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日本のデザインコンペは閉鎖的か? ①

水が流れない池は濁りますし、風が流れない部屋は空気がよどみますよね?

日本のデザインコンペしかりです。

以前から首をかしげてきた問題をnoteで語ってみようかなと思います。
デザインコンペ運営に横わたる閉鎖的な問題に触れていきます。

まずコンペティションとは何か? という説明から簡単に。
デザインなどのクリエイティブワークを公募して、応募作品から優秀な作品を選抜して賞を授与する定期的なイベントです。これには規模や地域、業界違いで様々なコンペティションが開かれています。デザイン業界では特に秋口の10月あたりから翌年の2月あたりまで世界各地でたくさんのコンペティションが開催され、その年の優秀作品を裁いていきます。
では、健全なコンペティション運営とは何か?


審査に「公平性」があり、
選出の作品群に「多様性」が見出せるもの


私はこう考えます。
そして日本のデザインコンペにおいては、
審査に「公平性」があるかわからなく、作品群に「流行的な傾向」が見出せる。こう感じています。

ちなみに私は国内外のデザインコンペティションに10年前くらいから積極的に応募してきています。海外では毎年開催されるものであったり、隔年、3年に一度の国際コンペだったり国をまたいで様々あります。日本でも主要なデザインコンペはいくつかありますが、その国内のデザインコンペにおいて審査体制にある種の問題を以前からずっと感じてきました。そしてここで考えます。

「これって僕だけが感じてきたことなの?」

ちなみにこれから提起する問題を疑問視する声は聞いたことがありません。少なくても私の周りでは。ですので、私が話出します。

ここで問題提起をして、まずは皆さんと意識を共有することに意味を感じます。というのも、仮に皆さんが同じ問題を意識されていたとして、それをより多くの方々と共有できるようになれば、動きを生み出せる何かのきっかけを作れるかもしれない。それが最終的にはクリエイティブ業界全体、もしくは日本社会全体のクリエイティブ表現の質の向上につながるかもしれない。

ではまず、コンペティションの開催意義は何か?



クリエイティブワークの競争による
(デザイン)業界のクリエイティビティの向上



これは別にデザインに限りません。イラスト、写真、ファッション、インテリア、建築などクリエイティブ系業界には様々なコンペティションがあり、全ての業界を通して一貫していると思います。
ではなぜクリエイティブの質の向上を狙うのか?


社会に還元」できるから



たとえばデザイン。
これはアートのような純粋な個人の表現とは違い、ビジネス、社会的、商業的ニーズに対してクリエイティブワークで「解決策」を作っていきます。デザイン業界へのこうしたニーズは社会との関係性の中で生まれますので、デザインの質を向上させることが、文化レベルに貢献して結果的に社会に還元できるわけです。デザインの力で人が住みやすい社会にできる。だから向上に必要なコンペをしましょうってことです。


クリエイティブの質の向上 → 住みやすい社会


まだあります。
「競争」が生み出すメリットは計り知れません。バックグラウンドの違う様々なデザイナーがしのぎあうわけですので、当然質の向上がおきます。受賞が目的だからです。
私はサッカーが好きなのですが、どんな強豪チームでも、各担当ポジションにライバルがいないと必然的に弱くなります。ライバルより優位にたちポジションを獲得してチームに貢献する。これが強いチームでの必須条件です。人の向上心にはライバルが必要だという例ですね。

では、その競争市場であるコンペにおいて、日本のクリエイティブ団体が抱える主な問題とは何か?
私は以下の4つだと考えています。



主な問題点 ]

問題1  審査員が毎回変わらない

問題2  審査員も出品でき、投票できる

問題3  出品作品の作家情報が審査段階でわかる

問題4  会員のみ応募が可能


※ 以上はクリエイティブ団体により該当する問題は変わります。




次回は、以上の4つを問題視する理由を書いていきます。

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