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「踏み台」の真実

2005年の年明け。当時新日本プロレス社長だった草間政一氏がエースの永田裕志選手に「棚橋、中邑の踏み台になってくれ」と告げた、みたいな記事が出ました。草間氏は柴田勝頼選手との契約更改の場でも「永田、天山には君らの踏み台になってもらうから」と話したとか(柴田選手が新日本を退団する理由のひとつになった)。

時は移ろい、いまや中邑真輔が「踏み台」にされるご時世です。タッグパートナーのセザーロに敵討ちを託す、と言えば聞こえはいいけど、要は「引き立て役」です。もしくは対戦相手のセス・ロリンズを強く見せるための「噛ませ犬」。

高橋陽一「キャプテン翼・ワールドユース編」で、若島津健が「俺は若林源三の噛ませ犬じゃないんだ!」と激高して机を叩き割るシーンがありました。アジア予選は若島津を、本大会は若林をゴールキーパーとして使うという監督の方針に反発したのです。

実際、誰かの引き立て役というのは精神的にきついポジションです。私も経験がありますけど骨折り損な部分がかなりあります。「いちばん厄介な仕事を任された」「おいしいところだけ持っていかれた」と。

ただ一方で、先述の草間氏も著書で書いていた通り「力があるからこそ踏み台になれる」のも事実です。実力が不足していたら、あっさりダシを抜かれて終わり。でも永田選手も若島津も反骨心をバネに大活躍しました。プロレス界だと「俺はおまえの噛ませ犬じゃない!」発言で大ブレークした長州力選手も有名ですね(実際の発言は少し違うみたいですが)。

つまり「引き立て役」や「噛ませ犬」は「力はあるけど、もうひとつ何かが足りない」からこそ与えられるポジションであると同時に「何かきっかけを掴めば即ブレークする予備軍」の定位置でもあるのです。もちろん前者のままで終わるか後者に至るかはその人次第ですが。

一方的にライバル視している小説家が実はひとりいます。あまりに悔しいので読了したことはありません。近々一冊読むつもりです。いまは「引き立て役」にも「踏み台」にもなれていないけど、いつか必ず。。。




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