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関ジャニ∞楽曲でもカルト的人気の「ルラリラ」は幻の一曲。

アイドルに全く興味が無かった私が、関ジャニ∞を好きになった理由は「曲の良さ」だった。そんな彼らの楽曲を語ります。

シリーズ第三弾は「ルラリラ」
こちらは錦戸亮主演ドラマ『パパドル!』の主題歌である「愛でした。」のカップリング曲だ。
ちなみに「愛でした。」のカップリング3曲はどれも最高!またいつか残りの2曲も語りたい。

「ルラリラ」はライブでは一度も披露されいないものの、実はカルト的な人気がある(ような気がする)。
あんな衣装で…こんなダンスで……、皆がライブの様子を想い描いたはずなのに。当時、ライブで披露されなかった時、多くのヲタクが落胆したはずだ。まだ誰もその姿を見たことが無い「幻の一曲」なのだ。

そんな「ルラリラ」の魅力について、超個人的見解で解説していきたいと思う。


▶1:エイト、歳上に翻弄されがち

まずは歌詞を分析してみよう。

<Aメロ>
もっと瞳の奥を覗かせて 昼下がりの君はなんだか
いつもより話も上の空で 返事は上手にFake Smile
四六時中なんて知らなくて 空白の時間は自由だけど
ちゃんと信用しているよと サイン代わりにFake Smile

早速Aメロから、この2人の恋愛の不安定さが分かる。

前者のFake Smileは、主人公のことは上の空だけど笑顔で誤魔化している君の笑顔。後者のFake Smileは、君のそんな誤魔化しは分かっているけど自分も気づかないふりをする主人公の笑顔。2人ともお互いに作り笑いをしている状況だ。

しかも、瞳の奥を覗かせてくれない=目を合わせてくれない、こちらを見ようとしない。「四六時中なんて知らなくて 空白の時間は自由だけど」から、主人公は、君には自分以外に好きな人がいるのではないか?君が浮気しているのではないか?と疑っているように見受けられる。

君が浮気をしていて自分への好意が薄れている(浮気を誤魔化している)のが分かりつつ、作り笑いをしてお互い気づかないふりをしているのだ。

そして!ここの前半パートはあの丸山安田〜山田パート〜ですよね!
以前の「This moment」を読んでいただいた方なら何となくお察しいただけるかと思うが、後でまた解説する。

<Bメロ>
こんな気持ちでも冷静なふり
紳士淑女たちの世界のルール
少しでも弱音を吐けばすぐに
「イマドキのオトコは…」なんて

「こんな気持ち」は、君に疑惑を抱きつつ気づかないふりをするAメロの主人公のもどかしい気持ちでしょう。
浮気してるのでは?疑っている自分も悪いのか?と、今にも取り乱しそうだが、その感情を抑えて余裕をかます事が「紳士淑女」である事なのだ。

さらに、「こんな気持ち」を少しでも吐き出してしまったら、君に「イマドキのオトコは…」と呆れられてしまう。

「紳士淑女」という礼儀正しく品格のある''大人''になろうとする事、君が主人公に対して「イマドキのオトコ」と表現する事から、主人公は若い=君よりも年下であると推測できる。実際の年齢か精神的年齢かの解釈は自由だが、私はどちらも主人公より君の方が上と考える。

歳上の相手である君に、余裕がある大人な恋愛対応をしようとして苦しんでいる若い主人公。その方が何だかグッと来ない?個人的な趣味ですが。

<サビ>
ルララルララルラリラ
君を知らない時間まで
いっそタイムマシンで
運んでおくれよ My God
ルララルララルラリラ
魔法の呪文は何だっけな
大人になるとき 忘れてきたんだっけな

主人公が知ってしまった今の君は、作り笑いをして浮気を誤魔化すような所謂”悪女”であり、そんな君の本性を知らない頃である「君を知らない時間」に行きたいと願っている。まだ本性を知らなかった、君に出会った頃の楽しい恋愛に戻れる魔法の呪文は無いのか、と嘆いているようだ。

タイトルでもある「ルラリラ」という魔法の呪文は、そんな叶わない願望を憂う主人公の気持ちが表れている。

そして、超個人的解釈で好きなところがある。
先程述べたように、私は、主人公=歳上の恋人である君に対して無理をしている若者だと解釈している。

そこで「大人になるとき 忘れてきたんだっけな」が最高に皮肉になっていると思う。主人公は大人になっているつもりだが、A・Bメロの様子で分かるように、歳上の君に翻弄されている。大人の恋愛をしている主人公は、実はまだま大人ではないのだ。

ルラリラと嘆きながら、最後の最後に「大人になるとき 忘れてきたんだっけな」と自分に言い聞かせているところが大人になりきれてない事の裏返しみたいになってしまっている。
そんなもどかしい主人公が私は好きだ!

