一期一会の香り【スカイスパYOKOHAMA@横浜駅】
先日マルシンスパに行った時に、身近な友人知人が世間に知られていく状況について思いを巡らせたのだけれど、いつ目の前の人物が日の目を見ることになるのかなんて誰にもわからない。一般人だと思っていた友人が、しばらく見ないうちに芸能界入りをすることも可能性としてはゼロではないのだ。ただ、さすがに小・中学生時代の同級生の女の子がAV女優になっていたことには驚きを隠せなかったが、いつ誰が脚光を浴びるようになるかなんて、その本人でさえ予測はできないのかもしれない。
そして、いつ目の前の友人がこの世を去ることになるのかも、同様にわからないものだ。こちらに関しても先日のnoteで触れたところだけれど、親友を突然失うことだって実際にありえるのだ。失った命は取り戻せない。そうなってしまう前に、その相手と過ごす”今この瞬間”を精一杯生きなければならない。
そう考えると、「一期一会」という言葉には納得感がある。たった一度の出会いであっても、それを大切にして誠実にその相手と向き合うことで、その相手がいつかどこかで自分になにかしらのチャンスを与えてくれることがあるかもしれないためだ。実際、僕自身もそんな出会いに助けられたことが何度もある。たとえば仕事について。
僕が独立をしたのは2019年の夏頃のことだったが、その直前に副業として仕事を受けたことがあった。詳細は割愛するが、その取引先との出会いは近所の寿司屋だった。滅多に行かない ”回らないお寿司屋さん" にたまたま一人で入ったところ、通されたカウンター席の隣ではその寿司屋の常連客である威勢のいい男性が食事をしていたのだが、僕が一人でお寿司を食べ始めると、その男性が急に話しかけてきたのだ。
「お兄さんは、なんの仕事をしてるんだ?」
そこで僕が素性を明かすと、僕のことを気に入ってくれたのか、その場でお酒をご馳走してくれたばかりではなく、「頼みたい仕事がある」と言われて話がトントン拍子に進み、1年間の長期契約を結ぶことになったのだった。なんと、たまたまその人は年商数億円の会社の代表だったのである。
このような出会いは他にもある。YouTubeの相方でもあるカズヨシさんが行きつけのお店に誘ってくれた際に、そこで出会った常連の方とも意気投合してお仕事をいただけるようになったこともあったのだ。このような場では一時的に精神を消耗するものの、僕はこういう時だけ対人コミュニケーションがうまくなるので、営業職を経験しておいてよかったと思う。
ただ、これらの例だけを見ると「出会いをうまく生かせているじゃないか」と思われるかもしれないが、人との出会いについては後悔した経験もゼロではない。
たとえば、大学時代に一時的に仲が良かった友人がいたのだけれど、その友人とは徐々に価値観が合わなくなり、最終的には僕から距離を置くようになった話。その後その友人はどうなったかというと、大学卒業後に起こした会社が軌道に乗って現在は年収1億円、さらにYouTubeも始めてチャンネル登録者数が10万人を超えるほど社会的にも注目されるようになった。
もしもあの時、僕から距離を置かずにその友人と誠実に向き合っていれば、今頃その友人と一緒に大きな仕事ができていたかもしれない。
さて、このような経験を通して、僕はなるべく人との出会いを大切にするようになったし、特に会社を辞めて独立してからは枠にとらわれない活動ができるようになったこともあって、尚更どこにチャンスが落ちているのかがわからないので、それまで以上に誠実に目の前の相手と向き合おうとするようになったのだった。
これでいうと、実はサウナに関しても同じようなことを考えた経験がある。これは僕が”相手をされる側”の話ではあるのだが、「アウフギーサー(※サウナ室内で熱蒸気を生み出してタオル等でそれを人に向けて仰ぎ当てるパフォーマンス、「アウフグース」を行う人)は僕たちには見えない形でプレッシャーを感じることがあるのではないだろうか」ということだ。
特に自身のSNSアカウントを持っているようなアウフギーサーの方は、個人の名前がオモテに出ている分、それだけ注目も期待もされかねない。
もちろんプロである以上はそのプレッシャーを乗り越えた方ばかりだとは思うけれど、とはいえ常に「今の目の前のお客さんにどう満足してもらえるか」を考えて熱波を送ってくださっていることだろう。
そういえば、タオルパフォーマンスによるアウフグースを初めて受けたのは横浜のスカイスパだった。あの時の衝撃は今でも忘れない。担当は鈴木さんだった。それまでアウフグースを見たことすら無かった僕は、「タオルってこんなに自由自在に操ることができるものなのか」とサ室の中で興奮したのだった。
