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「暗黙のルール」と「全力でクリーン」

かつての卓球界には「相手の面子を考慮し、故意にミスをして1点を与えるという暗黙のルール」が存在したとのこと。

見直す流れに変わったのはいいことです。遊び半分の侮辱目的であれば容認できないけど、真剣勝負における完封はリスペクトの証と感じるケースが大半だから。わざとミスする方が礼を損なう場合もあるから。

もうひとつ。競技の世界は何が起こるかわからない。

学生時代、卓球部に所属していました。

当時は21点先取の3セットマッチ。ある時、同期が後輩との試合で「20-5」になりました。あと1点。しかし余裕をかましていたら17本連続でポイントを取られ、セットを失いました。

書店員になってからは「出版健康保険組合」の主催する大会に何度か出ています。初めて参加した年の初戦は身体が動かず、2セットをあっさり失いました(11点先取の5セット)。同僚らしき人が対戦相手に「余裕だね」と声を掛けたのを覚えています。

しかし勘が戻ったのか向こうが油断したのか、土俵際から3セットを奪取。もし相手がこちらに妙な気を遣い、それが敗戦に繋がったとしたらどうでしょう? 先方の感情がどうであれ、私は実力で勝ったとしか認識しない。第三者も同じように捉える。そういうものです。

個人の裁量で1点プレゼントする行為を全否定はしません。ただ暗黙の掟にし、やりたくない人に押しつけるのは別の話。万が一逆転負けを喫したら、悔やんでも悔やみきれない。

野球の世界にも「6点以上リードした終盤に盗塁をしてはいけない」などの不文律があります。たしかにやられた側が侮辱と感じるであろう状況も皆無ではない。一方で死球による報復にモヤモヤすることもしばしば。

相手への敬意を忘れず、かつ悔いを残さぬようにクリーンに全力で闘う。それを推奨するためのルールであってほしいです。

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