国内外から見る2022年のVTuber音楽シーン10選 -VTuber音楽ってなんだろう？-
嘘でしょ…前に書いた記事から1年もすぎたのに、記事が全然できてない…。
と
いうわけで
記事の書き方を思い出すため(すでに年末)に、野良猫のユウさんの「#2022年VTuber楽曲10選」をやってくぜ。野良猫のユウさんはこの企画を2年前からやってるので、過去のもみーてくーださい！！！！
※と思いながら書いてたのですが、あまりに逸脱しまくったのでタグ付けはやめました！
そして2022年の目標としてあげていたVTuberの海外の曲をディグリたいの結果もどうなったのかを合わせて書いていきます！！
いくぜぇーーーーー！！！！！！！！
心に残った最高の音楽は…
古参的には今年の一番はキズナアイ以外にチョイスできない。
アイちゃんが大好きだというのも間違いないが、何よりも僕たちが勝手に生み出したVTuber音楽というくくりの第1歩に多大な影響を与えたのが、アイちゃんとそれに関わってくださった音楽関係者の方達のおかげだからだ。
僕の記憶で、印象的だったイベントはMOGRAでおこなわれたアイちゃんの「Hello, Morning」が流されたことだ。僕はそのイベントを見ることができなかったが、とてもドラマチックな展開になっていたらしい。この時からMOGRAでは少しずつ様々なVTuber音楽が流されるようになっていった。「Hello, Morning」はもちろん、「月ノ美兎のボイス」が流れたり、KMNZの「VR」とか、まだまだ数えるほどだったが。
そして同年「キズナアイの9週連続オリジナル楽曲リリースとバーチャルYouTuber世界初・史上最大規模の単独2Daysライブ「Kizuna AI 1st Live “hello, world”」が発表され、呼応するようにVIRTUAFREAKも始まった。
時系列が一気に飛ぶが、その3年後にVIRTUAFREAKは終わりをむかえることになる。その理由も非常に印象的で"VIRTUAFREAKとして、「バーチャル」というカテゴライズをする意味が薄れていることを感じていた"と。そのVIRTUAFREAKの締めもとても忘れられない。バーチャルねこさんによる「Hello, Morning」だった。
その日の僕はとても充実した気持ちだった。
でも
その晩にキズナアイのスリープが発表されたのだ。
そして活動休止前の最後に開かれた大きなライブイベントが「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”」。
そのライブで僕の記憶から焼き付いて離れないのは、アーカイブにもブルーレイにも残っていないキズナアイのLinxである。歌詞の全て、単語一つ一つが心に刺さる体験は二度と出来ない体験だった。
Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022”
https://www.youtube.com/watch?v=GTa2HxIsBPM
セットリスト - https://natalie.mu/music/news/467367
そしてDNAはkznちゃんへと受け継がれる。
[歌ってみた]#kzn / Kizuna AI to AI
https://www.youtube.com/watch?v=iaYAMU_MFbE
MOGRAから、そしてバーチャル空間でのDJライブの流れはkznちゃんへと引き継がれていき、kznちゃんらしい、kznちゃんだからこそできるリンクで、アイちゃんの願いを忘れずにちょっとずつ進んでいってくれている気がする。
https://www.youtube.com/watch?v=BPtPobkL-A0
https://www.youtube.com/watch?v=fTHl1BKgrAg
https://www.youtube.com/watch?v=wD1Gh4qHKJo
デジタル空間ともリンクし続けている。
VIRTUAL MUSIC JAM CeVIO PARTY 2022 in ミュージック超会議
https://live.nicovideo.jp/watch/lv338222495
海外にもリンクしていっている。
https://twitter.com/IAMFLive/status/1590826645497290755
kznちゃんのオススメ曲はキツネリさんの赤色3号！
https://www.youtube.com/watch?v=CC42hH_Otlc
それからキズナアイと音楽を話すなら、loveちゃんもとりあげなければいけない。アイちゃんまわりはチャレンジしたが故の様々なトラブルが起きた。そしてその様々な中の1つを経験したのがloveちゃんで、embraceは過去と未来を、今の想いを綴った歌である。僕はいうほど深いファンになれていないが、らぶちゃの歌詞からはくるものがあった。
【オリジナル曲】lovechan/loveちゃん - embrace (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=UsPiaceZAqg
そしてただいま絶賛オリジナル曲を連続リリース中で、個人的にはKAIRUIさんという意外でもあり、ベストマッチなクリエイターをチョイスしてきて、とてもビックリさせられた。らぶちゃもらぶちゃなりの頑張り方で、リンクしていっているんだなと感じさせられた。
【オリジナル曲】海中電灯 / lovechan （loveちゃん）Official Music Video https://www.youtube.com/watch?v=OK0G3YvVAqk
【Original Song】love♡chance -らぶのおんがえし-（music and lyrics by 桃井はるこ） / lovechan（loveちゃん）
https://www.youtube.com/watch?v=F636DslsMe0
より多様でクオリティの高いMVを作っていく有名VTuber企業
I’m Your Treasure Box ＊あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。
https://www.youtube.com/watch?v=vV-5W7SFHDc
今年はNIJISANJIやhololiveから、とにかくハイクオリティで多種多様な曲が次から次へとリリースされた。hololiveもNIJISANJIどちらも「マリ箱」や「New Cydonia」日本らしいアニメっぽさのある、ドンびくレベルでクオリティの高いMVがでてきた。NIJISANJIの恒例となったグループのデビューソングも、とくにLuxiemの再生数がすごく伸びていてVTuberにおける音楽の影響力が徐々に証明されつつある。その流れを感じてか一部のVTuberエージェンシーではデビューからすぐにオリジナル曲やカバー曲を投稿するようにもなっている。
Luxiem - Hope in the dark (Official Music Video) | NIJISANJI EN
https://www.youtube.com/watch?v=W7SKtUCGYQk
またtiktokでは、バーバパパさんの楽曲バズりでVTuber&音楽ファンのザワつきから始まり、ぼっちぼろまるさんが積み上げてきたものを花咲かせたりとしたが、hololiveも「人生リセットボタンぽちーｗ」や「I’m Your Treasure Box ＊あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。」とバズを次々生み出し始めている。クッソ観測しにくいが、今後はVTuber楽曲もtiktokから目が離せない状況になってきた。
人生リセットボタンぽちーｗ#hololive #沙花叉クロヱ#オリジナル曲
https://www.tiktok.com/@sakamatachloe_hololive/video/7069294572869897474