結果的に、その出会いが僕のサウナ人生にとってはかけがえのないものとなり、今でも鈴木さんのアウフグースは積極的に受けに行きたいと思っている。鈴木さんは、まさに僕との一期一会を実らせたのだ。
それがきっかけとなって、スカイスパの鈴木さんご本人や箸休めサトシさんらとTwitterで相互フォローになり、さらに僕はさまざまなアウフギーサーの方々をフォローして情報収集をするようになった。すると、それぞれのアウフギーサーによってパフォーマンスに個性があることが徐々にわかってきたのだ。
コメディ要素を取り入れた演出型の人もいれば、まるでタオルが体の一部であるかのように巧みな手さばきで回転させながら仰ぐアクロバット型の人もいる。この個性の違いを楽しむことができるのも、アウフグースの醍醐味であると思う。
そんな今日、2020年12月15日(火)も、僕は再びアウフグースを受けるためにスカイスパまで行くことを決めたのだった。スカイスパでは昼頃から夜中までスタッフが交代しながら1時間おきにアウフグースを行っていて、今日の担当者のシフトはまだ確認することができていなかったのだが、ここに所属するアウフギーサーは個性がバラバラの実力者揃いなので、安心して往訪することができた。
ただ、「スカイスパの何が良いのか?」と聞かれると、正直なところ答えにくい。なぜなら全てにおいてバランスが良過ぎるがゆえに「これ!」という特定のポイントを挙げにくいからである。
横浜駅直結というアクセス、20人程度を収容できるキャパシティに95℃前後かつオートロウリュのサウナ、定期開催されるアウフグース、キンキンに冷えた水風呂、浴場の窓から遠くまで見渡せる眺望、使い放題のタオル、そして広々とした休憩スペース兼コワーキングスペースに、美味しいメニューが揃ったレストラン……。これら全てのバランスがちょうど良いのがスカイスパなのだ。
現地に到着したのは午前11時。日帰り利用の予定ではあるものの、この日も僕は大手宿泊予約サイトからGoToトラベルを活用して個室の「プレミアムリラクゼーションルーム」の宿泊予約を行っており、14階の受付でチェックインを済ませて脱衣所へと向かった。ちなみにGoToトラベルが適用になることで通常税込3,800円が2,470円に割り引かれるだけではなく、地域共通クーポン1,000円分を手にすることができ、さらに僕の場合は予約サイトに貯まっていたポイントも1,400円分ほど使用したので実質無料になったのであった。
個室は14時からではないと使用することができないそうなので、脱衣所のロッカーに荷物を入れてから、まずは今日のスカイスパのコンディションを確認すべくタオルを1枚手に取り、浴室のドアを開けた。
「やはり狙い通り空いてる!」
(ぐるなび: https://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/g-mag/013341 )
平日の午前11時台は狙い目だと思っていたのだが、その予想は的中したようだ。もちろん全く人がいないわけではないのだが、混雑している様子は見られない。
(スカイスパ公式サイト: https://www.skyspa.co.jp/spa_infomens/ )
まずは体を清めてから軽く炭酸泉檜風呂に浸かり、さっそくサウナ室の中へ。
「やはり空いている……」
(スカイスパ公式サイト: https://www.skyspa.co.jp/spa_infomens/ )
先客は10人程度だろうか。通常時はほぼ満員状態が続くので、この時点では明らかに空いていた。
2台のサウナストーブによって熱せられた室内の温度は94℃。適度に湿度が保たれ、居心地がとても良い。そしてなにより、横浜の海を眺めながら蒸される体験が極上なのである。
以前はデジタルタイマーだった12分計は、数カ所に設置された砂時計に替わっていた。その砂の動きを確認しつつ、まずは6分程度蒸されて、サウナ室のすぐ隣にある水風呂へ。全身の汗を流して、いざ。
「うおぉ〜〜〜!!!」
今日もキンキンに冷えてやがる。温度は16℃なのだが、さらにバイブラが羽衣を剥がし続け、30秒も経つと僕の体は凍え始めていた。
そこからゆっくりと立ち上がり、窓際のジャグジーバスの中に横たわる。冷やされた体が温め直されていき、血の巡りを感じた。まるで生き返ったような気分だ。
すでにこの時点で快感レベルはかなり高まっていたのだが、ここからさらにインフィニティチェアへと移動し、そこに全体重を預けることで僕の意識はからっぽになったのである。
