
新規事業をやりやすい環境づくりに取り組んでいる話[オンボーディング編🚀]
#前提
・全社的な入社時のオンボーディングの他、新規事業開発室で実施しているオンボーディングがあります。今回は後者の紹介記事です。
#こんな人に読んで欲しい
✅ オンボーディングがない会社や組織は地雷だと思っている
✅「事前に勉強しておいたほうがいいことはありますか」と質問したことがある
#新規事業開発室用のオンボーディングを行う背景
✅ 新規事業開発室の取り組み経緯を共有するため
✅ 新規事業開発室で現時点重要視している考え方を伝えるため
#オンボーディングの流れ
1️⃣情報にダイブ🌊
✅ Slack等コミュニケーションツールのチャンネルに全招待
✅ 部署の資料やツールの全招待
※採用等の個人情報へのアクセス権限は仕事内容に依存
✅ 新規事業関連のMTGに全招待
※業務上必要のないMTGも雰囲気を知っていただくようにしています。
参考として、プロダクトを横断した部署の定例MTG(社長も参加)では、会議自体の実施目的を、①部長会等横断した会議のフィードバック(内容の共有)、②一週間の棚卸、そして③未来の入社者にむけたログ(粒度細かくなりすぎないように)としています。
あとから入社される方々に向けて、情報のアクセスがしやすい状況づくり、情報の非対称性について念頭に置いて議事録をつくっています。
とはいえ会議のために時間をかけるのはもったいないですし、都度Slackやオンラインコミュニケーションをとっているので、メンバーそれぞれが議事録に記入にかけている時間は毎回10分程度です。

2️⃣初期設定!
新規事業開発室が固有で利用しているツールのオンボーディングを行います。
全社では、Slack/GitHub/zoom/Meet/Miro/Figma/Confluence/Notion/JIRA/Trello等、色々なツールを利用していますが、面談や入社後に「使ったことなかった」と言われることが多いのがAroundです。
✅ Around
オンラインMTGツールです。音と雰囲気がいいので、新規事業開発室内のメンバー内で利用者が多いです。
アプデもどんどんされるので、MTGの始まりにみんなで新機能をいじることがルーチーンになっています。
また、新しいコミュニケーションサービスがリリースされた際は、新しい発想やフローを求めてできるだけ利用するようにしています。一部利用したサービスを紹介します。
✅ hidane

✅ postalk(ポストーク)


✅ Gather
週1でGatherでMTGする日を設けています。
Engineerは常駐している人もいます。
毎週水曜日にGatherでMTGする日を設けていて、
下記はそのSlack通知です。

3️⃣全社と新規事業開発室の組織関連
部署の目標(ロードマップ)、個人の目標、メンバーの興味関心、評価(行動指針)などを共有します。
※部署の目標、個人の目標、お互いのQ毎の振り返りはオープンに実施しています。
✅ 新規事業開発室の目標
FY21、FY22の目標は下記でした。
1 新規事業開発の体制構築
2 新規事業のサービス案として5本 経営会議へ提案
3 新規事業のサービスのMVPを2本リリース
4 PMFが視野に入るサービスを1本(数値目標はβ版リリース前に決定)
1 体制構築:複数の仮説検証を同時並行で可能にする
2 推し活領域:「- 推し活アプリ Oshibana -」のマネタイズ開始
3 ショートコンテンツ領域:「YOMcoma」のマネタイズ開始
4 部門の年間売上目標XXX
5 PMFといえる新規サービスの追加1本
達成状況や今年度の目標、今後などについてはぜひ面談でお話をさせてください!
✅ 個人の目標
Confluenceでお互いの目標を見える化しています。達成に向けて下記のような取り組みをしています。
・サービス責任者/組織の責任者との1on1を週1実施
(今は自分が兼務しているので一緒の時間になっています)
・クォーターでの振り返り
‐ Qの振り返りシートの記入
‐ 組織の責任者との面談
‐ メンバー間でのフィードバック(Miro等でワークショップ形式で実施)
・期末の面談
✅ お互いの興味関心
最近の志向/思考について、メンバー毎に下記のようなマッピングを行い、定期的に更新をかけています。新しいメンバーの方にも記載いただいて、自己紹介時に利用しています。

