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イチ非正規書店員が「プロ野球の契約保留」から学んだこと

プロ野球が契約更改のシーズンに入りました。

福留孝介さんの「誠意は言葉ではなく金額」は名言です。最低時給で働く非正規書店員の身にしみじみと染みました。

更新の際、お金のことで何かを言った経験はありません。しかし頓着していないわけではなく、気にしない振りを演じていたのが本当のところ。水島新司「あぶさん」の主人公・景浦安武みたいな「提示額をろくに見ないでハンコを押す」姿勢がカッコいいと思っていたのです。

WWEで活躍するプロレスラー・中邑真輔選手も、新日本プロレス在籍時は毎回一発サインだったと著書に書いていました。

ただよくよく考えたら、あぶさんは架空のキャラクター。中邑選手は新人の頃からトップスター。安易に真似る前に、まず己の現状を見定める必要がありました。

貢献度と釣り合わぬ要求をする人もいるでしょう(どの職場でも皆無ではないはず)。彼や彼女が「ゴネている」と見做されるのはやむなしかもしれない。しかしたとえばプロスポーツ選手の場合、確たる数字を残したうえで報酬額が見合わないと主張してもマスコミは一緒くたに「銭ゲバ」みたいな論調で扱いがちです。

そうした報道を是とする時代に育ち、いつしか「黙って働け」「カネのことで文句を言うのはカッコ悪い」みたいな価値観を美学として刷り込まれた気がします。黙っていても毎年給料が上がったバブル期ならそれでよかった。いまは状況が異なります。

だからといって次の更新時に「いざ銭闘!」とはなりません。耐えるところは耐える。そもそも店長や正社員に訴えて変わるものでもない。ただでさえ忙しいなか、本部との板挟みにしてしまうのは不本意です。一方、何らかの形で末端から動かないとこの業界はどうにもならないとも感じています。

最低時給ではなく10円でも20円でも上乗せする。そこに現場への誠意を見出したいです。

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