早計な評価【カプセル&サウナ ロスコ@駒込駅】
あの世界的ブランドであるGUCCIが『ドラえもん』とのコラボ商品を販売していて、最初はその意外な組み合わせに驚きを隠すことができず、「誰がこの商品を買うのか」と不思議に思ったものだけれど、最近では街中でちらほらそのアイテムを身につけている人を見かけるようになった。
そういえば、小さい頃はよくドラえもんのアニメを観ていたけれど、大人になるにつれてすっかり観なくなってしまった。ただ、やはりあの作品は大切なことを教えてくれたように思う。
その一つが、「ジャイアンは悪者ではない」という考え方に気付かせてくれたことだ。ジャイアンは、普段は自分勝手で性格が悪く、暴力を振るうこともあるけれど、いざという時には身を挺して仲間を助ける一面もある。そんな時のジャイアンは頼り甲斐もあり、その姿に涙を誘われることもあった。
やはり、断片的・表面的な情報だけで全てをわかったような気分になってはいけないのだと思う。SNSにもさまざまな情報が飛び交っているけれど、SNSの情報こそ疑ってかかるくらいでちょうどいいのだ。
そんなふうに考えている僕だからこそ、以前から気になっていたことがある。それは「ロスコスコスコ」だ。きっと僕が何を言っているのか、ほとんどの人にはわからないだろう。しかし、Twitterの世界には「ロスコスコスコ」が存在するのである。これらのツイートのように。
この一連のツイート、実は駒込にある「ロスコ」というカプセルホテルについて盛り上がっている様子なのだが、なぜかロスコに行った人に対して「ロ・ス・コ・ス・コ・ス・コ」を一文字ずつ伝えていく文化が存在するのである。
なぜロスコはこのような盛り上がりを見せるのか、その謎はいつか解明しなければならない。僕は妙な使命感に駆られて、じゃらんで配られていた宿泊料金3,000円offクーポンを利用し、ロスコの予約を済ませたのであった。
今日は3月4日(木)。午前中に渋谷で用事を済ませた僕は、滅多に行くことのない駒込駅へと移動した。駒込駅といえば、JR山手線の30ある駅の中で、「降りたことない駅ランク1位」を獲得するほど需要と認知度の低い駅として知られている。
駒込駅には、ロスコのチェックイン時刻に合わせて15時ごろに到着した。メインの改札がある北口を出て5分ほど歩くと、今日の目的地が見えてきた。
「うおおぉぉぉお!! これが本物のロスコか!!!」
Twitterで何度も写真を見かけたことがあるロスコが、いま目の前にある。これはなかなかの感動。ちなみに、ロスコへは北口改札ではなく東口改札から出たほうが圧倒的に近いことを後で知ったのだった。
僕はさっそく館内に入り、下駄箱に靴を預けてチェックインを済ませ、ロッカーキーを受け取ると、すぐ脇にある棚から館内着とタオルセットを手に取ってエレベーターに乗り込み、浴場がある3階へと移動した。
(公式YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=zOqbFdicWzs )
広々とした脱衣所の中にはガラスで囲まれた小さな喫煙スペースがあり、そのすぐ近くには露天風呂が確認できた。
(公式YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=zOqbFdicWzs )
サウナと内風呂は、この露天風呂から脱衣所を挟んで反対側にある。つまり、サウナ後に外気浴をするためには脱衣所を通らなければならないようだ。
(公式YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=zOqbFdicWzs )
僕は指定されたロッカーに荷物を預けて、さっそくサウナがある浴室へと足を踏み入れた。
「ちょうど良い広さだな〜」
(ロスコ公式サイト: http://rosco.tokyo/man.html )
浴室には温かいお風呂が2つと水風呂が1つ、そしてサウナ室があった。まずは身を清めて、温かいお風呂に入ってみる。
「これ……温泉じゃないの?」
驚くことに、ロスコのお湯は温泉ではないものの、非常になめらかでしっとりしていたのだ。公式サイトによると「地下から直接汲み上げている良質な天然水」を使用しているそうだが、浴槽と接しているパイプには、温泉に入った時によく見るミネラル分の結晶が付着していたのである。これは法律上「温泉」と呼べないだけで、温泉に匹敵する水質なのではないだろうか。
