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「記録」されない「記憶」だから

デスペさん、ホントいいこと言いますね。

確かに「生まれて初めて生で見た試合」は一生ものです。私が初めて生で見たプロレスは91年3月の全日本プロレス・後楽園大会。第一試合は菊地毅 vs リチャード・スリンガーでした(第二試合はどうしても思い出せない)。

覚えているのは「菊地、俺がついてるぞ!」という男性ファンの声援。私はひねくれ者なので対戦相手のリチャード・スリンガーに注目しました。水色のロングタイツに白いシューズ。最初は「誰?」と思ったのですが、顔を見て「あ、この人か」と。当時彼は全日本プロレスに留学中。ジャージ姿でセコンド業務をこなす姿をよくTVで見掛けたのです(ちなみに弱冠19歳!)。

スターとして花開くことはなく、やがて姿を見なくなりました。でも2000年11月かな? ノアを初めて生で見た後楽園大会でメインの6人タッグ戦に登場。髪型がクルーカットに変わり、顔立ちも別人のように凛々しくなっていました(空軍に入っていたという噂を聞いた)。でもコスチュームは昔と同じ水色のロングタイツ。「あのリッチがメインで堂々と試合している!」と感慨に耽ったファンは他にもいたはず。

第一試合といえば、ヤングライオン時代の鈴木みのる(当時は鈴木実)がアントニオ猪木と闘ったこともあります。みのるさん、「来いよジジイ!」と猪木さんを叩いて後で星野勘太郎さんに怒られたとか。あの第一試合が初観戦だった人もいるわけですよね。羨ましいです。ノーTVで会場にいた人しか見られなかった上に、最初で最後の「猪木vsみのる」だったから。

でも考えてみたら、私が初めて見た「菊地 vs スリンガー」もノーTVでした。会場に集まった2000人弱しか見ていない。映像ではどこにも記録されていないでしょう。私の記憶にはハッキリと残っている。何だか嬉しいです。自分が生きてきた証、と言ったら大袈裟だけど。

TVや動画で配信されない大会を見に行くことも、いずれ再開したいです。誰も「記録」しない「記憶」だからこそ、その人だけの価値が宿る。そういう「目に見えない個人的財産」を大事にしたいですね。

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