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タイムリープできたら、小説だけを書いて生きていきたい?

「時をかける少女」をはじめとして、タイムリープを題材にした物語は古今東西たくさんあります。
自分ではタイムリープ小説を書いたことはないですね。タイムスリップものなら「タイムスリップ・ロックンロール」があります。
タイムリープは、今の自分の意識が過去や未来に跳躍することで、タイムスリップとタイムトラベルは物理的に時間旅行することだと思っていたけど、そこまで明確な定義はないようです。

言葉の定義はさておき、現実に自分がタイムリープできるならいつがいいかと妄想することはあります。
僕は、大学卒業した年に戻ってみたいです。
僕は、数十年働いた会社を辞めて小説家を本格的に目指しました。その数年後、「夏のピルグリム」で第12回ポプラ社小説新人賞 奨励賞をいただき、Amazon Kindleで多く読まれていた「ふたりの余命」が「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」(宝島社文庫)として書籍化され、商業デビューしました。
長年の夢が叶ったのは嬉しかったですし、ラッキーだったと思う反面、若いときから小説一本でやっていたら、もっと早くデビューできたのではと妄想することがあります。
この数十年で、小説を読む人は減り、書店は激減しました。それ以前に小説家になれていたら、今とは大きく違った人生と送れていたのでは、と考えてしまいます。

大学を卒業するときには、すでに小説家志望でした。小説家を志望する古の若者のように、定職を持たずに苦労しながら執筆をする暮らしに憧れましたが、若かった僕はそこまで人生を賭けることができずに、会社員として働きながら小説を書く進路を選びました。
デビューできたら、会社を辞めて小説家専業になろうと考えていましたが、会社員時代に受賞することはありませんでした。結局、交通事故で死にそうになったことをきっかけに退職することにしました。

もっと早く専業になれば、もっと早く小説家になれたという思いは消えませんが、その一方で会社員として、また家族を持ったことで、小説が書けた気もします。
受賞作の「夏のピルグリム」は13歳の女の子が主人公です。自分に娘がいなかったら、書けなかったし、そもそも書こうとは思わなかったでしょう。
それ以外の作品にも、今まで過ごした僕の人生が反映されています。
就職せずに過ごしていたら、経済的に困窮して小説を書くどころではなかったかもしれません。

もしも、若い頃にタイムリープしても、小説だけを書いて暮らすことはしないかもしれません。小説一本で生きていく人生には常に憧れますけど。

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