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【#3.日本×アメリカをつなぐ取材】『踏み出す一歩』ができるまで

『踏み出す一歩 そして僕は夢を追いかけた』が発売になり、早いもので1か月が経ちました。
わたしたちの定めるゴールまではまだまだ道半ばですが、読者の方からたくさんの励みになる声をいただいています。

今回はこの本ができるまでのストーリーを綴る第3回目。
ブックダムで発刊することが決まり、いよいよ製作が開始されたのは今年の2月24日のことでした。


日本は朝。アメリカは夜。

当然のことながら日本と倉野さんのいるアメリカとの間には距離と時間の壁があります。
オンラインでの取材と打ち合わせは、2月を皮切りに7月にかけて5回にわたりました。時間帯は日本時間の午前。アメリカ時間の夕方から夜にかけて。倉野さんはいつも練習終了後に対応してくださるのがルーティン。

練習を終えシャワーを浴びた後なのか、顔を少し紅潮させながら、チームの選手たちと挨拶を交わす倉野さんの姿を見ながら、本当にアメリカで日々挑戦されているのだと、リアルを実感できる時間でもありました。

客観性を宿すということ

『踏み出す一歩』は倉野さんが渡米1年目の2022年に書き綴られたブログがベースになっています。

まさに"挑戦の日々"と"挑戦の先に得たもの"がそこには綴られていました。
このまま書籍化することも実際に可能ではありましたが、誤字脱字といった文章の正確性とは違う観点で、倉野さんが伝えたいことを読者により伝えやすい形にするために、出版社であるブックダムが客観的に目を入れ手を入れる必要がありました。

話が少々脱線しますが、この点に自費出版と商業出版の大きな違いがあります。
商業出版の場合は、出版社が客観性を担保することで、本の有する信頼性が生まれます。ややもすれば、当たり前のことすぎて抜け落ちてしまう観点です。

倉野さんとの取材も、前半2回は幼少期からのストーリー、そしてブログに記された記録の裏側にあったストーリーの深堀りを軸に進めました。
深堀りをすることで、倉野さんのパーソナリティ、そして倉野さんが"挑戦の日々"の中で、何を感じ何を得たのかを解像度高く知り、理解することができるからです。

製作工程において当たり前のことを言っています。
もっと言うと、人生にフォーカスをあてる"出版"という仕事。"本"という媒体。その手段に私は意義を見い出しています。

現代に生まれたことを肯定的に捉える

ストレスなく国境を超えオンラインで取材できる現代。
これって冷静に考えると相当に、いや、圧倒的に恵まれているなと思うんです。ましてや日本という国に生まれたことも同様に。
(その一方で便利さや物質的豊さと引き換えに失っているものもあると思いますが)

倉野さんとの取材を通して、日本とアメリカの文化や価値観の違いについて、話題によく上りました。
倉野さんが言語の壁に苦労されたエピソードが第2章でたっぷり語られています。第2章については先日掲載されたプレジデントオンラインでも記事になっているので、ぜひご覧ください。

倉野さんが直面した逆境と、その逆境を乗り越えるための思考と行動は、きっと誰かの力となると信じています。
本を通してその"プラスのエネルギー"を届けるため、時代の恩恵を享受しながら本をつくれることに、感謝の念を忘れてはなりませんね。

誰かの物語が、また違う誰かの力になる
誰かの物語を、また違う誰かに届けられる
文明の進歩により それを叶えられる現代を肯定的に捉える

当たり前となっている取材という工程の中で、「当たり前でないもの」を感じれたこと。ひとえに倉野さんとこの本のおかげです。

(第4回につづく)








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