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【音楽と思い出】『横浜いれぶん』木之内みどり

この曲というより、木之内みどりという歌手にまつわる思い出がいくつかある。
曲は出来事ののちに聴いたという追体験の記憶である。

〔きっかけについて〕
彼女を知ったのは、「刑事犬カール」というテレビ番組。女性警察官役で警察犬のカールと一緒に事件を解決していくという内容。木之内みどりの可愛さが記憶に残る。
夜7時からのゴールデンタイムに放映されていて家族全員で見ても問題ない番組だった。

もうひとつ、映画「野球狂の歌」にも出ていたが見てはいない。しかし漫画は読んでいたので内容はなんとなく想像できた。
水原勇気という女性投手がプロ野球に入り、ドリームボールという新魔球で成功するという話。漫画では当時珍しい左投げのアンダースローという設定。

映画のチラシの実写版水原勇気はなぜか短パンだった。投げる姿勢も漫画通りではなくちょっと残念だった。ただ投球動作でタメを作る時、グラブを顔より上にあげるフォームがほんの少し広島の池谷投手に似ているような気がしていた(個人的見解)

〔横浜いれぶんの思い出〕
刑事犬カールや野球狂の歌のあとでこの曲を知った。歌っている彼女はテレビや漫画(映画)の主人公の姿とは違い、大人の女性という感じがしたものだった。鼻にかかるような甘えたような感じの声が良かった。

この曲のなかで彼女が「あんた」と言っていて、こんな清楚な感じの人があんたとか言っていると軽いショックを受けた。別にあんたと言ったってそれがなんだというわけではないけど、「あんたのバラード」であんたと言っている人(世良公則ではなくて歌詞のなかの人ということ)とは違うタイプだった。

歌詞のなかでも、「車のライト消して待つ 今夜はどこでも ついてくつもり」のくだりが、まるで彼女本人がそう思っているような気がしてちょっとドキドキする。イントロもかっこよくて声と歌詞がミスマッチなのも印象に残っている。

〔悲しい記憶〕
「刑事犬カール」の放送が終了したあと、彼女は突然海外に行ってしまった。逃避行であった。大人の女性というより男と女。もう刑事犬カールの婦警や水原勇気ではない。遠くへ行ってしまった。

〔追記〕
唐突だが、福岡県の久留米という町に有名なラーメン店がある。その昔、ザ・ベストテンの中継もあったところ。演歌歌手がその店の前であわただしく歌っていたのをテレビで見た。
店内には当時は警察犬らしき犬のポスターがあちこちに貼ってあり、カウンターにはバナナが置かれていた。バナナを普通に売るラーメン屋さんは他には知らない。刑事犬カールのオーナーだと聞いていたのでてっきりテレビのカールのことだと思っていたが違ったようだ。
でもここに来るときにはこの曲を思い出していた。
ラーメンはとてもおいしく、白飯やおでんと一緒に頂くとさらに旨かった。

                 終わり 


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