「ふぁああぁぁぁ〜〜〜……」
(参考:コールマン(Coleman) チェア インフィニティチェア)
無意識に呼吸が深くなり、先ほどまで激しかった心臓の鼓動が落ち着いてきた。
その後、2セット目をいただいた僕は、11時40分ごろに一旦浴場を出てアウフグース担当表を確認した。
「おっ、まさか12時からナガイさんが! これは受けねば……」
というのも、いつの間にかナガイさんとはTwitterで相互フォローになっていたので、以前からアウフグースを受ける機会を窺っていたのだ。
そうとわかれば、僕は10分ほどコワーキングスペースで休憩を挟んでから再び浴場へと向かうことにしたのである。
浴室内で待機をしていると、予定時刻の5分前にナガイさんがサウナ室に参上。それとともに一気に10人ほどの男性がサウナ室の前に並んだ。もちろんその中に僕もいる。
今回ばかりはさすがにほぼ満員となったサウナ室。予定時刻を迎えると、ナガイさんが優しい口調で語りかけながら、サウナストーブにアロマ水をかけ回していった。まずは青森ヒバの香りだ。
水が弾けながら蒸発する心地良い音に、アロマの香りが合わさり癒やしのひとときを味わうことができた。しかし、そんなリラックスタイムもほんの一瞬のこと。途端に襲いかかる熱蒸気。それをタオルでサウナ室中に均一にかき混ぜていくナガイさん。この時点で息が苦しかったが、そこからさらに直接全身に向けて仰がれる2回の熱波。熱すぎる。タオルで口を抑えなければ呼吸ができない……。
そして青森ヒバのアロマ水の中にシトラスのオイルも加わり、再び生み出される大量のロウリュ。「香りの変化をお楽しみください」とは言われたものの、僕にそんな余裕は無かった。心臓はバクバクと激しく動き、体が震え始める。ナガイさんが放つ、優しくもあり攻撃的でもある灼熱の風を受け止め続けたのも束の間。限界はすぐにやってきた。
「これ以上は無理だ……」
僕は一足先にサウナ室を飛び出し、全身から流れ出た大量の汗を冷水で掛け流してから水風呂の中へ勢いよく沈み込んだ。
「くわあああぁぁぁぁあああ!!!」
火傷するほど高温の熱波でダメージを受けた皮膚を、冷水が急激に引き締める。瞳孔が開き、よりいっそう呼吸は荒くなった。ゆっくりと深呼吸を行い、そしてそれから30秒ほど経過した頃、徐々に心臓の動きが緩やかになっていった。
「今しかない……」
僕は立ち上がり、再度ジャグジーバスのお湯の中に横たわった。温め直された体の中を、血液が猛スピードで駆け巡る。正面の窓から見える眺望が少しずつ歪んで見えてきた。
「ふぅ……」
思考が停止しかけたところで、今度はインフィニティチェアの隣に置かれているリクライニングチェアに身を委ねた。
ーーこの脱力感。なんという中毒性だろうか。最高の気分だ。もう何も考えられない……。
(ニフティ温泉: https://onsen.nifty.com/yokohama-onsen/onsen001532/ )
正面の窓からは横浜のベイサイドを見渡すことができる。そして目を閉じて深く呼吸をしてみると、体に染み付いたと思われる先ほどの青森ヒバの香りが立ち込めてきた。癒やしのアロマに包まれながらととのう快楽体験。まさに贅の極み。僕の意識は、そのまま宙に浮かんでいったのであった。
身体が落ち着いてきたタイミングで、空腹を感じた僕はコワーキングスペースを兼ねた館内のレストラン「KOO」に移動した。ここはWi-Fiとコンセント完備で、仕事場としても使えるのが良い。
(スカイスパ公式サイト https://www.skyspa.co.jp/restrant-info/ )
こちらでも地域共通クーポンが使用できるそうで、大好きなカツカレー(税込1,100円)を頬張りながら仕事を進めることにした。
スカイスパのカツカレーは、コクと甘みのあるルーに、サクサクに揚げられたとんかつがとても良く合うのだ。僕はいつもこれを頼んでしまう。
そういえば、カレーのスパイスの香りとともに、まだほんのりと青森ヒバも香ってくるようだった。それに気付いた時、僕は先ほど受けたばかりのナガイさんの熱波を再び受けたくなっていたのだった。
ーー今日はスカイスパの魅力がひとつ追加された日だ。またここに来る日は近いだろう。この出会いを、僕は大切にしようと思う。
キリの良いところまで仕事を終えると、時刻はすっかり夕方になってしまっていた。僕はパソコンを閉じて、再びサウナへと向かった。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます