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COVID-19発生と俺の成長

前回までのあらすじ:社員は充足したものの、安全を求めるあまり、社内でできる仕事を途中で手放してしまうという状況が発生するようになってしまった我が社。そしてCOVID-19が、、、

社員の絶対的不足からは脱したものの、地域の現状から、飛躍的に収益を上げていくことは難しいという状況の中、安全を求めた社員の動きは、さらに収益の減少を促進することになった。

これは時代の流れとも言える。
俺は、行けるところまで行こうと思った。

なぜなら、俺はこの会社の4代目。我が社は曾祖父の代から続いている。
そして、ずっと地域に根ざしてやってきた。
地域のための会社だと親父からも言われていた。
俺もそう思うからだ。

しかし、何とか上向きに転じることを願ってさあこれから、というときに、COVID-19が発生した。2019年のことだった。

2020年になり日本にも感染者が発生し、移動の自粛が行われるようになった。

このとき故郷に帰って16年の年月が流れていた。

当初は親父に仕事を教わりつつ設備費用の削減に取り組んだが、後半は人材不足との戦いだった。

人事を扱うのは難しい。
はっきり言って嫌だ。
だが、小さい会社では1人で何役もこなさなければならない。
人事担当者などはいないからだ。

人材に困っているとき、ある人材紹介会社と取引をすることになった。
新たな人材ゲットにはならなかった会社だが、担当者とのやりとりの中で、とても学びになったことがあった。

我が社はその地域性ゆえに、近隣の他の地域と同じような人員態勢にできないというデメリットを抱えていた。
つまり、より少ない人数で会社を回さなければならないということだ。

しかし、人材募集の際にはその現実を書かなければならない。
それでは人材は集まらないだろう、と俺は思っていた。

その話を担当者にしたところ、
それをデメリットとして考えずに、メリットとして捉えることができるように考えましょう。
と言って、他の過疎地域でも同じ状況があることを話してくれた。

俺は目からうろこだった。
これが正に発想の転換。
俺がデメリットだと思っていた部分が、メリットとして成立してしまったんだ。

この人材紹介会社の担当者には本当に感謝している。
それから俺は、その会社から教えてもらった通り、どんな求人票にも、堂々と我が社の現状を書くことができるようになった。

実は、それをした結果、新たな人材が集まってくるようになったんだ。

そして、人員が充足した結果、人材不足の時にはできなかったあることができるようになった。
というか、自然とそういう流れになって、思い通りの方向に事が流れていった、というのが本当のところなんだが、、

あること、というのは、困った社員の処遇だ。

俺は何でもありという考えで、社員が自ら動いてくれる会社を目指しているんだが、どうしても俺のやり方に納得できない社員が数名いた。

もちろん、俺のやり方に完全に納得している社員なんていないと思う。
それは、俺が経営者だから。

経営することと会社勤めすることは180度考え方が違う。

でも、他の社員はそれをわかった上で、仕事をしてくれている。
なぜなら、我が社には長期勤続者が多いんだ。
どこかにメリットを見つけて勤め続けてくれているんだと思う。

困った社員というのは、納得できないことを全て口に出して言わなければ気が済まないトラブルメーカータイプと、自分より下と捉えた相手に対して威圧的に出るパワハラタイプだった。

これを俺に対してやってきた。悲しい現実だった。

しかし、最終的に、どちらのタイプも円満に退職してくれた。
俺がやったのは、自分の考えを曲げなかった、ということ。
そして、焦らず時間をかけた。

それだけだった。


つづく



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