マガジンのカバー画像

ぼくゼロ監督と母の往復書簡

32
『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 〜空と木の実の9年間〜』監督の常井美幸です。これから、主人公のお母様の小林美由起さんと、9年間のできごとを振り返っていくエッセーを始めます。同じで…
運営しているクリエイター

#両親の離婚

往復書簡)監督から母へ聞いてみたいこと

これまで6回にわたって、ぼくゼロ母「くみちょ。」の生い立ちについて書いていただきました。私(監督、とこちょ。)は、一気に読めなくて、ときどき深呼吸しながら文字を追いました。あまりに私の生きてきた道と異なるので、想像力や理解の範疇を超えているところもたくさんありました。
そこで今回は趣向を変えて、私からいくつかくみちょ。に質問をしたいと思います。きっとみなさまにとっても、くみちょ。の生き様と、それが

もっとみる

母から監督へ その11(命がけの覚悟)

これまで幼少期から結婚、出産までをお伝えしました。
かなりハードな人生でしたが、今回は命がけの覚悟を決めたお話しです。
ぼくゼロの母は、なぜ子供からのカミングアウトに動じなかったのか?
主人公の母くみちょ。の謎に迫る生い立ち編。

相変わらず機嫌のいい時と、悪い時の差が激しい父。
5番目の母は断酒会に参加したり治療も続けていましたが一進一退の状態でした。

細々としたことを書いていくとキリがないの

もっとみる

母から監督へ その11(孫ができても変わらぬ父)

ぼくゼロ書籍化を目指して、とこちょ。とリレー形式で続けている「監督と母の往復書簡」。
今は、お互いの生い立ちについてを書いています。
前回のとこちょ。の回では、とこちょ。が国際結婚をされた理由も解明されたし、生きて来た道のりが私の世界とは全く異なる事を知りました。

ぼくゼロの母は、なぜ子供からのカミングアウトに動じなかったのか?
幼少期から25才まで実母から5番目の母までの事を書いて来ました。

もっとみる

母から監督へ その10(強くなる事を誓った)

ぼくゼロの母は、なぜ子供からのカミングアウトに動じなかったのか?
前回は2番目の母(継母)3番目の母(二人目の継母)について書きました。
今回は4番目の母と5番目の母について書いていこうと思います。

高校2年か3年の頃、学校から帰宅すると見知らぬ女性が父と一緒に家にいました。父から「新しいお母さんだから」と紹介されたのを覚えています。
その人は、バツイチで子供二人は別れた旦那さんが育てているとの

もっとみる

母から監督へ その10(まっすぐ生きる事を決めた)

前回はとこちょ。が生い立ちを描いてくれました。
とこちょ。とは10年以上のお付き合いですが、初耳のことばかりでした。
私はとこちょ。のことを、ほとんどしらなかったんだな〜。
みんな何かを背負って、それでも一生懸命に前を向いて、生きている。
私はずっと、そういう人を応援し続けてきたのかも・・・と思い出しました。

それでは、くみちょ。の生い立ちの続きです。
武蔵小杉駅前での「人さらい」事件の後、祖母

もっとみる