企業内ではJPやEN、IDなど言語の括りに関係のない歌ってみたコラボがNIJISANJIやhololive、「そう組み合わせてくるかぁ～…！」とワクワクさせてくれた。そして2022年後半になって、(とくに海外の)企業間コラボのハードルが突然下がり始めた空気があるので、来年は海外も企業間の楽曲コラボもたくさんこないかなーと期待していたりする。
【Cover】Beat Eater / calliope × reine × suisei
https://www.youtube.com/watch?v=nbB3KsFRv4U
NIJISANJI
TSUNAMI - Finana Ryugu (Original MV)
https://www.youtube.com/watch?v=3i_TLQsaAgU
NIJISANJI ID - Conquer The Night [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=1cE8_QBLawc
バラして！！ ROSE ME - Rosemi Lovelock 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
https://www.youtube.com/watch?v=f91RW3Mk8Dk
Birds of Time (original song) Enna Alouette × PrettyPatterns
https://www.youtube.com/watch?v=ndj2qYnvT_s
NIJISANJI ID - Conquer The Night [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=1cE8_QBLawc
REN ZOTTO - AMPLIFY 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
https://www.youtube.com/watch?v=-c0ClhAH2JA
グループのデビューソング
Luxiem - Hope in the dark (Official Music Video) | NIJISANJI EN
https://www.youtube.com/watch?v=W7SKtUCGYQk
Noctyx - Stuck In The Abyss (Official Music Video) | NIJISANJI EN
https://www.youtube.com/watch?v=ySSUTOGO-3M
ILUNA - Let's Get It Started (Official Music Video) | NIJISANJI EN
https://www.youtube.com/watch?v=gGwVwmwHqcc
Hololive
【Original Song】ALiCE&u【Ayunda Risu】
https://www.youtube.com/watch?v=IGviVpVE1fA
【 Original Song 】 Q&A=E | Kyawaii 【 Airani Iofifteen | イオフィ 】 https://www.youtube.com/watch?v=Rd6kufQ7ONc
【Original Song】High Tide - Moona Hoshinova【Animated MV】
https://www.youtube.com/watch?v=stmZAThUl64
DO U - Takanashi Kiara (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=QI96hnhcr2E
【Original Song MV】Daydream - Ouro Kronii
https://www.youtube.com/watch?v=6W749jRBg-4
【ORIGINAL SONG】Harapan PanPanPan【Ayunda Risu & 荒咬オウガ】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=N9M5jX9z5cQ
【MV】Love Me Love Me ／ Pavolia Reine【Original Song】
https://www.youtube.com/watch?v=MxwV963ZNEU
Original Song - JOLLIE JOLLIE (Prod. KOTONOHOUSE)
https://www.youtube.com/watch?v=2ZqtRc3fa_s
【original】リリカルMonster【白銀ノエル/ホロライブ】
https://www.youtube.com/watch?v=qIRKvXbbbsk
【ORIGINAL SONG MV】Mantra Hujan - Kobo Kanaeru 【hololive Indonesia 3rd Gen】
https://www.youtube.com/watch?v=SF-_47-oCtk
さらに今年面白いと思わされたのは「hololive SUPER EXPO 2022 & hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ」だ。ライブでアイドルな歌とアーティストな歌が混在していて、ギャップがお互いの歌の面白さを際立たせていた。
Mori Calliope
そんなhololiveのなかで私が最高にカッケェと思っている方はcalliopeさんだ。単純に歌がすげーだけでなく、星街すいせいさんとマジでこの組み合わせしかないだろ思わせるカバーソングを出してきたり、日本国内の音楽関係のVTuberで間違いなく有名なBOOGEY VOXXとコラボ曲をだしてきたり、壁を感じさせない音楽作りしてくるのは、ただただすごい。
その勢いは2022年も衰えることなく、星街すいせいさんからさらにHololiveIDのReineさんを加えたカバー曲をだしたかと思えば、同じグループのGawr GuraさんとのオリジナルソングにVTuber音楽で大きな存在のDECO*27さんを起用してきたかと思えば、アメリカで声優や歌手として大活躍兼VTuberしているAmaLeeさんのオリジナルソングに参加したりと、自由である。
そんな中ですっっっっっげー好きなのがMERA MERA🔥。calliopeさんのビートな歌い方と、キレッッッキレな動きが最高なのだ。魚眼レンズのとこ、マジで好き、好きしか言えなくなるぐらい好き。K/DAのPOP/STARSを感じさせるカッコよさがあって最高すぎる。メジャーデビューコンサートのNew Underworld Orderもカッコ良き演出なので見てくれ。
[ORIGINAL SONG] MERA MERA - Mori Calliope
https://www.youtube.com/watch?v=DOzpsXZS-j0
Calliope Music
https://www.youtube.com/playlist?list=PLB8Nt5W7hnKA_pG2qljWbgVmJPobrLTm4
来年も一挙手一投足が見逃せないやつら
VTuber音楽は、皆が皆いろんなフィーリングで、いろんなスキルがあって、うまいやつしかいない。しかしそんな中でもひと際目を引くやつは必ずでてくる。その代表例としてあげられるのは長瀬有花さんだろう。
長瀬有花
微熱煙 - 長瀬有花
https://www.youtube.com/watch?v=8r4IbMHnZWI
長瀬有花さんは、次元を超えて2次元を3次元を渡り歩ける不思議存在だ。長瀬ワールドは優しくて、曖昧で、独特な世界観になっている。彼女の歌声はふわふわでゆるゆるなのに、世界観はとても芯があり、輪郭がはっきりとしている。それはカバー曲を見るだけでも伝わってくる。
