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自分がワクワクすることを柱に事業計画を煮詰めている

 今年4月末に前職を退職し、転職と起業を並行して進めてきた。転職先は7月に見つかり、8月から週4日、働き始めている。そして、平日の1日と土日を使って個人企業を立ち上げて、農業関連のビジネスをやろうと動き始めている。

自分がワクワクするものは何かを突き詰める

 最初は、社会・市場のニーズは何で、それに自分のビジネスがどう応えるかーーという定石のセオリーで事業計画を立てつつあった。しかし、私がやろうとしているのは、将来上場を目指すような起業ではなく、あくまでも個人企業の起業であり、そんなに大きくすることは考えていない。

 そこで、考え方を変えた。基本は、私自身が本当に一緒に仕事してワクワクする人々を顧客として選び、その顧客のニーズに応え、その顧客の利益(金銭的だけでなく、精神面も含め)を最大にするという視点から、今まで考えてきたことを組みなおしている。

 今年度の前半、NHKの朝ドラでやっていた『ちむどんどん』は、沖縄の方言で、ワクワクするという意味だそうだ。このドラマは、シナリオが最低で、ヒロインの比嘉暢子をはじめ登場人物の言動に共感できないものが多く、極めて評判が悪かった。私もその評価に99.99%同意するが、ただ、私が暢子の言葉で唯一共感できたのが、自分の行動の判断基準が、「ちむどんどんするか、しないか」だと言い放ったことだ。

 これは、意外と大事なことで、これから私が始めようとする起業にぴったりの言葉だ。

時には苦しい自己分析に役立つ座禅とメモ

 そこから、今までの仕事人生を振り返り、これまで、どんな人たちと、どんな仕事をしたときにワクワクとしたのか? どんな人たちと仕事をして、どんな仕事をしたときに、不本意で、つらい思いをしたのか? それを徹底的に洗い出して、ワクワクした時に、なぜ、自分はワクワクしたのか? しかし、いま、自分がワクワクするようなことで事業計画を立てようとしているのに、そんな自分の足をひっぱる自分がいる。それはいったい何なのか? その根底にある不安とは何か?

 上記のような事業開発、事業計画の立案の過程は、まさに「自己分析」そのものであり、時に苦しく、頭の中だけで考えていると、いろんな思いや煩いが頭の中をぐるぐる回って、収拾がつかなくなることがある。

 こうしたとき、自分自身の思考を整理する方法として私がやっているのが、朝の数分間の座禅とメモである。これについては、以前にnoteで書いた。

  座禅は、長時間使いすぎて動作が遅くなったコンピュータを再起動するようなものだと思っている。いろいろな思いや悩みの無限ループを短時間でもリセットすることで、自分を客観視できたり、自分がつまらないことに執着していることに気づいたり、自分を生かしてくれている人々に感謝できるようになったりする。ただし、座禅をしている途中に、考えを整理できたり、良いアイデアが浮かぶのではなく、座禅を繰り返していくうちに、だんだん心が調ってきて、いろな気づきがでてくるようになるようだ。

 もう一つはメモである。座禅で心が調い、なんとなく、この方向がいいんじゃないかという方向が出てきたら、それを放置するのではなく、簡単なメモとして書き、言語化する。書く行為そのものが、思考を深めることであり、「何となくこの方向」を具体的な物事に落とし込んでいくことになる。

 メモの仕方としては、箇条書きの場合もあるし、簡単な文章にする場合もあるし、何らかの図表を描いてみることもある。

 箇条書きは、とりあえず、思いつくこと列挙していくのに手っ取り早い。やがてそれを並べ替えたり、ツリー上に構造化して、ものごとを整理していくことができる。さらに、ツリー状だけではわからない、縦横の関係や複雑な相互関係などは、図表にしていく。図表にすると、箇条書きやツリー構造ではわからない部分が見えてきたりする。そして、これらをまとめて文章にしていく。事業計画の場合は、何らかの事業計画のフォーマットに落とし込んでいくと、自分の思考だけでは及びつかない点を考えざるを得なくなるので、ありがたい。

明け方にヒントが

 もちろん、メモをして簡単な文章を作ってアイデアを詰めていっても、つねに壁にぶつかる。そういう時は、いったん中止して、一晩寝かせる。

 自分自身も、あきらめて寝床に入る。すると、明けがたに布団の中で、ふと、「あの問題は、こうすればいいんじゃないか」とか、「こういう考え方でいったらどうか」とヒントが浮かぶことがある。

 人間は睡眠中の「レム睡眠」のあいだに、その日に得た情報について、自分の生存にとって必要かどうかで取捨選択し、必要なもの長期記憶として定着させ、不要なものは捨てるという機能があるという。また、その過程で、眠る直前に考えていた新しい情報と、過去に自分が蓄積した古い記憶がうまく結びつき、起きているときには思いつかなかったようなアイデアがうまれることがあるという。朝、思いつくヒントはこの種のものだと思う。

 そのヒントをもとにして、昨日、行き詰ったところを解きほぐし、具体化して、次の段階へと進んでいく。

 そして、ある程度まとまった段階で、信頼できる人に見てもらって、アドバイスをもらい、さらに事業計画をブラッシュアップするという活動を繰り返している。


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