<サビ2>
精巧にできたレプリカ そこには罪も罰もなくて
その恋に踊るのも 振り返るときはそれがTruth

「精巧にできたレプリカ」は、主人公のことが好きな君、君が嘘つきだと知っていて見て見ぬふりをする主人公、そして2人の恋そのものに対して言っているのだろう。

そんな嘘だらけの恋を、今のまま騙しあって続けていくとしても、「振り返るときはそれがTruth」つまりお互いに騙し続ければ、その偽りの恋も''真実''として成り立ってしまうんだろう。

主人公はこの恋をやり通すことで、ある意味「大人」になるのかもしれない。


▶2:”大人”になろうとする主人公

<Aメロ>
きっと都合の悪い出来事は ずっとひた隠しにしてきたから
この世界は回り続けたよ いっそ割り切って Fake Star

2番では、君と主人公の話から広がって、「この世界」、世間一般の話になってくる。

君と主人公が騙し合いをしているように、世界中で誰かが誰かを騙している。だからこそ世界は成り立っているから、この嘘だらけの恋愛も仕方の無いことだ。と、一般論にして、2人の恋愛を割り切ろうとしている主人公。

これは「Fake Smile」から「Fake Star」に変化したことからも分かる。

映画スターなど人気者のstarという意味で、割り切って偽りを演じ続けて貫いてしまおうというフェイクスターなのかもしれない。

或いは、幸運や成功のstarという意味で、このまま嘘を貫き通すことで恋愛が成就・成功していく(しかし、その成功はフェイクであるが…)というフェイクスターなのかもしれない。

何にせよ、主人公は腹を括ったみたいだ。

<Bメロ>
こんな気持ちでも冷静なふり
紳士淑女たちの世界はディープ
少しでも弱音はもう吐けない
そろそろ慣れてきた頃さ

Bメロで、さらに腹括り度が上がる。1番Bメロと比較するとよく分かる。

弱音は吐けないし、そんな自分の偽りの言動に慣れてきてまでいる。主人公はどんどんと偽りが当たり前な大人の世界に、深く浸透してきているようだ。

<サビ>
ルララルララルラリラ
君を信じる瞬間まで
いっそタイムトラベラー
歪んだ気持ちスキップさせて
ルララルララルラリラ
魔法の呪文は何だっけな
あんな夢中になって 覚えてたはずなのにな

同じ「とき」だが、1番サビでは「君を知らない"時間"」、2番サビでは「君を信じる"瞬間"」になった。

時間は一定の長さがあるが、瞬間はまさに一瞬の間である。
君の本性を知らなかった、そして自分もこんなに嘘つきではなかった期間に戻りたい気持ちから、君を信じることのできるその丁度一瞬に飛びたい気持ちが対比されている。

前者はある一定の間の輝かしい期間であり、後者はその一瞬に飛べればその先はずっと楽しいだろうという期待がある。

主人公は、だいぶ嘘に慣れてしまい「歪んだ気持ち」を持っている。そんな苦しみを意識しなくて良いほど、当たり前になった偽りまで到達できれば良いのに。そんな瞬間まで、この苦しみをスキップしたいという気持ちが分かる。

子供の頃に、遊びで言っていた魔法の呪文にすがってしまうほど、主人公は苦しんでいるようだ。

<Bメロ´>
こんな気持ちでも冷静なふり
紳士淑女たちの世界のルール
打算と本能を操らなきゃ
フェミニスト演じ切れない

「”理性”と本能」ではなく、「”打算”と本能」を操らないと生きていけない。人間が持ちうる知性ではなく、損得のみを考える知性の方が必要なのだ。

ここで言う「フェミニスト」はいわゆる女性解放論ではなく、「君(彼女)のことを想っている自分のこと」を表しているのだろう。フェミニストが女性の権利を大切にするように、君という女性を純粋に愛する人間であるという、君のためのフェミニストなのだ。主人公は、そんな偽りの自分を演じ切ろうとしている。

ちなみにこのBメロ´の最後に、歌詞には無いが「Fake Star」と入っているので、主人公が本気でフェイクスターに成っていく、近づいていくことが分かる。

<サビ>
ルララルララルラリラ
君を知らない時間まで
いっそタイムマシンで
運んでおくれよ My God
ルララルララルラリラ
魔法の呪文は何だっけな
大人になっても あぁ必要だったよ
<サビ2>
精巧にできたレプリカ そこには罪も罰もなくて
その恋に踊るのも 振り返るときはそれがTruth

