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"こころを動かすアイデア発想法"社内メンバーに聞いてみました!【前編】

弊社は食品や飲料といった消費財のプロダクトブランディングのご依頼をいただくことが多いですが、最近はZ世代やミレニアル世代に向けたプロジェクトが増えてきた印象があります。


Z世代やミレニアル世代はInstagramやTik tokに馴染みのある世代として、
「自分の好きなモノや情報を上手にカスタマイズし、自分のライフスタイルをつくる」という感覚に非常に長けています。


雑多に溢れかえる情報に対して非常に鋭い見極め力を持ち、
"自分に合うか"、"自分の価値観に合ったブランドか"、
そして"自分のライフスタイルに取り入れるものとしてふさわしいか"などを
瞬時に判断しているのです。


ブランドは強い個性を持つ必要があると同時に、一方的に情報を押し付けるだけでない生活者のライフスタイルをつくる一部のパーツのような心地よい存在感
求められているのです。


「生活者のライフスタイルにどう取り入れてもらうか」
「自分向けだと感じてもらうにはどうしたらいいのか」という点がポイントになる中で、直感的に「自分にふさわしいブランドだ」と感じさせるためには
何が必要なのでしょうか。

特にコンセプトやネーミングづくりの観点から考えてみたいと思います。


弊社では、ブランドコンサルタントがブランド戦略から
コンセプトやネーミングといったクリエイティブアイデアまでを開発しています。


幅広いアイデア開発を行うことで可能性を広げるとともに
質の高いアイデアにしていくことに力を入れており、
1つのプロジェクトに対してコンセプトは15〜30の方向性を、
ネーミングでは、500〜600案、長期のプロジェクトでは1000案ほど
検討することもあります。


もちろんクライアントからいただいた
マーケティング情報や商品情報を網羅したアイデア開発にトライしますが、
それでは全ての情報がバッチリそろった、
外しや隙のない企業目線のアイデアになってしまいがちなのも事実です。


正しい情報や訴求点ではあるものの、生活者が直感的にいいなと感じる
ライフスタイルに合ったアイデアからは少し離れてしまうのです。


いかに思考を左脳寄りから右脳寄りに切り替え、企業目線モードから
生活者モードに転換しアイデアを開発できるかどうかが重要になります。


今回はそんな生活者モードで
ライフスタイルに合ったアイデアを開発する方法のヒントを探るべく、
チームメンバー数人にインタビューをしてみました!


まずは、入社4年目のKさん。

読書家でいつも本を片手に持っている彼女は言葉が大好きで、
コピーライティングに強みを持つメンバーです。


彼女はいつもアイデアを開発する際に、まず「物語をつくる」そうです。


商品について考えていると、ついその"モノ"についてのスペックや機能
ばかり考えてしまいがちですが、まず物語のワンシーンを描き、
そこにその商品やブランドがどう登場するのかを考える。


そうすることでそのシーンの中での存在感、もたらす感情をリアルに繊細に捉えることができ、生活者がすっと受け入れやすい訴求力のあるアイデアが生まれているようです。


弊社が携わった、キットカット 隙間じかんのアーモンド&クランベリーの
アイデア開発の際にもその方法が活かされたそうです。


「自分時間にどのように気分を上げているか」を生活者の視点から捉えた
同ブランド。


弊社内でのネーミングのアイデア出し段階でも、生活者が過ごしている物語のワンシーンを想像しながら、ライフスタイルに合うニュアンスや雰囲気を組み入れていったようです。

キットカット 隙間じかんのアーモンド&クランベリー


商品に触れるシーンと心地よい感覚がイメージできるネーミング。
さらに柔らかな色合いの可愛らしいイラストは
生活者の絶妙な感情を捉えています。

そんな生活者のライフスタイルに合ったブランド作りにおいては、
Kさんの発想法のような「物語をつくる」情緒的な手法が
インスピレーションとなっていたようです。



続いては、入社7年目のZさん。

大学ではデザインを学んでいた感覚派のメンバーで、
趣味は手帳づくりや水彩画を描くこと。
デザインに強みを持つブランドコンサルタントです。

彼女は、作り上げたいブランドの世界観やコンセプトを
まずは想像力に任せ、
「自由なビジュアルをつくる」そうです。

「水彩画を描くときの感覚とアイデアを考えるときは似ている。」
と彼女は言います。

水彩画は水の量や、絵の具の混ざり合いでほんのわずかでも異なる表情を見せるところが面白いそうで、まさにコンセプトのアイデアも、言葉で先行して考えるのではなく、水彩画を描くときのようにビジュアルのイメージから自由に想像を膨らませることで、柔軟で感覚に訴えるアイデアを作っているようです。


弊社が携わった、さとの雪食品の『感豆富』は、五感に訴え こだわりの大豆食で心と暮らしを富ませる」をコンセプトにした、大豆食の可能性を広げるブランド。


時間に追われる現代人に食べる「もの」と「時間」の価値を高め、人生を豊かにするブランドとして展開しています。

感豆富 からだよろこぶ大豆のプリン


プリンのイメージとは一線を画した世界観を感じさせることで、一目見て共感が
生まれるライフスタイルに寄り添った新しい訴求を行なっています。



これまでのプリン市場にはあまりなかった洗練された上品な世界観の構築に向けて、社内でのアイデアディスカッションでは理屈抜きでイメージを膨らませ、
「自由なビジュアルをつくる」
Zさんのような発想法が刺激となっていたようです。

他にも音楽が好きなメンバーは、そのブランドの世界観を音楽からイメージし
音楽を聴きながらその空間に合うネーミングを開発するメンバーもいました。


それぞれに共通していたのは
"日常の中に視点を置くこと、そこに照らし合わせてアイデアを開発すること"
でした。


自分自身の好きなこと、熱中できる日常のものごとと掛け合わせて
発想を膨らませることで、企業目線の左脳モードだけではなく、
日常に寄り添った生活者としての右脳モードになり、
リアルで共感力の高いアイデアが生まれるのかもしれません。



それ以外にも、チームの中では
"生活者と同じ行動をしてみたり、実際の空間に行ってみること"
非常に大切にしているポイントです。

料理が好きで、料理をしながら主婦目線でアイデアを開発するメンバーがいたり、
居酒屋巡りが好きなメンバーはその空間のリアルな質感や雰囲気に浸りながら
お酒の商品のアイデアを開発しているという声もありました。


ファミリー向けの商品のプロジェクトではショッピングモールに出かけて観察してみたり、と
"リアルな体感によりライフスタイルを肌で感じ取ること"
有意義な方法だと感じています。



以下はライフスタイルに合ったアイデアをつくる3つのヒントです。

  ライフスタイルに合ったアイデアをつくるヒント

1. 商品を"モノ"としてではなくその周辺の"コト"や"トキ"までも
  イメージしてみる。
例)物語をつくる・音楽から空間をイメージしてみる

2.言葉は忘れてビジュアルのイメージを想像してみる。

3. 生活者になりきってリアルに体感してみる。


弊社では、今回のような生活者のライフスタイルに沿った
ブランディング戦略・コンセプト ・ ネーミング ・ パッケージ開発を
行なっています。

今回の記事に関連して、生活者の「欲しい!」という感情を引き出す
アイデア開発について考察した記事も是非ご覧ください。


今後もこのnoteでは、ブランディングについて、アイデアや発想法について、
パッケージデザインのトレンドについて考えたこと、学んだことを
発信していきます。
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