TikTokでは、ショート動画でよく使われているシルエットの手法を柔軟に取り入れ文化に溶け込んでいたことに驚かされた。新しい文化へのリスペクトがすごい。長瀬有花さんがTwitterやYouTubeに投稿する日記やライフログは、日常のほんとうに小さなことや古きものへのリスペクトが感じられて、彼女の日常はいつも輝いて見える。
そんな古きものにも、今あるものにも、新しきものにもリスペクトが有り、あいまいな存在の彼女が歌う「微熱煙」は、とても不思議な郷愁感を持っていて最高だ。
オレンジスケール - 長瀬有花 (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=D9H--94-gxE
fake news - 長瀬有花 (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=HaMUfVz8gsQ
「まだ見ぬ挑戦もやっていきたい」長瀬有花活動2周年インタビュー
https://www.neversleep.jp/music/music_22/
LUMINOX LUCAS&𝑃𝑜𝑙𝑎𝑟𝑖𝑠 𝑁𝑜𝑥
コウセイ - LUMINOX【Official Music Video】 https://www.youtube.com/watch?v=ASAidoLPz8c
次に紹介したいのはVRoidやばい人兼VTuberのLUCASさんとおしゃれデザイナー兼VSingerの𝑃𝑜𝑙𝑎𝑟𝑖𝑠 𝑁𝑜𝑥さんが2020年8月に始動させたLUMINOX。新しくリリースされたコウセイは、2人のオシャレで独特な美しさがつめこまれていて、何よりダンスがヤバかっこ良き。
2人の空気感はとても似ているが、LUCASさんは独特なボイスで私の世界な感じのオリジナル曲を、𝑃𝑜𝑙𝑎𝑟𝑖𝑠 𝑁𝑜𝑥さんは透き通るカワイイボイスで私の歌といった感じのオリジナルの歌を歌っていて、LUMINOXの曲を聞いた後で聞いてみるのもとても面白いのでオススメ。コンビの空気感もお互いがやりたいようにやりながらもすごく良い感じにゆるい関係性でよくわからんけど安心できる。
新世界 - LUCAS 【Official Music Video】
https://www.youtube.com/watch?v=p4g-xN_j7ME
PolarisNox | MOSKA-L (モスカエル) - MV【オリジナル曲】
https://www.youtube.com/watch?v=88z_06S2ZNE
【LUMINOX】playlist
https://www.youtube.com/playlist?list=PLnkE_LPHvtGLP7p5tt4K2nkN2Eno7bfAf
【MV】Original Song - 𝑃𝑜𝑙𝑎𝑟𝑖𝑠 𝑁𝑜𝑥 https://www.youtube.com/playlist?list=PLnkE_LPHvtGJ2svtzSFDw-yNeU-cPNHPj
Music Video - LUCAS
https://www.youtube.com/playlist?list=PLy-tL3wu4bLmB2TSsY6grLL3OSTVhyXC3
【ゲスト：LUMINOX】星と光が歌を紡ぐ、VSingerユニットLUMINOXで活動中のLUCASさん&𝑃𝑜𝑙𝑎𝑟𝑖𝑠 𝑁𝑜𝑥さん！ #ふじりんご放送局
https://www.youtube.com/watch?v=lTHblrxC7yc
PRISM Project
【オリジナル】Prismatic Dream【プリズムプロジェクトの3期生】
https://www.youtube.com/watch?v=DsLudaiUtxo
そして来年どう歩んでいくのか気になるのはPRISM Projectだ。PRISM Projectは2021年に英語圏をターゲットにひっそりと東京に設立されたVTuber事務所。しかしわずか1年でエージェンシーがSonyグループの一員になり、一部のオタクをざわつかせた。
PRISM Project自体は結成当初はそこまで音楽してないグループで、カバー曲はそれなりにあっても、オリジナル曲のイメージがでてきたのは2021年の辺銀ピナさんあたりからである。それがSonyMusicと手を組んでから、オリジナル曲のペースが明らかにあがってきた。さらにはグループソングも出てきてしまった。
そんなオリジナルソングの中でとても癖に刺さったのは、美吉野しきさんの物思いでチルな「Seasons」と星降いくさんのVaporwaveみのあるMVでエレクトリックな「Artificial」の2曲だ。
【Lone Alpha feat. Shiki Miyoshino】Seasons 【Original Song】https://www.youtube.com/watch?v=Ts8w1Cjglww
【星降いく】Artificial【オリジナルMV】
https://www.youtube.com/watch?v=Hn0sj-jAScY
PRISM ProjectはSony GroupのVTuberプロジェクトのうちの一つで、作品性やアイドル性よりはVShojoのように個性に重きを置くプロジェクトである。今後どのようにその個性を引き出していくのか、もしくはサポートしていくのか、音楽という視点から見ても気になるところだ。
PRISM Project Music PlayList
https://www.youtube.com/playlist?list=PLPpzGDZ5j30suQ-3MLUCUp_5KYaUyYJeg
【オリジナル】One Step【神代りた】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=afNJdGZ9krs
【オリジナル曲】お日さま【時守あおい】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=LFq-daSrwDc
【ORIGINAL MV】Devotion【Yura】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=V2G0hXm5epY
【オリジナル】Your Princess【星降いく】
https://www.youtube.com/watch?v=RpSMbi9uoRg
【オリジナル】Happy to Call You Mine (The Ikumin Song) 【星降いく / PRISM Project】
https://www.youtube.com/watch?v=spRz_6B3Leg
【オリジナル】Cloudscapes - 星降いく【PRISM Project】
https://www.youtube.com/watch?v=DF8L0fRqaTI
ワールドJポップという括り
日本語ノンネイティブシンガーからしか得られない栄養素が確かにある。
その可能性を感じ始めたのは2018年頃からだった。ふにゃっとしたかわいいボイスをもったVTuberはブームの当初から存在していて、とくに韓国のVTuberにその傾向があったように思う。代表例はNIJISANJI KR(現:NIJISANJIに統合)のヤン・ナリちゃんである。
【MV】魔王【NIJISANJI KR】
https://www.youtube.com/watch?v=1Fh0L6BDxHM
【でかいMV】世界征服【ナリ/にじさんじ】
https://www.youtube.com/watch?v=y3jtXnRAd5E
しかしこんなに特徴のある現象なのに、明確な名称がないのは不思議である。近い表現だとDJマリアージュさんの使っている#ワールドJポップかもしれない。しかし歌の空気感はタモリ倶楽部の空耳アワーに選ばれるようなちょっとネタ臭のある楽曲が対象で、アニメっぽさは存在しない。
ただ「日本語ノンネイティブシンガーが歌っている日本語曲」「日本語で歌うと声が丸くて可愛くなる」「日本に悪い印象を持っていないだろうという安心感」という共通点もある。
