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イチ非正規書店員が「人手不足の現場」に思うこと

職場の人手不足が続いています。

ひとり入ったと思いきや、待っていたかのようにひとり抜ける。その繰り返しです。

多くの職業がそうであるように、書店員もラクではありません。従業員の大半は女性でありながら、実態は肉体労働に近い。長く勤めている人は、必ずといっていいほど腰を痛めます。接客業ならではの理不尽に曝されることもしばしば。そして給料が安い。

棚作りの面白さはあります。好きなものに囲まれて働けるのも、最新の出版情報にいち早く触れられるのも悪くない。しかし仕事の割合でいったらそれらは数パーセント。大半は終わりなきレジ打ちであり、時間に追われる大量の荷開けであり、不毛な返品の荷造りであり、煩雑な事務作業であり・・・

非正規も社員もやらなきゃいけないことに追われ、防戦一方です。誰かが「本を売っているというだけの作業員」と話していました。たしかにそれが実態に近い気がします。

ゆえに辞める人に対しては「まあ仕方ない」「いままでありがとう」が正直なところ。一方で繁忙期にレジから出られなくなれば「何で辞めるんだよ」という感情に襲われることもある。

より深い部分の本音では辞めてほしくない。それは我が身可愛さでもあり、せっかく書店を選んでくれたのにという無念さでもある。時に自分以上の熱意を見せてくれた彼や彼女が、なぜ離れる決断を下してしまうのか。

自分ひとりの話であれば、現状を耐え忍ぶことはできます。天職だと思っているので。しかし全体のことを考えたら、さすがにこのままでは。。。

本が好きで本屋が好き。だから書店員になったはずの仲間が次々に去っていく。この状況をどうにかしたい。だからこそ、メディアがなかなかフォーカスしない「書店現場のリアル」を訴えていきたい。

現場から会社へ。会社から社会へ。できることをやっていきます。

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