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「心の積読」と「ひとり伏線回収」

「書店 有給休暇」

ワクワクする響きです。ファッションブランド「途中でやめる」の創始者である山下陽光(やました ひかる)さんに相通ずるネーミングセンス。鳥取で営業している「汽水空港」のことも思い出しました。

場所は東京都国立市でオープン予定日は4月6日とのこと。「有給休暇の日に行きたい本屋」というコンセプトに「有給休暇を積極的に取得しよう」という社会へ向けたメッセージも感じました。どういう本が並ぶのか興味津々。

ところで私は書店で働いています。

つまり日常的に本屋に入り浸っているわけです。欲しい本があれば休憩時間か退勤後に買えます(あえて使ってないけど社割制度もある)。だったらせっかくの休日にわざわざ書店なんか行かないでしょ、と皆さんは思うかもしれない。

そんなことはありません。むしろ逆。休みの日もほぼどこかの本屋に足を運んでいます。

棚の作り方を参考にする、職場で置いていないものを買いに行くなど理由はいくつかあります。でもいちばんは楽しいから。

目的買いの本を確保してもすぐレジへ向かわず、頭を空っぽにして店内を見て回る。すると高確率で「おっ」と目を惹く一冊に出会えます。もちろん経済状況と相談して買わないケースもある。そういうときは「心の積読」というか「こんなのがあるんだな」とふんわりインプットしておく。

その蓄積が商品知識になり、仕事で活きます。何かのきっかけでふと存在を思い出し、もしくは必要性を感じる事態に直面し、数年越しに購入することもある。そういう「ひとり伏線回収」が楽しいと感じられるうちは「休日の書店通い」は習慣として、いやもっと当たり前の息を吸って吐く感覚で続くはず。

自分の職場もお客さんにそう感じてもらえたら嬉しいです。

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