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結局「結果論」であるのなら

で、ようやくOKをもらった曲が↓とのこと。

globe世代なので、すぐに「ああ『Feel Like Dance』だな」と。確実に耳に残る安定の小室サウンド。配信限定ですが、かなりヒットしたようです。

昔、CHAGE and ASKAがハリウッド映画「ストリートファイター」の主題歌を依頼された際、「YAH YAH YAH」みたいなものをお願いしますと言われたのに、全く色合いの異なる「Something There」を作ったと聞きました。

推測ですが、当時「YAH~」の二番煎じを求める声が多くてASKAさんもげんなりしていたのでは? そこでタイアップの消滅やセールスの低下を恐れずに己の意志を貫ける点が素晴らしいです(なおウィキペディアによると「Something~」の累計売上は56.9万枚。前作「めぐり逢い」の半分以下とのこと)。

他方「自身の意向がどうであれ、依頼主の求めるものを出すのがプロ」という考え方も誤りではない。まずは生き残ることが最優先。プロの作品は芸術であると同時に商品でもある以上、この葛藤と揺らぎは永遠のテーマでしょう。

成功者ではない私に知った風なことは書けません。経験則から言えるのは「売れるかどうかは結果論」ということ。全てが狙い通りに進むわけではない。私の職場でも「少しは動くかな」と置いてみたら即完売して「永久平積み」を獲得した本がいくつか存在します。他店ではイマイチなのになぜかウチでは売れるのです。

上の事例でいうなら、ASKAさんが「YAH~」っぽい曲を作ったとして「Something~」以上の評価と売り上げを得られた保証はありません。逆に「まだ過去の栄光でメシ食ってるの?」と呆れられて大小の仕事を失った可能性も否定できないのです。

結局どうなるかわからないのなら「そのとき自分の作りたいものを作る」ことがいちばん悔いを残さぬ選択ではないでしょうか。「プロは数字が全て」や「時代性を捉えたものがヒットする」などの理屈も後付けな気がします。ケースバイケースで何がベターかを総合的に判断していく。その手間を惜しまぬ自分でいたいですね。


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