手への日頃の感謝や期待をまず伝える(承認の表明)
どんな問題社員でも、しっかりと日ごろを観察すると、見えない所で、それなりのことはやっていてくれるもので、しっかりと観察し、まずはしっかりと承認してあげることが大事だと思います。
2.事実を鏡のように伝える (情報を正確に掴んでから指摘)
叱るためには、起こっている事実が大切で、上司が現場にいる場合はまだしも、上司がその場にいない場合も多く、不確かな情報で動くことは慎重になる必要があります。
その場合、複数の関係者から、内々でしっかりとヒヤリングなども行い、事実関係を正確に掴むことが一丁目一番地だと思います。
うわさ話や、憶測で動いてしまい、問題をこじらせないように細心の注意が必要です。
そしていよいよ、一対一で相手に伝える手順としては。
①まず、起こった状況(シチュエーション)を伝える
→②さらに部下の言動(ビヘイビア)について、見たままに伝える
→③そのことによって周りへの影響(インパクト)がどのように出たのか、の順で、淡々と冷静に鏡のように伝える事が大切です。
ここで評価や感情は極力出さないよう、しっかりとコントロールして事実を伝えるようにします。
3.上司の話した見解に対して、部下の弁明・部下の認識をしっかりと聴く。
事実に対して、上司としての誤解があったり、部下が感じている
認識の違いを、まずはしっかり聴いてあげることが大切で、
部下の言っている事が、かりに間違いがあっても、その場で否定せずに「君はそう思っていたんだね」などと、まずはしっかりと受け止めてやることが大切です。
また、万一部下が逆切しても、こちらが感情的にならないことが大切です。
たとえ部下が言い訳をしたり、部下が事実を認めない場合でも、上司としては、この事実について、こう感じた・こう思ったが伝われば、部下は改善に向かって動き出してくれることも多く、白黒をつける事が目的ではないと、割り切ることも大切です。
4.最後に部下への要望や、部下への期待を伝え、上司としての支援を約束する。
ここまでくれば、あまりくどくど言わずに、さらっと終了し、改めて部下に要望や期待。例えば「君にはどのように成長してほしい」「職場でこんな風に貢献してほしい」など、愛情をもって伝える事が肝要です。
この後、部下が改善するために、あるいは部下が誤解を受けないためには、部下自身がこれからどうするのか?本人に尋ね、
そのためには、上司としてどのような協力ができるのか、支援を約束する。
以上が、私のやってきた、ネガティブなフィードバックを進める手順・型であります。
そして、私の場合、特に言いにくい相手や、深刻な問題が起きている場合、事前にシナリオを作り、1人会議室で口に出して練習もして臨んでいました。
以上、私のやってきた叱り方の方法、テンプレート≒型です。いかがでしょうか?皆様のご参考になれば嬉しいです。
※4か月間でリーダー力を一気に高める「大垣塾」
ご興味がある方はこちらから詳細をご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?