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【詩】ガラム

自転車に乗った僕は
自転車に乗った老人とすれ違う

そこで香ったのは
予測だにしなかった

薄い赤みのかかった
紫の煙

その香りは一気に僕を
20年前のライブハウスに引き摺り込む

その辺りに漂う
甘く強い香りと
ミラーボールの光

ゆらめく人影と

轟音

振り返ると
いつもの帰り道

老人は振り返らず
走り去っていく

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補足

ガラム(GARAM)は独特の香りのするすごく強いタバコです。
かつてのライブハウスではこの香りが漂っていたものです。
ちなみに私はノンスモーカーです。

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