「anan重版」についてイチ書店員が思うこと
大手出版社の方々へお願いがあります。
この種の緊急重版の際は、できたらまず各書店と取次へその旨を告知してもらえませんか? そして書店と取次が入荷日と配本数を確かめるのに十分な時間を取ってから、SNSでお客様へ告知してほしいのです。
何もわからない状況でお客様からの殺気立った電話を連発で受けると、かなり精神を削られます。想像できますよね?
重版情報が入ったら、お店の雑誌担当はまず取次に連絡します。そして入荷がいつぐらいになるかを確認し、どれぐらい欲しいかを伝えます(満数入ることはまずありません)。
本部が一括注文し、過去の販売実績に見合った数を振り分けるパターンもあります。今回みたいな緊急時ではムリですが、日にちに余裕のある場合は希望数を各店から集約します。
いずれにせよ準備に時を要します。出版社の公式SNSが「重版します!」とつぶやいても即予約できるとは限りません。総理や知事が「給付金配ります!」と会見で話してもすぐには国民へ届かないのと一緒です。勇ましいことを言う人が現場で込み入った運用を担うわけではない。
ゆえに当面は「いつどれぐらいの数が入るかわからないのでお受けできません」となることが多いです。
「じゃあわかった後なら予約できるんですか?」「わかったら連絡ください」と食い下がる熱心なファンも当然いらっしゃいます。
皆さんが書店員だったら、どうお答えしますか?
確かに「予約を受けられるかどうかが確定したら、その結果を連絡する」というケースも書店の客注業務ではあります。でも今回は希望者の数が多すぎる。その対応に忙殺され、他の業務が滞ってしまう。
電話予約をして「今後」お店に来てくれるお客様はもちろん大事。でもその人たちへの対応を優先して「いま」お店に来てくれている方々へのサービスを低下させたら本末転倒だと思いませんか?
なので私なら「もし今後予約を承ることになったらツイッターで告知するので、そちらをご確認くださいませ」とお伝えします。ツイッターをやっていない店はどうするか? トラブルと曖昧さを避けるべく、今回に限っては事前予約を受けないのもひとつのやり方。ただし入荷後の電話取り置きは「1人1冊」でOKにする。それはそれで大変ですけどね。
ひとりでも多くのファンの方が入手できることを祈っています。我々書店員の配慮が行き届かない点もきっとあるでしょう。申し訳ございません。お店によってやり方は異なると思いますが、諸々の事情をご理解いただけると幸いです。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!