僕が最初に入浴したお風呂はバイブラが付いていたが、その隣にあるバイブラ無しのお風呂も実に気持ちが良い。もちろんこちらのお湯も天然水が使用されているそうだ。
それからほどよく体が温まったところで僕は立ち上がり、体を拭いてからサウナ室への扉を開けた。
「珍しい構造だな〜」
サウナ室の中はコの字状に段ができていて、15人ほどが入れるほどの広さがあったのだけれども、なんとそのうちの5人分はリクライニングシートのように傾斜がついていて、横に寝転がった状態で蒸されることができるようになっていたのだ。
(公式YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=cG4C0o_1hrY )
先客は2人。空いている。僕は真っ先に、そのサウナベッド(仮)に横になってみた。
「すげぇ!!! なんだこれは!!!www」
サウナ室の中で寝転がったのは初めてだった。今までのサウナとは全く違う体験に興奮が抑えられない。思わず笑みが溢れてしまった。しかも、ただ特殊な形状の座面になっているだけではなく、サウナ室内の温度は106℃としっかり熱い。
ストーンが積まれたサウナストーブに目を向けると、どうやらオートロウリュの装置が備わっているようだったが、どのタイミングで水が噴射されるのかはわからない。
そのままテレビの音に耳を傾けて、薄暗いサウナ室の中でじっくりと蒸されること約7分。カラカラ系のドライサウナによって熱せられた僕の体からは、大量の汗が流れ出していた。
「そろそろ出よう……」
僕はサウナ室を出て、汗を流してから水風呂に肩まで沈み込んだ。
「うおおおぉぉおお!!! なんだこれは!!水が気持ち良すぎる!!!」
先ほど入ったお風呂と同じく地下水が使用された水風呂の温度は20℃。キンキンに冷たいわけではないけれど、このくらいの ”やや冷たい” 温度で身体を鎮めるのも、また味わい深いのだ。なにより、温かいお風呂に浸かった時以上に水質の良さを実感する。なめらかで、しっとりとしていて、とにかく肌に馴染むのだ。誰か、これを温泉と認めてはくれまいか。
そのままじっくりと冷やされること30秒。僕は立ち上がり、タオルで全身の水分を拭き取って脱衣所を通り抜け、外気浴ができる露天スペースへと移動した。
(ロスコ公式サイト: http://rosco.tokyo/man.html )
そこに置かれている ”ととのい椅子” に腰をかけて、ゆっくりと目を閉じた。そのまま大きく深呼吸すると、全身の力が徐々に抜けていったのであった。
「はぁ〜〜〜……最高だ……」
僕は冬の肌寒い空気に包まれながら、あまりの気持ちよさにその場から動けなくなってしまった。
それから3分ほどが経過した頃だろうか。後から露天スペースにやってきた、外気浴が目当てであろうお客さんに椅子を譲ろうと、その場にある「SGE露天風呂」と名付けられた風呂に浸かることにしたのだが、僕はここであることを企んだ。
ーーこれって、足湯しながら外気浴ができるんじゃないか?
僕は円形の露天風呂の、壁に面した縁に腰をかけた。ここなら他のお客さんの邪魔にはならないし、壁にもたれかかることもできる。案の定、そこは僕にとっては至福の外気浴スポットになった。駒込の空を見上げた僕の表情には、笑みが浮かんでいた。
結局、僕はそのあとに2セットをいただいてから、4階にある休憩室のリクライニングシートで仕事を済ませて、さらに2セットを追加でいただいて1日を終えた。
ーーなるほど、これは「ロスコスコスコ」と言いたくなるのもわかる。
「駒込には何も無い」とよく言われているし、それは実際に「降りたことない駅ランク」で1位を獲得してしまうことからも証明されてしまったかもしれない。ただ、それだけで駒込の評価を決めてしまうのは早計なのではないかと思うのだ。
物事の評価は、そう簡単にできるものではない。断片的な情報だけではなく、俯瞰して総合的に判断できるような人間に、僕はなりたい。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます