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「目先の結果」より大事なもの

雀鬼・桜井章一さんはご存知ですか?

プロレスラー・中邑真輔選手をきっかけに存在を知り、著書から多くのことを学ばせていただきました。「理想的なのは『よい内容で勝つ』こと」「次は『よい内容で負ける』こと」「最も下なのは『悪い内容で勝つ』こと」という教えが印象に残っています(興味のある方は↓をどうぞ)。

先日、G1公式戦で鷹木信悟選手を破ったジュース・ロビンソン。幸先のいい白星発進ですが、率直に述べると典型的な「悪い内容で勝った」一戦でした。

特に終盤。顔面パンチ(プロレスでは反則)を出すなとはいいません。エキサイトすれば相手をグーで殴りたくなる局面もあるでしょう。でもやることがなくなり、間を持たせるために乱発するのは意味が違います。ここぞの場面で使わないと一撃必殺の価値が下がってしまう。

「○○を使って勝つ」ことと「○○に頼って勝つ」ことは似ているようで真逆。プロレスに限らず、この違いに気づけるかが便利なツールの奴隷に堕すか否かの分岐点です。

一方、痛い星を落とした鷹木選手は闘いぶりをファンから賞賛されています。「よくあそこまで盛り上げた」と。ここがプロレスの面白いところです。もちろん対戦相手と勝敗を競い合うことが大前提。でもそれと同時に、もうひとつのシビアなファイトがお金を払ったお客さんとの間で繰り広げられているのです。

いわゆる「負けるが勝ち」とはこういうことかと学びました。いい内容を残して負ければ自分の中で次に繋がります。他者からの期待も高まる。でも悪い内容で勝った人には「勝った」事実しか残りません。勝てなくなったら、もう何もない。

ジュース選手は病み上がりなのでスタミナ不足は仕方ないです。厳しい声に屈せず、ここから巻き返してほしい。最も大事なのは「目先の結果」ではなく「周りの信頼」を勝ち取ることです。頑張ってください!!

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