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【本117】『晴れたらいいね』

著者:藤岡陽子 出版社:光文社文庫

現代の看護師・沙穂が、終戦間近のフィリピンにタイムスリップ。従軍看護婦・雪野となり、命を救うために奮闘するお話しです。国のために...よりも、生きること、命をつなげることに懸命になる強さが眩しかった。

「自分は命が産まれる手伝いをする看護師だ。だから、命を簡単に懸ける戦争を決して許さない。命を生み出し、そして育むのに、女たちがどれほどの時間と力を費やすのかを、男は知らない。」

1944年。命の重さはどのぐらいだったんだろうと思う。治療しても治療しても、怪我人はどんどんと運ばれてきて、治しても治しても、また、戦場に戻っていく。諦めそうになったり、崩れそうになったりしながらも、看護師たちは懸命に向き合っていきます。

いろいろな意見あると思うけれど、でも、こうやって80年前、戦争で命を必死に継いだ人たちのうえに、今の私たちがあるんだなと。だからこそ、私たちも懸命に生きなくちゃいけないと。そう思いました。


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