魔法の呪文、必要だったんですよね……。
こんなに苦しむことになるなら、呪文を使って偽りの無いあの頃、もしくは偽りを貫き通した瞬間まで行けるような魔法の呪文が必要だった。

これが"大人"になることでもあるのかもしれない。

そして、FakeがTruthになるように、主人公は歩き続けるのだった。


▶3:山田パート大好きマン

さて、エイトはこういう残念というか大変な恋愛が多いような気がする。

カップリング曲シリーズの記念すべき第1回「This moment」では不倫をしていたが、そこでちょっと熱く語ったのが、丸山安田が「翻弄されている男の子を存分に表すことができる逸材」であるということだ。

詳しくは「This moment」の方を読んで欲しい。


これが、今回の「ルラリラ」でもたまらんのである。

皆の「ルラリラ」大好きポイントは1番Aメロだろう、いやそうだ!!
エイトの曲の中でも、ルラリラのAメロはキーが低い。普段比較的高音を歌いがちであり、声質も高め映えな山田2人の低音、たまんねぇですな。

丸ちゃんの絶妙にザラついてる声が「闇」って感じで良い上に、ヤスくんのハスキー大爆発で最強コンボなんですよね。当時、ヤスくんの「Fake Smile」の舌の動きがたまんなくて「Fake Smile」だけ鬼リピしていたらウォークマンぶち壊れました。

個人的にもルラリラの醍醐味は1番Aメロなので、カラオケでも1番Aメロ歌ったら満足してしまうくらいである。すぐ醍醐味じゃん。

優しい丸山安田の、最高にダークな雰囲気に、「え、君たち、良い子ちゃんだよねぁぁぁぁ……」気がついた頃にはもう死んでいる。あべし!危険極まりないのである。

そうやって普通にギャップ萌え〜♡で楽しめるのだが、曲全体で考えた時に、1番Aメロは「君に振り回されている」具体的な描写なのだ。
実際に君が主人公に対して見せてきた言動を、そのまま描写しているのは、この山田パートである。

声は低音で「必殺☆ギャップ萌え殺し」なのだが、やっぱり山田は振り回されナンバーワン。似合うのだ。主人公を体現している声質やキャラクターなのだ。山田は絶対に、曲の中でも「翻弄される男子パート」を割り振られる運命なのだ。
いや、むしろ振り回されているのに、心の声がアレだと思ったらそれはそれでギュンギュンくる。

私の性癖が「垢抜けない子」なので、丸山安田は強かな相手に一生振り回されろ!と願っている悪魔が私の中にいる。全方位に謝ります。申し訳ありません。

「This moment」の山田からの「ルラリラ」の山田を聴いたらもう飛ぶゾ!


▶4:ルラリラな音楽

あと、ルラリラの好きなところはイントロの4音の繰り返しの部分。

絶対音感などが無いので正確に表現出来ないのだが「ラジドレ」っぽい4音の繰り返しがずっと続いている(聴いてみて……)。

イントロ、Aメロでずっと繰り返されていて、サビでもその応用バージョンみたいな音が繰り返し流れている。

これは個人的な感覚の話だが、その4音の繰り返しが、まさに「ルラリラ」っぽい。♪ルラリラルラリラルラリラ……と口ずさめるような音なのだ。

ずっと繰り返される4音は、魔法の呪文風なのかな?と勝手に解釈している。

一度で良いから、オリジナルカラオケを聴いてみて欲しい。
主人公の困惑、魔法の呪文を唱えている感じ、偽りの世界、そんな雰囲気が伝わってくる不思議4音の繰り返しが楽しめる。

(ちなみに、ルラリラの作者である葉山拓亮さんの曲は、フレーズを繰り返していく曲が多くて個人的にとても好き。ちょっと洋楽っぽいトラックの組み方だよね。)


▶今すぐ「ルラリラ」を聞いて!!

さぁ、これを踏まえた上で、もう一度「ルラリラ」を味わって欲しい。

カルト的な人気がある理由がよく分かるはずだ。
曲調自体が繰り返し系なので頭に凄く残るということもあるし、個人的には本当に1番Aメロ擦り倒して欲しいと思う。優しい山田ソングとコンボで聴いてくれ〜!

この幻の1曲、誰もがダンスナンバーを期待したはず。
47のどこかの公演で、大倉くんがこの曲の話をしたらしい。ということはアップデート予定だったのかな。見たすぎる……!

ゴリゴリに踊ってもいいし、淑やかな綺麗なダンスでも映えそう。むしろ皆で真似できる身振り手振り系でも良い。踊らなくても良いから歌ってほしい。もう何をやってもOKです!のレベルである。

大倉くん、もう一度案件に通してください……!


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