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【イベント報告】食べるわたしたちーちいさな問いの可能性− フォルケホイスコーレ/民主主義/サステナビリティ

〈今回の問い〉
みなさんの中にある、ちいさな問いは何ですか?

こんにちは!bokashiです。

bokashiは、マルシェ・ダイニング・コワーキング・スペースレンタル機能を持った、食を入り口にこれからを考える多様な活動の集積拠点です。

食を入り口に、農林水産業から社会情勢まで含むあらゆる人間の営みや、森・川・海などの自然環境の多様で複雑な繋がりに触れるきっかけとなるイベントを定期的に開催しています。

今回は2023年4月19日に行った、「Compath」さんとのイベントをご紹介します。

フォルケホイスコーレというデンマークの学校のことを知り、私たち自身のこと、普段見逃してしまうようなちいさな問いについて考えました。


フォルケホイスコーレという学校

今回お越しいただいたのは、北海道の東川町でフォルケホイスコーレをモデルにした人生の学び舎をつくるCompathの共同創業者である安井早紀さん。

「デンマークに行って、フォルケホイスコーレをみて一目惚れしました」といいます。

Compath・共同創業者の安井早紀さん

皆さんは”フォルケホイスコーレ”をご存知でしょうか。
フォルケホイスコーレとは、デンマーク発祥で180年続く大人のための教育機関、「人生の学校」。
デンマーク語でフォルケは人々、ホイが高い、スコーレが学校という意味です。
17.5歳以上であれば誰でも入学可能で、試験や評価、細かい規則もありません。
「全ての人に教育を」というコンセプトのもとに創設されており、その根幹には「生きた言葉(対話)」を大切にするというフォルケホイスコーレの精神があります。


じぶんを考える時間

当日集まった20人を超える人たちがまず最初にやったことは、”わたしのめいし”をクレヨンと画用紙でつくること。
普段は言葉で表す自分自身のことを、別の手段で表すことは新鮮な経験でした。

参加者が作った「わたしのめいし」

紙をくしゃくしゃにしたり、穴を開けたり人によって表現の方法は様々。言語では表現できないその人自身が表れていたように思います。

フォルケホイスコーレは民主主義的な教育メソッドです。知識や技術を習得する専門学校とは違い、自分自身への探究を通して、人生、自分達が住む世界、他者の考え方を尊重し、受け入れることの意味を学ぶことを目的としています。

そんなフォルケホイスコーレの精神が、問いを探究し続けているbokashiの共感を呼び、今回のイベント実施に結びつきました。


自己探求から見えてくる他者の存在

それぞれ自己紹介をし、フォルケホイスコーレの説明をしてもらった後、ぐるっと輪になって話し合いをしました。
フォルケホイスコーレの精神から何を思ったのか、自分自身はどうありたいのか、様々な考えを共有しました。

様々なバックグラウンドを持った人が輪になります

出てきた意見は、「余白や、無駄なもの、曖昧なものの可能性。そこにあそびが生まれるのではないか、楽しくなるのでないか」

「自分とは馬が合わない人との向き合い方、接し方。
自分のことを探究することは他者への理解を深めているのではないか。」

などといったものがありました。
それぞれが自己への探究を通じて、日常生活のことや、他の人のことを考え、思考を深めていました。

中には、「普段家と会社の行き来だから、自分の思考がそこに縛られてしまっていると感じた。今日も会社に何かいい繋がりを持って帰れないかと思っている自分がいた。」
と言っている人もいました。フォルケホイスコーレの精神が自己への探究を促すきっかけになったようです。


倒れた椅子という一見無駄なものもこの場だとめっちゃおもしろい

明日からできる小さなフォルケホイスコーレ

話し合いのあとには、有難豚(ありがとん)という豚を煮干し出汁の脂そばにして食べました。
この豚は、黒ぽんという名前で、bokashiも生まれたときから見守ってきました。

生まれてすぐの黒ぽん
元気に走り回る黒ぽん


わたしたちの食べているものの背景を知る、想像しながら食べる。
食べるという行為を捉え直した瞬間でした。

有難豚の「くろぽん」で作った煮干し出汁の脂そば

デンマークのフォルケホイスコーレに行こうと思ったら、最低でも数ヶ月かかります。しかし、現状私たちの生活からそのようにまとまった時間を捻出するのは難しいことが多いです。
デンマークに行かなくても、フォルケホイスコーレの精神を持って毎日を送ることはできるのではないでしょうか。

日常の端々に表れる普段は見過ごしてしまいそうな自分の感性に気を配ること。それを通じて自分とは違う誰かのことを考えること。

そういった小さなフォルケホイスコーレの精神が私たちの生活を彩ってくれるように思います。

今回のイベントには白老の移動本屋またたび文庫も来てくれました!
みなさん色々な本を通じて交流を深めていました。

問いをテーマにした三冊セットも販売しており、何が入っているかわからない楽しみも

今回の問い

みなさんの中にある、ちいさな問いは何ですか?

フォルケホイスコーレの精神を持って、毎日を送る。自分のことも考えて、自分の周りにいる人のことも考える。フォルケホイスコーレの精神は私たちの生活に何をもたらしてくれるのでしょうか。

bokashiも新たな自分を発見出来たり、自分ではないものへの理解が深まったりするような、探究に満ちた場でありたいです。

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bokashiのわたしたちについて

あれやこれやと紡ぎながら、日々発酵し合っています。詳しくはこちらをご覧いただけると嬉しいです。

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