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「プロセス」と「結果」の連動

由伸さんの監督時代の話からいろいろ学べました。

よく「プロは結果が全て」と言われます。

ただそのときは結果が出なくて酷評されても、後に再評価されるということが世の中にはよくあります。

たとえばカフカ。生前はほとんど無名に等しい存在でした。でも現在は「20世紀を代表する作家」のひとりとして全世界から敬意を集めています。諸説ありますが、ゴッホも生前は極貧で絵が一枚しか売れなかったとか。いまでは何十億、何百億円です。

高橋由伸政権の巨人も、当時の結果だけを見れば厳しい状況でした。でも監督が原さんに代わった途端にセリーグを圧倒的な力で連覇。前任者の種まきが実った部分もあるはず。特に岡本和真選手を四番を打てるまでに育てたことが大きいと思います。

我が阪神タイガーズもそう。今年は何かが違います。若い新戦力や移籍組が躍動し、そこに負けじと主力選手も踏ん張りを見せる。いまの勢いは間違いなく矢野監督の素晴らしい人柄と采配の賜物でしょう。でも元はといえば、この空気を創り上げたのは前任者の金本監督なのです。

数年前までの阪神はベテラン&外様に偏重していました。スタメンで生え抜きは鳥谷選手だけ、ということがザラでした。それを変えたのが金本監督。FA補強を最小限に留め、若手を一から育てる方針に切り替えたのです。現・四番の大山選手やキャプテンの糸原選手を早くから起用し、岩崎投手をリリーフに固定。他にも二軍で燻っていた桑原投手を抜擢するなど、金本さんは適材適所の配置術が優れていました。

もちろんお金をもらっている以上「育成期間だから勝てなくても許してね」なんて理屈は通りません。これは個人的な見解ですが「結果は気にしなくていい」と過度に言われると人は甘えが出て成長が止まるのです。

結果を出さねば、生き残らなくてはという危機感に背中を押されて努力を積み重ねる。なかなか思うように事が運ばなくても焦らずに己を信じ、試行錯誤しながら粘り強く続ける。そのシビアな緊張を孕んだ真っ当なプロセスが結果へ連動したとき、初めて「成長した」「育った」といえるのではないでしょうか。




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