前に出た高安
こんにちは。ぼーんぐんです。
「前に出ました」
好調の錦富士に勝ってインタビューに答える高安の言葉です。
みなさんは連日熱戦を繰り広げる大相撲をご覧になっているでしょうか。
高安は思い返せば今年に入り2度も優勝のチャンスを逃しています。
あと一勝。あと少し前に出ることができたなら・・。その悔しい思いを晴らそうと、今場所は並々ならぬ意気込みで臨んでいることでしょう。
高安頑張れ!
「前に攻める相撲を明日からも続けたい」と高安は闘志を内に秘めています。
前に攻める相撲。
前に出ることは相撲に限らずとも難しいことです。
守りに入らず攻める気持ちを忘れないこと。現状に甘んじず時代の変化に対応すること。とも言えます。
先日、2年前に家業を手伝う理由で離職した元従業員に街でばったり会いました。
人懐っこい笑顔は当時のままです。
近くのカフェで近況を伺うと、家業は絶好調で人手が足りないんだと羨ましい話です。
しかし、よくよく聞いてみると不満が止まりません。
古い体質の職場で、各部署の責任者は職人気質。自らの"勘"と"経験"で仕事をこなしていると言います。
高齢化も進んでいて自分が家業を継ぐには職人達の後継者の育成が何よりの課題だと頭を抱えています。
しかし何も変えようとしない職人はいい気なもの。今まで何十年もこのやり方で上手くやってきたからと変化を嫌います。
至る所で職人しか知らない情報がブラックボックス化しており、その都度職人に確認するしかありませんなら、とても安心して事業を続けることができません。
さらに、折角採用した人材も職人の乱暴な物言いと、"オレの背中を見て学べ"式の教育法では長く続く筈もなく、年中求人情報を出さざるを得ないんです。
従業員への不満が止まらない彼に、私は一つの思い出話をしました。
彼が在籍中に取り組んだある案件の話です。その案件とは「企業ホームページの刷新」。
当社の商材とは全く関係のない案件ですが、彼が担当する職場の人間関係の改善目的で彼が考え提案したんです。
ホームページの刷新は効果を上げました。
プロジェクトに参加した従業員は、自分たちはなんのために働いているのか。自分たちの強みや弱み、そして目指すべき方向は何処なのか。
従業員間で徹底的に話し合うことで、お互いのわだかまりも次第に消えていったといいます。
彼の提案は成功したんです。
結果、職場の風通しも良くなり、本業でも大きな利益に結びつく商談に至りました。
私の話が終わる頃、彼は当時を思い出したのか、もう一度前に向かって進んでみますと元気な表情になってくれました。
大相撲では、勝ったときの技を「決まり手」といい、やってはいけないことを「禁じ手反則」といいます。
職人たちを追い出して、時代にあった全く新しい職場にダイナミックに変化させることはトップならば可能です。
他国でメール一本で解雇を通告する従業員軽視の企業が注目され話題をなっていますが、私はこの手のやり口は「禁じ手反則」なのではないかと思うのです。
そうではなく正しい「決まり手」で勝ちましょう。
職場のみなで時間をかけて汗をかき、自分たちの"あるべき姿"が明確になれば、もう勝ったも同然です。
「前に攻める相撲を明日からも続けたい」
高安の言葉が聞こえてきます。
人は誰でも"ひたむきな力士"を応援したくなりますよね。
さぁ、みなさんは悩みをお持ちですか。
そんな時は禁じ手はいけませんよ。
あと一歩前に出れば状況が好転するかもしれませんから。
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