話を戻すと、日本語ノンネイティブVTuberのカバー曲はカバー曲の一線を軽く超えてるじゃないかなと思う(クソデカ感情)。そこに声の可愛いさ以外で、個性的な歌い方やひと工夫加えたサムネイルやMVを作れてるアーティストを見つけられたら最高なんすよ！
日本語ノンネイティブVTuberの日本語カバーソングでしか得られない栄養が絶対にある！
にじさんじENメンバーの歌う日本語曲集
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40796522
wisteria
そんな特徴を持ったVSingerの1人がフラワーペタルVTuberのwisteriaさん！ かすれのあるウィスパーなボイスが米津玄師の死神と楽しい化学反応しててすんごい好きなんすよ！ それ以外にも最近になって投稿されたCecile CorbelのArrietty's Songはwisteriaさんのボイスが最高にマッチしてる曲、原曲も日本語ノンネイティブシンガーが歌っているといったの背景がすごくそそられる。映像も美しい。まじで聞いてほしい1曲。
Arrietty's Song / Cecile Corbel (Cover)【wisteria】
https://www.youtube.com/watch?v=Riq_HkDiUgw
死神 / Shinigami (Cover)【wisteria】
https://www.youtube.com/watch?v=Bse2UuDHWHI
花月LuKya
花月LuKyaさんも大好きな歌い方をする１人。非常に残念なことに2022年5月に卒業してしまった…。LuKyaさんのカバー曲で好きなところは、歌い方も音のアレンジの仕方も、良い感じに個性がめいっぱいでてるところだ。とくにKINGのJazzy arrangeは絶対聞いてほしい。聞いて！
【歌ってみた・Cover】タイムマシン / 1640mP【LuKya】
https://www.youtube.com/watch?v=4qtXd6eCnNI
【歌ってみた・Cover】ヴァンパイア/DECO*27【オリジナルMV/LuKya】
https://www.youtube.com/watch?v=O-DkUGu5DOI
【歌ってみた・Cover】KING (Jazzy arrange) / Kanaria【オリジナルMV / LuKya】
https://www.youtube.com/watch?v=zJsrCsqGBBc
有栖マナ
ボカロPのなきそさんが作曲したド屑のカバー曲は、様々な解釈された罵りをうけれる、ドMにとって天国のような楽曲だ。そしてそんな罵りリストの中でお気に入りなのが、有栖マナちゃんのちょっと舌足らずなかわいらしい声から放たれる、ド屑ボイスは最高にクるものがある！ きもちぃい～！！！
ド屑 - 有栖マナcover
https://www.youtube.com/watch?v=0eq5DrDcU-A
ネイティブなソングを歌ってみた
New Cydonia - Vox Akuma Cover
https://www.youtube.com/watch?v=53jm_c2FMjw
Starcadian - New Cydonia Official Music Video (2K Remaster)
https://www.youtube.com/watch?v=3oIDRD9AzXo
VTuberといえば、歌ってみたがメインコンテンツの1つなのは間違いない。そのラインナップは、権利的に歌いやすいボーカロイドや有名なアニソン、思い入れのある曲などから、自分の好き・自分の個性を最大限に発揮できるように選んでいる。そしてやはりアニメ好きの多い海外VTuberの選曲は、基本的にボカロ曲やアニソンに偏り気味だった。
だがVTuberというアイディアが海外に定着し始めた2022年は、じわりじわりと母国語の曲で活躍し始める傾向が増えてきた。
ラーイバーツ
ASMRやシチュエーションボイスなどのボイスがメインのタイVTberライバーツちゃん。歌うことが大好きで、カラオケでは米津玄師やVaundy、ナユタン星人など日本でもお馴染みのアーティストを歌っているが、カバーソング集ではタイで有名なソングが並んでいる。
Laibaht Music
https://www.youtube.com/playlist?list=PLb1F5JEwvOv4zEQaeix2QsGgszSxWljx-
โด่ดิดง แต่ คุณภาพ
https://www.youtube.com/watch?v=wC5iPHx5m2M
I JUST WANNA PEN FAN YOU DAI BOR ? - สิงโต นำโชค (อ้ายจัสวอนน่าเป็นแฟนยูได้บ่ ?) [Official MV]
https://www.youtube.com/watch?v=Xh89WD3CBEU
APOKI
THE 我なスタイルを貫き通すAPOKIさんにも注目すべきだろう。APOKIさんは語るまでもなくK文化を主力にしているVTuberだ。最近はオリジナル・日本語verソングや韓国の名所紹介などに注力しているが、一時期はK-POPのカバーソングを大量にだしていた。オリジナルソングも実に韓国の音楽らしさがあって、バリクソにMVのクオリティが高いので必見。
APOKI 아뽀키 ‘Shut up Kiss Me Feat. Lil Cherry (Japanese Version)’ Official MV
https://www.youtube.com/watch?v=IilGy--tsWQ
APOKI MV - YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PLT1BRNHVBeMKaecqHFdn1-oyudrosKT-e
狐井アキラ
少し意味合いがずれるが、1言語ではなく多言語で歌ってみたをしたVTuberもいる。何かと活躍するVTubeにはやたらとハイスペックなマルチリンガルが多く、フィリピンの狐井アキラさんもそんな1人である。彼女はなんと热爱 105°C 的你を4ヶ国語で歌い上げてバズった。なんなら英語・韓国語・中国語・日本語それぞれの言語でも歌い上げている。とてもおもしろい。
【Kiichan】热爱 105°C 的你 / 阿肆 Super Idol (CHN/KOR/JPN/ENG) 歌ってみた
https://www.youtube.com/watch?v=7OBDOCZurbg
【Kiichan】學貓叫 / Learn to Meow (CHN/KOR/JPN/ENG) 歌ってみた
https://www.youtube.com/watch?v=mDUOibsW36w
このようにVTuberを通してみる歌ってみたは、非常に文化がカオスで面白い状況に育ちつつあって楽しい。日本っぽいアニメの見た目で、流行りのKPOPや地元で大人気のタイポップを歌っている光景って面白くない？僕は面白いと思う。 逆に地域の特色が落とし込まれたアバターで、日本語の歌ってみたも、これはこれで面白い。
そしてこのカオスが進むに連れて、交流も非常に盛んになっている。ホロライブIDが投稿した「インドネシア民謡メドレー」やわりと恒例になりつつある多言語での歌コラボ企画のように、文化がどんどん混じり合っていくことに僕は期待している。
人生に喝采を / Applause to Our Life ~ Vtuber World Collaboration 2022 ~【 9 Countries / 25 Singers】
YouTube https://www.youtube.com/watch?v=29kaZ45jLhw
その他のカバー曲集
เพลงเพราะๆ ฟังสบาย - YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PLNm170VL5eNLQvi2JF-mLqPXHBvY79bLW
海外からもオリジナル曲が多数リリースされて、活躍しまくった年
【Original Song】 Dawn - Solar feat. @Selene Ch.
