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boo_papa
2024年7月25日 08:24
浜辺に行けばひとつひとつの波の音が聞こえるのであるがそこから少し登った所に位置するこの旅館ではそれらの音が幾層にも重なってまさに海が鳴っているように聞こえその音がこの辺りの空間の底にアンビエントに鳴り続けている僕らがどこにいようとも海は鳴り続けているこの地球が回り続けるかぎり
2024年7月31日 20:57
雲海の水平線がオレンジ色に光っていると天から闇夜が垂れてきて光を雲の中に押し込もうとしているそうしていると次第に雲の海も黒くなって全てが闇夜に変わっていくさまそれをじっと見つめる小窓の際の女性絵中絵の額縁の中に活動写真を施した不思議な一枚の絵のよう
2024年7月29日 22:08
夏の無病息災を祈って茅の輪をくぐる神主が振るうお祓いの乾いた紙の音で湿った私の邪気が取り払われていく鳥居を出ると参道にはたくさんの出店と人々様々な濃淡と色の光に照らされた人の顔、顔、顔、顔響く声、声、声、声焼ける食べ物の匂い、匂い、匂い、匂いその食べ物の味、味、味、味刺激の乱反射に私は面食らう静謐な神聖さと刺激の乱反射とが同時に執り行われている生という不
2024年7月24日 12:19
夏の夕方東の方角に大きな入道雲がくっきりとした無数の球状の光と陰をたたえてその姿を現す気体と液体と固体が入り混じった刹那な存在であるとは思えない巨大を膨らませながら西に沈む夕陽を見守っている #夏の写真
2024年7月18日 17:55
仕事を終えてコンビニでアイスコーヒーを買いそれを持ってバス停に向かうほんのちょっとの距離なのに西陽は容赦なく氷たちを溶かしていくバス停に着きベンチに腰掛ける僕の側に置いたアイスコーヒーは僕よりたくさん汗をかいているその時不意に風が吹く夏の夕方に吹く涼しい風は我々に何とも言えない快感を与えるそんな幸せを感じている間もなくバスは来る僕のアイスコーヒーはその汗で
2024年7月18日 12:50
暑さの気配が漂い始める朝通勤途中に雑居ビルの横を通りかかるそのビルの歩道に面した壁際にはコンクリート造りの花壇が備えつけられていて夏のつる性の植物を育てるために支柱が立てられネットが張られているそこにはゴーヤや朝顔がふと見るとあまりみたことのない模様の朝顔の花が一輪だけ咲いているくっきりとした藍に近い紫色で花の中心から白いラインが5本程度放射状に走っている
2024年7月17日 19:54
ねむい 低反発のベッドに横たわり目を閉じるとからだはぐにゃりと二つ折れになり先端になったお尻からずーんと地球の中心部を目指して沈みこんでいくその様はパフェのクリームに沈み込むチョコレートさながらに際限なくその身を伸ばしマットレスと混ざり合い最後にはわずかに私の色をしたマットレスのような混濁した意識だけが在るのだろうかねむい
2024年7月14日 22:37
星のない高速道路で長い時間に渡り車を走らせるフロントガラスはスクリーンヘッドライトはスポットライト流れる白線や反射鏡時折前や後ろに流れるテールランプめくるめく風景を映し出すそれらのシーンは次々と向こうからやってきて僕らをすり抜け後ろに通り過ぎていくその繰り返し時折ハンドルを右や左に動かしアクセルの足を踏み込み緩めるそれらだけが僕らの画角を決める最大限の動作
2024年7月10日 20:36
我々は豊穣を祝う今日のよき日を祝おう!酒を酌み交わす自由と引き換えに位置を与えられ金を手にして手に入れた酒こう言っちゃ聞こえは悪いがだからなんだというのだ今はただボヌス・エヴェントスが与えたもうた美酒を飲み明日の英気を養おうじゃないか!※ボヌス・エヴェントス(Bonus Eventus)・・・ローマ神話における豊穣と成功、勝利の女神
2024年7月8日 20:48
自転車に乗った僕は自転車に乗った老人とすれ違うそこで香ったのは予測だにしなかった薄い赤みのかかった紫の煙その香りは一気に僕を20年前のライブハウスに引き摺り込むその辺りに漂う甘く強い香りとミラーボールの光ゆらめく人影と轟音振り返るといつもの帰り道老人は振り返らず走り去っていく--------------補足ガラム(GARAM)は独特の香りの
2024年7月4日 20:39
自転車で走る多量の水を含んだ生ぬるい空気が僕の体にぶつかってくる息を吸うと空気と一緒に水が鼻や口に入ってくる時には水の密度が多く息苦しくなるがごく稀にその中に混ざっているとても冷たい空気と少量の水を飲むと身体中に清涼な何かが駆け巡り僕の脳は一気に目覚めるシフトアップした僕は加速をした自転車を駆り夏の空気に突っ込んでいく
2024年7月5日 18:35
朝ごはんを食べているとどこかの家からだれかのくしゃみの声がこんなとこまで聞こえるなんて滑稽だねえと、思うのだがこんなに大きななにかをその内にかかえていたのかあとも思うと出てきてよかったねえだれかの大きななにか
2024年7月2日 12:02
「水は高いところから低いところに降りる」これは真実であるが地上より高いあの空に水の化身である雲があるというのはどういうことか熱にさらされ空気よりも軽い蒸気という姿に変えることができるとはいえ何故神さまは一見ひとつの摂理の抜け道のようにも見えるさらに大きな循環の摂理を作りたもうたのか摂理は幾層にも重なり交差し大きな曼荼羅を描く自然の摂理は我々に恵みの雨を降らす
2024年7月3日 22:08
今年も田んぼに水を通す半年間遊ばせていた土地は見る見る水浸しになっていくそこに住んでいたアリやクモやミミズ達はわけもわからず巣穴や見つけていたエサを失い大慌てで沈んでいない土地を目指す彼らの生きてきた世界は文字通り台無しになる私は彼らの世界を台無しにするために田んぼに水を通したわけではなくお米を作るために水を通したのだが結果的に彼らの世界を台無しにしてしまったの