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「覚悟」と「本音」

プロレスの最大の売りは何だと思いますか? 

私の答えは「我々が漠然と願っているだけでできないことを平然とやってくれること」。それこそが「夢を売る商売」の魅力だから。

たとえばアメリカのWWEは、スティーブ・オースチンが社長のビンス・マクマホンによる数々の嫌がらせに負けず、最終的にリングで叩きのめしたことがキッカケで人気が爆発しました。日本では、戦後間もない時期に外国人を空手チョップでなぎ倒した力道山が国民的ヒーローになりました。

オースチンも力道山も抗争の相手を本気で憎んでいたわけではありません。でもガチな部分が確実に存在し、その情念を覚悟を決めて膨らませたことがファンの潜在的願望を代行する結果に繋がったのです。

試合後、タイチ選手が敗れたみのる選手に向けた冷たい視線。あれもガチでしょう。「もうおまえの下にはいたくない」と。おそらくここから鈴木軍の分裂ストーリーが始まります。分裂というか、ボスのみのる選手以外は全員脱退かな。。。

タイチ選手の野心は理解できます。いましかない。レスラーの全盛期は短いのです。本音を言えば、堂々と「鈴木さん、俺はアンタの手下じゃない!」と叫んで欲しいけど、それは今後に期待します。

問題はYOSHI-HASHI選手です。

みのる選手をディするのはいい。でも動画を見ると目が泳いでいたし言葉も上擦っている。終いには「そうっすよね?」とパートナーの後藤選手に同意を求める始末。何も伝わりません。

怖いなら怖いって正直に言えばいい。その上で「でも俺は負けない! 本気になった怖いおまえを絶対に倒す!」と腹を括って覚悟を決めれば、ファンも「鈴木みのるとYOSHI-HASHIの死闘が見たい!」とチケットを買います。あれじゃあジャイアンの威を借るスネ夫。せっかく素晴らしい試合をして評価も上々なのにもったいない。

YOSHI-HASHI選手、「自分の言葉」で「本音」をしゃべってください。去年ベルトを初めて獲ったときみたいに。それは試合にも必ず出ますから。人の心に響くのは上手なスピーチや美しい文章じゃない。下手くそでも伝わったもん勝ちなんです。期待しています。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!