https://www.youtube.com/watch?v=6CbH6mUVPiw
https://twitter.com/ManMareo29/status/1575101334080323585 (FanART)
英語圏のVTuberがまともに観測しきれなくなり、さらには海外圏のVTuberエージェンシーや企業もまともに観測できなくなるぐらいに、いろいろ忙しい2022年だった。オリジナルソングも例外なく観測しきれなくなった。ついにはDexertoという英語メディアで、"VTuberの音楽"について語られるぐらい今熱い。
簡単にラインナップするだけでもこれだけある。
シンガポールを拠点とするエージェンシー「VReverie」
https://www.youtube.com/watch?v=DcGKm3cwwqM
タイのPolygon Official Co.,Ltdがマネジメントする「Polygon Project」
https://www.youtube.com/watch?v=xxTkGlPFWrw
インドネシアのVTuberグループ「MetanoiaLIVE」
https://www.youtube.com/watch?v=ReaqA-eCn84
アメリカのVTuberエージェンシー「Kawa Entertainment」
https://www.youtube.com/watch?v=vbChSpvlgEE
イスラエル発で初のVTuberスタートアップ「idol 」
https://www.youtube.com/watch?v=vqSsJM6teG8
日本生まれで英語圏で活躍(最近Sonyの傘下になった)「PRISM Project」
https://www.youtube.com/watch?v=DsLudaiUtxo
海外企業VTuberエージェンシーで、音楽で今1番熱いのはタイの「Algorhythm Project」だ。今年はVTuberのリアルライブ「UNKNOWN DESTINY」がおこなわれるくらいオリジナル曲が充実している。その中でオススメなのは、上記にのせたSolarさんの「Dawn」と下記のEvaliaさんの「แค่เมา/Tequila」だ。まず共通点としてはどちらもMVが最高に良い、Dawnは神話のようなそして力強い物語性のあるアニメーションが、แค่เมา/Tequilaは心地の良いタイポグラフィと挟み込まれるカットが、マジで良い。Solarさんの歌い方も花譜みのある力強さとかすれのある声、Evaliaさんは大人びたエロティックな声が、最高なので聞いてみてくれ！ Dawnはなぜか日本語の歌詞がついたからマジで聞いてくれ！
【Original Song】 แค่เมา/Tequila「Evalia」
https://www.youtube.com/watch?v=hFzGIEoTAYI
PRIMA
もう1人癖に刺さりまくっているベトナムのCODACY PROJECT所属のPRIMAさん！！！
「ORIGINAL SONG MV」SENSORY - PRIMA
https://www.youtube.com/watch?v=VYdsgbS33fI
Sashimi Phiên Bản Lofi (Full)
https://www.youtube.com/watch?v=ylKMP-trkQE
「ORIGINAL SONG MV」MÁU M - PRIMA
https://www.youtube.com/watch?v=dpateeUfrn8
もちろんエージェンシーに所属しない海外VTuberからもオリジナル曲が増えてきた。
感覚的にオリジナル曲が目に付き始めたのは2021年の後半あたりだった。ドイツでフリーランスアーティストとして活動しているYocciさん(現在はVYUGENに所属)のMEの始まりだったり、英語・スペイン語・ロシア語・日本語で歌ったりラップをするYouTuberのkyOresuさんがVTuber化するプロジェクトのオリジナルソングなどがあった。
Pandora Miwa
そんな中ですらがとても推したいのは、ウィスパーでカワイイ系なボイスで歌い上げてくれるさんだ！！！ どことなくシティーポップを感じさせるベトナム語の「Waiting for your heart」、エレクトリックでKawaiiでウィスパーな「Smoky Mood」、かと思えば突然ホラーなテイストをだしてきた「Insomnia」どれも最高だからマジで聞いてくれ！ そして新曲の投稿まってるぞ、マジで！！ お願いだ…新曲を…。
Pandora Miwa - Smoky Mood
https://www.youtube.com/watch?v=peE_EpvqUj4
Jinetta Bliss
もう1人気になっているのはJinetta Blissさん。とにかく個性しかない。絵本の中のファンタジー、フェアリーガーデンをJinettaさんの強烈な個性で表現しきっているだけでなく、歌声はまるでオペラ歌手のようで、文句なしに世界観に調和している。自作しているオリジナルのアニメーションもすごい。
Names on the grass【Original Song by Jinetta Bliss】
https://www.youtube.com/watch?v=2J2yX8SD-S8
𝖎𝖘𝖆𝖆
オッドアイが印象的なIsaaさんはアメリカのカラス系バーチャルシンガー。今年になってはじめてリリースした「Raindrop」は、心に淡く焼き付くような印象的な青みのあるMVにしっとりとした声、どこか悲しげな表情からオレンジ色のオッドアイに魅せられると目が離せなくなる、そんな雰囲気の曲に仕上がっている。
「Original」Raindrop [Isa x Flanger Moose]
https://www.youtube.com/watch?v=8ISS4dfMa-E
海外ですっごいアイドルしてるVTuber達！
「VTuberはどんな活動ですか？」と日本で聞いてみれば、タレントなにじさんじやアイドルなホロライブと答える人が多いだろう(もちろんいろんな方がいるのは理解している)。実際にVTuberは国内の一部ではアイドルなイメージがとても強く、VRChatterがVTuberを名乗ってみたいけど名乗りづらいみたいな空気もちょっとあったりした。
逆に英語圏のVTuberは、私はアイドルではなくアーティストなVTuberだと明言する方もいるぐらい捉え方が違う。もしかしたらホロライブのライブを見ている方であれば肌で感じているかもしれないが、「hololive SUPER EXPO 2022」はJPVTuberとENVTuberの空気感の違いが明確にわかりやすい。
