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草子集

30
オリジナル作品。
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#小説

白鳥おじさんのショウ・タイム

「三代目白鳥おじさん」を初めて見た時から、何年経っただろうか。 冬の冷たい湖。そこらじゅ…

一作
2年前
8

エッグ・リウム

ここは私が生まれたところだ。 冷たい石の建物。分厚い自動ドアには最高レベルのセキュリティ…

一作
2年前
10

ある旅の話

とあるターミナル駅の裏路地の、バス停の傍らについている雨除けのちっさい掘っ立て小屋の壁に…

一作
2年前
15

妙齢のベンチ

忘れもしない2016年5月30日、地元の公園にて髭ヅラのオッサンを見た。とはいっても、彼は公園…

一作
2年前
8

【ショートショート】あの人の考えていること

夕暮れ時に河川敷をランニングしていると、毎日必ず会う方がいます。もちろん顔見知りでもない…

一作
2年前
17

【小説】インフルエンサー治療法!

とある一世を風靡したインフルエンサー、AとBの会話を盗み聞きしてみた。(架空のお話です) A…

一作
2年前
15

【短編小説】たった一つのお願い

「さあ、お主の願いを一つだけかなえてあげよう。」 目の前の「神」が言い出した。 「一つだけ、ですか・・・。なんか月いくら払えば願いが叶い放題とか、サブスクリプションはやっていないんですか?」 僕は聞いてみた。 「馬鹿もん。そんなサービス、お主みたいな卑小な人間にできるわけないだろう。願いが叶い放題なんてやってしまったら、いずれ世界中のすべてを手に入れるまでお主は『願う』ことをやめないだろう。お前さんたちはすぐそうやって、やれ『あれが欲しい』だの、『イケメンになりたい』

【短編小説】ザ・ラブ・カウンター

愛情を数値で示す機械「ラブ・カウンター」が、世界的企業フェイゾーから発売されたのは、つい…

一作
2年前
18

【短編小説】失ったもの、手に入れたもの。

星のきれいな夜でした。本来、日本海側の冬はこれでもかというほど天気が悪いものです。毎年大…

一作
2年前
23

【短編小説】殴り合い

エヌ氏の苦悩は深刻だった。 彼の最大の悩みは「心から楽しめない」ことにあった。 彼は愛想…

一作
2年前
17

星新一風ショートショート「有能」

人々は苦しんでいた。客観的な判断基準を欲しがった。平和な世の中が続いても、人々は競争を忘…

一作
2年前
28

文芸コンテスト応募作品「黒い交差点」

ーーー「第一回SHIBUYA的文芸コンテスト」に応募させていただきました! たった800字の中で、…

一作
3年前
29

あれは私で、私はあれだ

ーーーいただいた3つの言葉を小説にしていると、改めて創作の難しさが身に沁みてわかります。…

一作
3年前
18

ある夢を見た感想

ーーー先日、AM/大学生さんから3つのお題をいただきました。 今日は2つ目のお題について、拙著をここに公開させていただきます。 「不可逆的なもの、形を捉えられないものは美しい。簡単には得られないそれを私たちは手にしたくなる」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ある夢を見た感想 ひとりで岩の上を歩いている。 それは小さな石を無造作にかき集めて、重曹かなにかで適当に膨らませたような形をしていた。ところどころ尖っており意地悪だ。ここを