見出し画像

3.11後のハードボイルド書店員

先日の地震、皆さま大丈夫だったでしょうか。

私の部屋は積んでいた本とCDの山が崩れ、20年間大事にしていたシーサーが割れました。宮城光男というアーティストの作品です。一度お会いしたこともあります。

捨てる気は全くないのでセロテープで直し、飾る場所を変えました。少し落ち込みましたが、それぐらいで済んで良かったです。宮城県在住の知り合いの家はもっと大変なことになっていましたから。

職場は無事でした。でも東北の方ではけっこうな事態に直面したお店もあったようで。

↑のお店は夕方の5時半からオープンしたようです。営業時間が9時から22時となっていたので、早番の人はひたすら復旧作業ですね。いろいろプレッシャーもあって疲れたはず。おつかれさまです。

以前閉店後の棚替えに駆り出された際、スカスカになった最上段から司法試験の資格書が落ちてきて脳天を直撃されたことがあります。ハードボイルドな私でも涙が出ました。皆さんも書店にいるときに地震が起きたら、速やかに棚から離れて落下物に注意してください。

3.11からもうすぐ10年なんですね。実は当時、職場の伝手で某新聞に私の書いた書評を載せていただくお話がありました(内容は忘れましたが)。でも震災でそれどころではなくなってしまいまして。

あとガソリンの関係でしばらく荷物が1日おきにしか来なくて、凄まじい量の雑誌が一度に来たこともあります。朝の開店前に棚へ出すのは絶対に不可能なボリュームです。仕方ないから退勤後に喫茶店で時間を潰し、閉店後にもう一度出社しました(発売日前日に雑誌が入荷するお店でした。ルールで当日まで販売してはいけないのですが)。

別に上司から「やれ」と言われたわけではなく「そうするしかない」「できるからやろう」と。自然な選択でしたね。

本の売れ行きは全体的に落ち込みました。でも雑誌は割と動いていた記憶があります。状況がどうなっているのか、皆さん早く知りたかったのでしょう。復刊した「アサヒグラフ」とかよく売れました。こういうときでも現地で取材して記事を書く人たちのプロ意識に感服したのを覚えています。本当なら家で家族と一緒に過ごしたいでしょうに。

オススメの本など、また近いうちに。



この記事が参加している募集

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!