だからといって英語圏にアイドル系VTuberがいないのかと言われると、別にそういうわけでもない。強い意志でアイドル活動をしているVTuber達がいる。
Phoebe Chan
【Phoebe】Symphonic Sky 【Original Song MV】🐝🌸
https://www.youtube.com/watch?v=PglmGP__xrM
まずそんなアイドルVTuberの1人として紹介したいのはPhoebeさん。彼女はアイドル歴6年のベテランで、声優や歌手として活動しつつも、VTuberエージェンシーのShirayuri Productionに所属(8月に独立)しながらVTuberとして2年活動。いろんなVTuberがわちゃわちゃしていたAnimeExpo2022でアイドルとして 2.5次元VTuberとして参加。2022年4月にリリースされた「Symphonic Sky」は透明感のある声でとてもアイドルらしい歌詞にしあがっている。
Sushiya
The Feels by Sushiya (Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=WdzW1njSbqA
Sushiyaさんはアイドルを肩書きに名乗っているわけではない。しかしとてもアイドルっぽい方だなと感じているマレーシアVTuber。Sushiyaさんはとても健康的なカワイイ男の子ボイス(とても好き)で、VRChatでライブ活動していたりする。最近はマレーシアやシンガポールのVTuberをサポートするbilibiliのプログラムに参加し、目を離せないVTuberになりつつある。
Pipkin Pippa
[Original Song] Pippa the Ripper
https://www.youtube.com/watch?v=VGMAUos24ow
ものすごく最高すぎて推しまくりたいのはカナダに拠点を構えるPhase Connect所属のPippaちゃんだ。「Pippa the Ripper」はPippaちゃんらしさがふんだんに詰め込まれたアイドルソング。声のかわいらしさがすごく目立つが、時折挟み込まれる「ぴっぱぁ"ー」という鳴き声のような叫び声がすーげすき！
このオリジナルソングを聞いただけだとただのアイドルと勘違いしかねないが、そうではない。歌詞にある「I have intense bomb igniting thoughts. They will create shockwaves in your brain.」がPippaちゃんらしさを全てをあらわしている。
彼女は破天荒だ。Vtubingを、アートを、技術を、愛しながら正直に誠実に生きている。面倒くさいオタクなのだ。彼女を大好きになったのは、Streamy AwardsというアワードでVTuber部門にCodemikoさんとVshojoしかノミネートされなかった事件での発言を見てからだ。VTuberは関係性が大事な世界である。誤った発言1つでとにかく無茶苦茶になる。しかも相手はCodemikoさんとVShojoで、英語圏のVTuberに多大な影響を与えた存在である。それでも彼女は臆することなく、そして的を得た発言をきちんとしている。ほんとうに最高だ。
かと思えば、巷で忌み子のように扱われているAIジェネレティブアートで、星野ニア事件を思い出させるVTuber素材を作ってあとは自己責任でねスタイルで配布した。そしたら勝手にVTuberが増殖し始めたかと思えば、事務所を勝手に立ち上げてPippaちゃんとバトり始めたのだ。最高すぎんか？？？
一見無茶苦茶に見える彼女だが、Anirevo2022でファンの少女に見せた一コマは、そんな彼女とは真逆でPippaちゃんが何を大事にしているのか、何をしていきたいのか、思慮深く行動しているんだなと思わせてくれた。そしてここまでくればわかると思うが、つまり「Pippa the Ripper」である。彼女は戦い、強烈なアイディアで皆に衝撃を与え、皆を笑顔で救おうとしてる。彼女はメガアイドルなんだ。
https://twitter.com/PhaseConnect/status/1553780026390335490
VRChatという音楽体験の地
VTuberと切り離せなくなりつつあるのは、VRChatだ。日本では最近になってNIJISANJIやhololiveが積極的に参加し始め、英語圏ではめちゃくちゃ人気なVTuberのGreatMoonAromaさんやfilianさんが日常的に使っている。VRChatはエンタメな領域にもなりつつある。もちろんVRChatはMV撮影やライブ、DJクラブなど音楽の面でも活躍している。というかそっちのほうが初めにきていた印象がある。
VRChatで活躍するSingerもいれば、VRChatを活用して音楽活動をするVTuberもいる。
VistoR
1つ目はVRChatを活用した映像を作成するVTuber兼クリエイターグループのVistoRだ。特徴的なのは多国籍なチームで、エモい歌作り、実在感のある映像づくりだ。本当に映像作りがすごく好き。
まずVR空間で気軽に映像撮影ができるようになったからと言って、25,000を超えるワールドから雰囲気にピッタリの場所をロケハンするのはすごい。次に自分達で制作したワールドがたくさんあるのは普通に考えておかしい。そしてVRChatの住民は感覚が麻痺しているが、(パソコンやら周辺機器ですごいコストがかかるはずなのに)トラッキングできる集団というのも頭がおかしい。そのトラッキングから生まれる映像はとてもエモい。絶対に見てほしいのはFriday Nightの居酒屋のワンシーンだ。またYouTubeに投稿されているインタビューや日常的なショート動画は実在感を補強してくれる。
まじで注目されてほしいVRクリエイター集団だ。
Project VisitoR - 「Friday Night」 (VRChat Music Video) - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=g1J-Me9MXZs
Project VisitoR - 「Deviate」 (VRChat Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=fOikpORRm7E
異世界アイドル(イセドル)
2つ目はWAKTAVERSEのISEGYE IDOLだ。
このグループは初めてオリジナルMVを投稿してから、VRChatterの間で突如爆発的に話題になった。市販されているアバターやお馴染みのワールドを使っていたというのもバズの要因ではあったが、何よりも音楽を聞けば1発で元韓国アイドルとわかるくらい歌唱力が高く、VisitoRのように実在感の高い映像作りしていることもバズの要因になったのは間違いない。
