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【リトリート旅インド】火葬場に行って感じたこと

精神保健福祉士の和賀です。

今回、インド呼吸ヨガリトリートで滞在したプリーで火葬場に行きました。最初、火葬場に行ってみますか?と聞かれた時に、そもそも火葬場に観光客が行けるのだろうか?という疑問が浮かびました。そこは、プリーに10年以上住んでいた方が案内してくれたので安心してついて行きました。

実際に行ってみて思うのは、想像していた以上にとてもオープンな場所であること、観光客がいてもお構いなく、ただそこには多くの火葬を待つ人がいるという空間。目の前には海、そして火葬場は海辺に行く人の通り道にもなっている。日常の生活の中に火葬場があり、日本とは違って隠されることもなく、他人を寄せ付けないような雰囲気もないのです。

海側の入り口。
火葬しています。骨は残らず遺灰が残るとのこと。
火葬エリアの一部。
火葬が終わりそうなところ。
火葬場の中の休憩室。
休憩室から見た風景。海は目の前です。


「これがインドスタイルだよ」

当初の予想では、火葬していているシーンを見て私はショックを受けるだろうかということでした。今までに一度も亡くなった人が焼かれていることを見たことはなく、日本の火葬場のスイッチを押すところまで、その後骨になったところを見るだけでした。かなりショッキングなシーンになるのでは、と予想して行きましたが、意外にも私は冷静に静かにただ人が焼けていくのを見ていました。涙が出るとか、ショックだとか。そういう湧き上がる感情はなく、ただ淡々と焼かれているのを見つめていました。

インドでは喪服という概念はないのか、日本でいう黒づくめ人がいるわけでもなく、特に喪服らしきものは私は見なかったです。遺体のそばで泣いている人もいるけれど、多くの人は親族なのか友人なのかスマホで遺体の周りでお喋りをし、または写真を撮りまくっていました。火葬が始まると誰と会話するのか、火葬をビデオコールしながら見せていたり。そんな光景を私のような観光客が見ていても「これがインドスタイルだよ」と教えてくれる人がいたり。全てがオープン、という言葉以外に浮かばない空間でした。

日本の火葬場にはまだ数回しか行ったことがありませんが、そもそも誰もが気楽に入れる場所ではなく、さらに遺体の写真を撮ったり、ビデオコールしたり、動画撮ったりはきっと間違いなくタブーなことです。誰がダメと言っている訳ではないけれど、暗黙の了解みたいなもの。それが一般的な日本での感覚ではないでしょうか。

常識って何だろう

とプリーの火葬場で小一時間過ごした間にずっと考えていました。自分の中にある常識、こうあるべき、と思っているもの。果たしてそれは本当に常識なのだろうか。正しさに、正解に囚われているのではないか。日本を一時離れて、インドに来てまさか火葬場を見れると思っていなかった私には、ある意味で記憶に深く刻まれる時間でもありました。

生と死。人間には誰にでも訪れるものに対して、日本は「死」はまだまだ語られることにタブーが付き纏います。

”生きる”については昨今はウェルビーイングという言葉が流行っているように、よりよく生きることを探求することは良いこと。その先に必ずある死は語られずに、生だけを語ることは私はとても違和感があリます。

私が勤務していた精神病院の多くは、どの地域も恐らく建設当時は人里離れた目立たない場所に作られています。今でこそ、住宅街の中にあることもありますが、精神病院ができた当時は反対運動も起こらないような場所だったと思います。

火葬場、精神病院、人の日常の中に存在するものの中にタブーがあり、タブーとされるものは出来るだけ人の目に入らない場所にある。インドのようにオープンにするべきだ!と言いたいのではなく、日本の感覚のあり方を再確認したような時間になりました。

火葬場の目の前、たくさんの人がいるビーチではラクダに乗れます!

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