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絵を描くことが心の回復に役立った件について

絵を描き始めた背景

美術では少し得意かな、ぐらいの私が絵を描き始めたのは2.3年前。適応障害になって4か月ぐらいの時でした。当時、コロナ禍の真っ只中でテレワークが流行っていたので、家族も家で仕事をしていました。その頃の私はまだ一日に話す単語は数えられるぐらいで、会話はできなかったのですが、紙に言葉を書き出すことはできるようになっていました。そしてその紙に時々イラストとも呼べないラクガキを書いたり、ただお気に入りの色鉛筆で色を出す遊びを黙々と行っていました。きっと色が混ざったり、濃淡が出たりするさまがきれいだなぁと感覚を楽しんでいただけなのですが、それを見た姉が『心が動いているなら』とペンタブをプレゼントしてくれました。幸せ者ですね。そこからその姉の心意気がうれしくて書き始めるようになります。

何を描くか問題

さて、建築学科だった私はイラレなどのソフトは触っていたので使い方にはすぐに慣れました。しかし、描きたい“モノ”はありませんでした。そもそも白い紙に色がのることを楽しんでいたので、ペンが動きません。困りました。「言いたいことも言えない上に、描きたいと思っても描けないのか。」と。そもそも美術部でもイラストについて専門で習ったわけでもないので、描き方なんて知らないし…。結局また何もできないと落ち込みそうになります。
そんな時、いつも吐き出していた文字が目に留まります。
『笑顔になりたい』
下手でもいいから、絵だけは笑顔の絵を描こうと決め、描き始めます。

最初はこんな感じ。これはこれでかわいいと思う。

いろんな笑顔の画像見ながら、描いていくんですがまぁ、最初は上手く描こうとして下手でした。(今もうまいとは思っていませんが…自分の絵は好きです。)徐々に厚塗りのようなことをして色を混ぜて楽しんで、それをアナログでも初めて、また面白さを感じてたくさん描いていきました。

その中で気づいたんですが、表情の絵を描く時ってその表情に引っ張られるんですよね。そう、笑顔の絵を描き続けていたので、描いているとき無意識に口角がずっと上がっていたんです。そのついでに普段も笑顔になることが増えていたみたいです。嬉しい誤算。そこから徐々に小さなサークルで依頼を受け、様々な表情に挑戦していくのですが、とてもわくわくしていたのを覚えています。

表情はないけど好き。2年前に描いた12月のロック画面「ヒーロー」

絵を描いていて何が変わったか

大きく変化を実感したことは、3つあります。
1つ目:目の前のことに集中することが出来るようになった
2つ目:好奇心が湧くようになった・感性が豊かになった
3つ目:観察力が高まった・悩むのではなく考えるようになった

 1つ目に関しては、そのままなのですが、現社会ではスマホでいろいろできてしまうがゆえに、誘惑も一層身近です。一つのことに集中できる時間が少なくなっていると思います。

私が適応障害になった時は、多くのことを抱え込み、「マルチタスクをしすぎて感情の整理も思考の整理もできずパンクして何もできなくなった」という状態でした。Aをやり始めたのにBが気になって、Bをやるけど途中でCが気になって...。いろんなことを同時にやろうとして何も進んでいない→進捗が悪い→迷惑がかかる→プレッシャーを自分でかける→進まない・助けを求めない→爆発って流れだったんですよね。

絵を描いていると、あっという間に時間が流れます。ものをよく見て綺麗に描こうと思うと自然と、絵を描くことに入り込んで集中しています。これが習慣になったことで、集中して作業や思考することが出来るようになりました。AをやっているのにBやCのこと考えていたらそりゃあ作業は遅くなりますよね。絵を描くときは絵のことだけ考える、を大切にしています。

2つ目は好奇心が湧くようになった、感性が豊かになったことですが、これは自分が取り組む時間や想いが増えてくれば来るほど湧いてきました。上手下手は関係なく。絵を描く上で、必ず「よく見る」工程があると思うのですが、これが日常でも発揮され、いろいろなものの背景まで勝手に妄想することが出来るようになりました。落ちているものを見て、こんなストーリーがあるんだと話すのは、正解を探すこととはかけ離れたことで自由なのでとても楽しいです。ぜひ落ちている手袋やごみから想像してみてください。

3つ目は観察力が高まった・考えるようになったですが、思ったように描きたいとなると、ここでもよく観察しなければなりません。それがいつしか日常でも「いつも見過ごしていたことを見つけられるようになり、それが考えるきっかけになり、それが知識を学ぶキッカケになる」という流れを自然とできるようになります。

こないだは、散歩中に見た柿の木に1つだけ柿が取り残されているのはなんでだろう?取り忘れ?取りづらかった?たまたま?あえて?から気になって調べて木守(きもり・きまもり)という言葉を知りました。来年もよく実るようにとのまじない、ほかの生き物への感謝など様々あるみたい。面白い風習だなぁと思いました。

あれなんだ?から知った、取りつくさず一つだけ残す気守り。

最後にマインドフルネスの話について

マインドフルネスとセットで取り上げられているのが『瞑想』。(マインドフルネス=瞑想ぐらいの勢いで取り上げられている)呼吸に意識を向け、今に集中することで、「脳や心を整える」ことができると研究でも実証されている方法になりますが、体を鍛えることと同様、瞑想も継続して行うことで実感できるものとなっています。効果としては、不安やストレスの解消、集中力の向上、自己肯定感の向上、EQや共感力の向上、睡眠の質の向上・不眠改、自己統制力の向上などあげられます。

しかし、マインドフルネスの本当に定義は
評価や判断を加えず、いま自分が経験していることに意識を向け続けること”
とされ、『瞑想』一択では決してありません。

今回【絵を描くことが…】をご紹介したように、私が実際に取り組んだ瞑想以外のマインドフルネスをこのように記事にしていこうと思っております。

どこかの誰かの生きるヒントになれるようにぽつぽつとはなりますが、記事にしていきたいと思います。ご精読ありがとうございました。

もしご興味あればイラストのご依頼お待ちしております。


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