また、採用のカジュアル面談でも、現メンバーのマッピングをみてもらうこともできます。会ってみたいメンバーがいれば指名も可能です。
※作成にあたってはこちらの記事を参考にしています▽
✅ 評価
会社全体の行動指針に基づき、新規事業開発室の行動指針の解釈などをお伝えしています。
自由を楽しもう
自分たちのちからを十分に発揮するために自由であろう。
固定概念にとらわれることなく、ゼロベースで考え、行動しよう。
そして、互いに自由であることを尊重しよう。
挑戦を楽しもう
挑戦することは、常に私たちをワクワクさせてくれる。自らを乗り越え、
暗闇の荒野に進むべき道を切り拓こう。これまで取り組んでいないこと、
困難に思える壁にも、臆さず大胆に挑戦しよう。失敗しても学び、次の一
歩をより確かなものとしていこう。
違うことを楽しもう
一人ひとりの価値観、考え方、能力を互いに認めあい、尊重しよう。同調
ではなく、協調によって高めあうことで、大きな力を発揮していこう。
責任を楽しもう
責任を持ってやり抜くことで、仕事での満足感や達成感を得ることができ
る。一人のプロフェッショナルとして、自分の役割を理解し、目に見える
形になるまで力を尽くそう。
お客さまと楽しもう
様々な物語や知見、感動をお客さまに届け、喜んでもらえることを常に意
識しよう。お客さまの信頼に応え、共に楽しもう。
『挑戦を楽しもう』で失敗と学びに言及されている部分が気に入っています。
個人的には『自由を楽しもう』で「互いに自由であること」に言及があり、自分だけが楽しんでいるだけだと不十分な状態であること、『違うことを楽しもう』における「同調ではなく、協調によって高めあう」という「同調」を否定している部分は組織運営の上で意識している部分です。
4️⃣新規事業開発室の目的
ブックリスタが新規事業に取り組む背景、その考え方の背景にある『イノベーションのジレンマ』について、ブックリスタの事業構造をもとに30分ずつのコマで紹介しています。
✅ ブックリスタが新規事業に取り組む背景
ブックリスタのこれまでの成長や、2021年が転換点になっているので当時の課題感をお伝えしています。こちらも採用のカジュアル面談でも簡単に触れることが多いです。
✅『イノベーションのジレンマ』について
古典化していますが、今読んでも新しい(当時指摘されている問題点を今でもひきずっている)ので、『イノベーションのジレンマ』をもとに、ブックリスタの説明等をしています。ただ、数ヶ月後にディスカッションした際に「あーそういうことか」という反応をもらうことが多いので、入社時点ではなく、後日仕事に慣れてからのほうが有益な時間かも?と最近は考えていたりします。
5️⃣プロダクトや仮説、課題の共有
入社時点で取り組んでいるプロダクトや仮説、ぶつかっている壁などの課題感を共有します。MiroやFigma、GA4、ユーザーインタビューの結果等をみてもらいながらディスカッション形式でやっています。合計1〜2時間を少し小分けにして実施していることが多いです。
6️⃣プロダクトの考え方
すでに世の中にある新規事業に役立つ考え方をもとに、ディスカッションする時間をつくっています。「この考え方をしなければいけない」という意味ではなく、お互いの考え方を話すネタや軸として使っています。いくつか紹介します。※社内のConfluenceにまとめています。
✅ リーン・スタートアップ
こちらももはや古典化していますが、「リーン・スタートアップ」の考え方についてのディスカッションの時間をつくっています。新規事業に関わる場合、すでに読んだことがある人も多いと思いますが、改めて読んでみてどうやって活用しているか等をお互いに話をしています。
✅ 深い井戸の話
The most important graph I draw for startup founders. pic.twitter.com/X1ymwH7Yde
— Paul Graham (@paulg) February 24, 2014
✅ グループシンク
✅ The puzzle of motivation
その他、Tips的な記事を共有しています。
✅ よい仮説とMVP記事集
✅ プロダクトの最初の1,000人を集めた記事集
✅ その他
7️⃣目標設定
上記や普段の仕事やMTGに一通り参加してもらった上で、入社当月中目処で、個人目標(仮)を設定していただいています。それをチームメンバーに共有してオンボーディングが終了となります。
#オンボーディングを考える/実施する側のメリット
これは明確に「自分たちの背景知識、共通言語、社内ナレッジが都度整理される」ところにあります。オンボーディング中に「これはもう古いな」とか「説明してたら新しいアイデアが浮かんだ」ということが頻繁にあります。
オンボーディングについては、新しいメンバーにあわせて内容も変えていますし、こういうことをやってほしいというリクエストがあれば応えるようにしています。お互いに力を発揮しやすい環境を引き続きつくっていきたいと思っています。
#社内コミュニケーション参考資料
本澤 友行(Honzawa Tomoyuki)
株式会社ブックリスタ 新規事業開発室 室長
株式会社リンクアンドモチベーション退職後半年ほど海外におり、カーボンフリーコンサルティング株式会社(省庁のプロポーザルや自治体の新規政策設計)へ入社。toCの領域にキャリアを変更し、株式会社Village Vanguard Webbed(サブカルのECの部長やバイヤーの責任者、目標在籍期間中全達成)、クックパッド株式会社(新規事業を行う子会社出向で部長,ローンチした新サービスを国内流通の4分の1に導入)を経てブックリスタ入社。現在、新規事業開発室室長として、新規事業に最適な体制を整えるとともに、複数の新規事業の企画開発に携わる。
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