人類にとって成長は重要だったのか?

コロナによるパンデミックの状況から思考したくなりました。
今まで発展に貢献してきた理由や大義名分として、今回のような危機が起きないようにする事 だったのでは無いでしょうか?
その流れで人類にとって重要なのは成長なのか? という事を考えて見たくなりました。

今回思考するのに参考にしたのは、↓これです。

心理学者マズローさんとえば思い浮かぶのは「5段階の欲求」と思います。
ピラミッド型で下から生理的欲求 上が自己実現欲求。
ピラミッドの意味は、達成するための難易度だそうです。

スクリーンショット 2020-04-04 23.23.25

今回参考にしたのは欠乏動機と、成長動機です。
ざっくり比較するとこんな感じです。

スクリーンショット 2020-04-06 23.22.12

欠乏動機とは、基本的欲求(生理的欲求、安全の欲求等)の事であり、
緊張の解消や平衡状態を維持や回復、安定状態の確保を目的とするようなのような行動特性があります。
そして欲求レベルは少しづつ上がってくるのですが何処かで止まると言われています。ただし一度上がってしまったレベルはなかなか下げづらいという傾向があるようです。

基本的欲求の厄介だと感じるところは、緊急性と関連しており満たされないと混乱を引き起こしやすく、上がった水準は下げれないので俯瞰的に見れば恵まれているし安全であるにもかかわらず混乱を引き起こします。

一方、成長動機とは、自己実現など高次元な欲求の事であり、
遠くの到達出来ない目標のために緊張を保つという特性があるようです。
そして欲求レベルは際限なく上がり続けるようです。
厄介に感じるのは、拡大を刺激とし、目標次第では社会に悪影響を与える可能性があります。目標のために、例えば虎を殺すべきという判断が為された場合には虎は殺されるのです。農耕と人口増加のプロセスで文明化していった世界最古の文明メソポタミアなど古代文明が栄えた地では持続性を考慮せず土地と水を酷使し、次第に作物が取れなくなり国力が下がり滅んでいます。自己実現の矛先を国力向上、収穫量向上としてしまうと、
Jカーブを描き際限なき成長と拡大を優先的に求めてしまいます。
そこで成長の方向性を規制しようとしたのがSDG'Sです。


新コロナで露呈した事は、密集による効率化のロバスト性の低さ(システムの安定性の低さ)では無いかと考えています。
成長を求めた超効率的社会の限界に到達したのでは無いでしょうか?
グローバル化により推進された効率化、人と物と情報の高速移動化は、レバレッジを利かせる事で多くの成長と富を生み出しました。
その一方で負のイベントがあった場合には高速で逆回転しネガティブフィードバックがかかり混乱を引き起こす事を我々は今体験しているのでは無いでしょうか。
10年振り返ると、東北大震災、熊本での地震、台風による大洪水、サブプライムローンによる金融危機、そして今パンデミックが発生しております。
成長(スケーリング)の限界については↓この本でも述べられています。

その一方で発展が人を幸せにしたことも沢山あります。
海外旅行に行けるようになり、生命を脅かす事も減り、スマホでいつでも中の良い友人や愛する人とコミュニケーションを取れるようになりました。
まだまだ沢山あるのでしょう。不治の病だったHIVも薬で症状を押さえながら生活できるようになりました。

人類にとって成長は必要なのでしょうか?
私たち今後優先すべき事は何でしょうか?

コロナにより世界的自粛が起こる中これからの世の中はどうなっていくのでしょうか?恐らくこれほどの人口や国が同時に危機を感じた事は無いでしょう。同時に今やるべきことを考える人が増えることでしょう。新しい価値観が生まれるのでしょう。

そして最後に成長とは、発展とは何かを考えるにあたり、有名な文化人類学者「クロード・レヴィ=ストロース 」著 野生の思考↓ を読んで見るのも思考の一助になるかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?