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cafe boneko & boneko books
2020年7月31日 10:21
句集「むずかしい平凡」自解その60。 この句の読み方をまずは文法的に。 「鳥は卵」「石ころは影」はそれぞれ「抱いて」にかかってゆく文法構造です。散文的に言えば、「鳥は卵を抱いていて、いっぽう石ころは影を抱いていて」というふうに、「抱いて」にふたつの部分が同時につながっている、そういう形です。 鳥は卵を抱いているし、石ころは影を抱いているし、うん、なんだか春だなあ。 そんな読みです
2020年7月31日 10:07
句集「むずかしい平凡」自解その59。 ちょっとした遊歩道を子どもと一緒に散歩していた時の光景。先を歩いていた息子が木の上のほうを指さす。鳥の巣があるみたいだ。 こちらからはよく見えない。 どこ? ここ、ここ。 子どもがこちらにやってくる。遊歩道は木漏れ日が揺れていて、その木漏れ日の中をやってくる。 あっ、と思う。子ども自体がもう木漏れ日そのもの。 その木漏れ日が私の手
2020年7月30日 20:05
句集「むずかしい平凡」自解その58。 東日本大震災、福島第一原発の事故で自主避難した妻子。 自主避難して二年目か三年目のころだろうか。 当初は生活の変化についてゆくのが精いっぱい。とにかく初めてのことばかりだった。少し慣れてきて、いくらか不安はあるものの、我々はなんとか生き延びてきたんだなという思いがわいてきた。 自分一人だけ早く目が覚めて、妻子はぐっすり寝入っている。妻子それぞ