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「中邑真輔=ニッポニアニッポン」理論

職場の昼休みにスマートフォンで観戦しました。

休憩時間内に終わらなかったらどうしようとヒヤヒヤしましたが、最後まで見届けることができました。

今度こそと思ったけど現実は厳しい。フィニッシャーであるキンシャサ(走り込んでのヒザ蹴り)をぶち込み、コーナーへ立て掛けたテーブルに叩きつけたときは「決まった!」と確信したのですが。

帰宅後に改めて入場から観ました。白装束の下に黒と赤のつなぎ。プロレスリング・ノアで元旦におこなったグレート・ムタ戦を連想させる出で立ちでした。だから終盤にムタから受け継いだ毒霧を使ったのか。ちゃんと伏線を張っていたわけですね。

10カウントのノックアウトのみで勝敗が決する「ラストマン・スタンディング」なので凶器の使用はOK。中邑選手は序盤で華麗なヌンチャク捌きを見せてくれました。数年前にも披露しています。子どもの頃からできたとか。人生、何がどこで役に立つかわかりませんね。

中邑選手は昔からブルース・リーやジャッキー・チェンが大好き。中学生時代の進路希望のひとつが「香港に行ってカンフーをしたい」だったと11年前の講演会で話していたのを思い出しました。

あらゆる「自分」を総動員した素晴らしい死闘。心からの拍手を送りたい。一方で愕然としたのもたしかです。「これでもまだ足りないの?」と。

ただ2001年に最高傑作「ニッポニアニッポン」で芥川賞を逃した阿部和重さんが4年後に「グランド・フィナーレ」で同賞を獲得したように、第三者の評価はしばしばタイミングがずれます。早すぎたり遅すぎたり。だから結果に囚われず、しっかりいまを楽しめているのがいちばんかなと感じました。

いつか中邑選手が世界王座を獲り、私も「ハードボイルド書店員日記」で作家デビューしたら、どなたか対談をセッティングしてください。マジでお願いします。

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