RE:WINDはすでに1,000万回も再生されており、9月におこなわれた大規模な歌謡祭では、なぜか韓国でしか話題にならなかったにも関わらず、Twitch全視聴者世界1位で8万人の同時視聴を記録した。また運営企業のParableはカンファレンスに参加したり、NAVER Z から資金調達したりと勢いにのっている。
この流れに他の企業が乗っからないわけもなく、あのKakao Entertainmentが少女リバース（RE:VERSE）を盛大にやってきたかと思えば、AfreecaTV Co.,Ltdが우가돌(ウガドル)のオーディションを始めたりと戦国時代の予感…！
이세돌 싸이퍼 - ISEGYE IDOL CYPHER
https://www.youtube.com/watch?v=Empfi8q0aas
이세계아이돌 (ISEGYE IDOL) - 리와인드 (RE:WIND) Official MV
https://www.youtube.com/watch?v=fgSXAKsq-Vo
【MV】信号機(Traffic light) Cover by アイネ INE
https://www.youtube.com/watch?v=7IcafhbXprU
キヌ
絶対に紹介しなければいけないのは、バーチャルYouTuberのキヌさんであろう。VTuberオタクにゲキ刺さりするオリジナル曲「バーチャルYouTuberのいのち」は歌詞だけでなく、肌にささるような歌声もすごい。そしてキヌさんの真骨頂はパーティクルライブだ。おそらく映像を見てもほーんぐらいにしかならないだろう、僕もそうだった。オリ曲を聞いていて、まわりの人間がやばいやばいになってるのを何度も観測していたが見るまで、「？」だった。VR機器を被って初めて気づく。迫りくるような、包まれるようなパーティくるような演出、観客のざわめく声、そして肌に刺さるような歌詞と歌声が、別の世界に引き込んでいく…SANRIO Virtual Fes in Sanrio Purolandでわからされた。キヌさんも関わったリアルとバーチャルがクロスしたライブ「ピューロでナカヨクコネクト」が絶賛開催中だぞ！ そして2023年1月に新たに「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」が開催されるぞ！！！ 今年もメンツがやべーが、もちろんキヌさんのライブも見れるぞ！
そんなキヌさんでオススメしたい音楽は、キヌさんと0b4k3さんとコラボした「0b4k3 - voices feat. kinu」だ。
0b4k3 - voices feat. kinu
https://www.youtube.com/watch?v=3LDoOAyyMsE
それと合わせて紹介しておきたい存在がいる。その音楽を共に創った0b4k3さん(VTuberではないがバーチャル存在)も知っておいてほしい。
0b4k3 - ow (2022-edit) / CUE [Archive]
https://www.youtube.com/watch?v=Dez4g8sZNoc
VRChatは、バーチャルYouTuberのブームと並行するようにクリエイター達に使われ始めて、同時に様々なDJクラブが誕生した。なんならいまでも魅力的なクラブが次々と登場している。そしてVRChatのDJクラブ黎明期に暗がりからひっそり出てきたのがゴーストクラブで、その代表者が0b4k3さんなのだ。
すごすぎて言語化できないのだが、とにかくあの空気感…を初期の頃からアップデートし続けながら一貫しているのは、ディレクション力がおばけだと思う。あのすごすぎるクリエーター集団と歩みを進めながら、強固な個性を保ち続けているのはすごいとしか言えない。
そしてそんな0b4k3さんは音楽もすごい。owの2022-editは渋谷PARCOのリアルとバーチャルを融合するXR超祭典「NEWVIEW FEST 2021」のアーカイブとして公開された。0b4k3さんらしい音作りと人間にとっての日常的な空間を保ちつつも非日常的なライティングが気持ち良すぎて最高だ。VRChatにもアーカイブがあるので体験してほしい。カセットテープの音もこだわっていてほんとうに大好き。
しかも12月にはkznちゃんとのコラボしてしまった…。ほんま…ほんま…最高だなって。
https://twitter.com/3k4b0/status/1606252166988996608
VRChatは本当に面白い音楽体験空間である。資金調達や商売の都合でメタバースという言葉がアホみたいにブームになって、勝手に幻滅して下がり気味になっているが、その上がり状態のときに様々なクリエイターが訪れ、間違いなくVRに居着いているという空気がある。クリエイターやDJクラブも個性的な存在が次から次へと生まれている。例えば八月二雪やYSS、memexなどのグループであったり、仮想水槽やECHOなどの音楽イベントなども紹介したかったが、今回はあえて絞って紹介している。
今、注目すべきメタバースで活躍する音楽アーティスト16組まとめ【2022年10月】 - MoguLive https://www.moguravr.com/metaverse-artist-matome/
VRC海外クラブイベントへの参加方法｜Shunin_主任です｜note https://note.com/shunin_vrc/n/n5d1e9eaa45d5
VTuber大好きヲタクくんに刺さる歌
VTuberは、YouTuberだったり、ニコニコ配信者の延長線だったりしますが、それでも間違いなく新しい文化で、そうなると新しい文脈や単語が生まれてきます。そういった文化の元で生まれる歌詞があり、オタクがそれを聞いちゃうと「うわーーーー！！！！！！！！わぁああああああああああああああああ！！！！！」となる。ここではそんな曲をチョイスするよ！
てれかす
すごく感情にささるVRChatな曲やなぜか突然チコリータのはっぱをもぎだしたりするてれかすさんの作ったオリジナルソング「新衣装」。おそらくVRSNSをもとに作った歌詞だが、アバターという共通の文化の元で生まれているので、VTuberオタクでもわかりみのある歌詞になっている。
新衣装
https://www.youtube.com/watch?v=w2Af04gqOO0
暮らしおだやかであれ by PEYODA & てれかす
https://www.youtube.com/watch?v=Pe_LErPH0-Y
あおぎり高校
