「責任感」と「鈍感力」
逆方向(レフト側)へのホームランが出たのは大きいですね。
阪神の本拠地・甲子園は浜風が吹いています。ゆえに左打者のライト側への大飛球が風で押し戻されてフライアウト、というケースがしばしば見られるのです(そのハンデをものともせずにスタンドへ叩き込む金本選手や桧山選手の馬力に痺れたのも事実ですが)。
佐藤選手、これでさらに完成形へ近づいたのでは? 一年目からここまで活躍するとは。特にすごいのは↑の記事にもありますが、いくら三振しても物怖じしない点。天性のメンタルなのか、あるいは後天的に身に着けた鈍感力なのか。興味深いです。
2005年に阪神を優勝に導いた岡田監督のコメントだと記憶していますが、彼は無死満塁で打席に立つ選手に「ゲッツー打ってこい」と伝えたそうです。たしかに内野ゴロでゲッツーになっても、三塁走者が生還すれば点が入ります。そう考えると肩の力が抜けて気楽になれますよね。
佐藤選手はプロ初打点が犠牲フライだったこともあって、あるいはこれに近い考え方を自力で確立しているのかな、と。
あと昨年までの阪神は「投手が踏ん張ると打者が打てない」「打線が点を獲ると投手も打たれる」というある種の悪循環が目に付きました。今年は互いの不調をカバーし合える率が上がっていると感じます。この「ウィークポイントを助け合える関係性」が素晴らしい。
と同時に「他人のせいにしない」「自分がやる」という責任感を持った個の集団だからこそ、互いを助け合えて気持ち良く働けるのも事実。「何でも人任せにする人」と「自分でやろうとするけど上手くできない人」手を差し伸べたくなるのはどちらか、という話です。
ただ「やらなきゃやらなきゃ」とひとりで抱え込むのもストレスの温床。結局はバランスですよね。私の場合、ダウンタウンの松本さんの著書から学んだのですが「俺がやる」と「そんなモン知らんがな」の両方を絶えず念頭に置いています。あらゆる労働が自分のためであり、且つ他人のためでもあるように。
タイガースの皆さまには、ぜひいまの均衡感覚を保ち続けて欲しいです。ガチで今年はあるかもしれません。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!