YouTubeショートを見てるVTuberオタクなら一度は見たことがあるかもしれないVTuberあるあるなどでめちゃくちゃ人気のあおぎり高校。最近は野郎ラーメンとガチなコラボをしたり、DMMから案件もらってファンから驚かれてたり、突然アジア圏で人気のNKshoujoと謎にコラボしたりと引っ張りだこ。そんなVTuberで活躍しているあおぎり高校が、配信者視点を詰め込んだ「VTuberのすべて」はとても楽しい仕上がり！
昨今のVtuber界隈に言いたいことを歌に詰め込んだわ
https://www.youtube.com/watch?v=3WKstAB_8-A
あおぎり高校ブレイクで「ざまぁみやがれ！」元陰キャVTuber音霊魂子の本音 - KAI-YOU.net https://kai-you.net/article/85489
あおぎり高校代表がVTuber業界に抱く違和感「設定いる？」「転生とかわからない」（KAI-YOU Premium）
https://premium.kai-you.net/article/604
ホロライブ
比較的ポジティブ寄りの空気感があるVTuberコミュニティだが、ポジティブ故に生まれる影もある。星街すいせいさんの「TEMPLATE」は本人不在で起きる行き過ぎたファンのドロドロとした争いとそれを意に介さず歌い続けるSingerの物語。個人勢からホロライブへ、そして星街すいせいとして歩んできた存在だからこその重みのある歌。
TEMPLATE - 星街すいせい
https://www.youtube.com/watch?v=mBuHQeL-OO8
Moona Hoshinova
それと合わせて紹介しておきたいのは、ホロライブIDの歌姫の1人で星街すいせいさんとカバー曲を歌い上げたMoona Hoshinovaさんだ。彼女の歌い方はどことなくK-POP的なうまさを感じさせるすごみがあって、日本ベースのVTuberにはあまり見られないK-POPの曲もカバーしている。
そんな彼女が歌い上げた「Perisai Jitu」は星街すいせいさんとは文脈こそ違えど、VTuberの大変さを歌い上げたものになる。MVの徐々に崩壊していく世界は、VTuberのいろいろ見てきた人間としてはいろいろくるものがある。曲調はファンからインドネシアポップのようだと愛されていて、こういう無自覚に異国の音楽を体験できるのもVTuber楽曲の楽しみ方の1つだ。
【Original Song】Perisai Jitu - Moona Hoshinova【Official Animated MV】
https://www.youtube.com/watch?v=LXRSp8QbOeg
hololive SUPER EXPO 2023 & hololive 4th fes.
https://hololive.hololivepro.com/news/20221202-03-8/
自分のフィーリングに全刺さりして困ってるやつら
ここからは単なる僕の癖。
潮成実
音沙汰 - 潮成実【Track. by Wicstone】
https://www.youtube.com/watch?v=BPi6ws99UAw
潮成実さんはイケメンでカワイイ。アバターではなく生き様がだ(もちろんアバターも声もかっこいい)。彼の音楽に対する姿勢が大好きだ。彼はとにかく音楽が好きなんだなと思わせてくれる。いろんな方とコラボしたり、いろんなイベントに参加したりと、マイペースながらもここまで個人でこれだけのオリジナルソングやコラボ曲を続けるのは、音楽を心から好きじゃないと出来ない。だから潮成実が好きだ。
そしておすすめ曲として紹介したいのは、今年リリースしてくれた音沙汰。とてもチルい空気感の多いオリジナル曲が多く、朝・昼・夜な感じで気持ちを調整できるのでtskr。
Collaboration - 潮成実 https://www.youtube.com/playlist?list=PLtY6nPvZ5cn3riAS9cjJNh8DKo6OrWLP2
somunia
somunia - Emerge
https://www.youtube.com/watch?v=qiuJMoYA3OQ
somuniaさんはVTuberのTLで噂話が流れてくるくらい人気のVSingerだ。しかし自分の中では何かが上手くはまらずに傍観を続けていたが、「Psykhe」をリリースして、夕方の窓から差し込むやわらかい光が、廃墟の天窓から降りてくる光ぐらいガラリと変わって、「めっちゃ好き！！！」になった。たまたま見にいった最後のVIRTUAFREAKでは、somuniaさんのパートが記憶に残るぐらい最高のワンシーンだった。
somunia - 飴色の微熱
https://www.youtube.com/watch?v=vu0Sx4aFT7Q
理芽
理芽 - ピルグリム / RIM - Pilgrim (Official Music Video) #26
https://www.youtube.com/watch?v=RoZRMSIdZ6U
THINKR inc.のKAMITSUBAKI STUDIOは、花譜をはじめとするアーティストとクリエイターが所属するクリエイティブレーベル兼マネジメント事務所だ。その神椿の中で気が狂いそうなくらいに大好きなのが理芽である。理芽が好きな理由は、理芽ﾁのビリー・アイリッシュが好きでカバー曲の1つ目にそれをかましてくるところや、どんどん眩しくなっていく陽キャさが大好きで、笹川真生さんの複雑さ暗さが好きで、Guianoさんとのストレートさと眩しさのある歌が大好きで、とても居心地良いのだ。
理芽の作詞作曲は主に笹川真生さんが担当していて、ライブなどではさすまおとコメントされるぐらいで、またそれだけ笹川真生さんの存在が強い。実際に曲には笹川真生さんらしさがとても強く感じられて、歌詞だけでなく、癖の強い声の使い方、引き込まれるような音作りなど、感じられる箇所がとても多い。理芽を通して笹川真生さんを感じているファンもいるぐらいだ。
笹川真生 - うろんなひと (Official Music Video) - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=dNMPBIWp6H4
渚mao笹川水曜日 - ニコニコ
https://www.nicovideo.jp/user/34638589/video
笹川真生 - YouTube
https://www.youtube.com/@user-ty2ek3il9n/videos
実際自分も気になりすぎて、笹川真生さんのライブを聞いてみた。あの理芽でいつも聞くような癖のある歌い方と飲み込まれるようなサウンド、そして現地でしか絶対に理解できない笹川真生特有の声から生まれるASMRを聞いているような全身に流れる心地よい痺れ。ファンの言っていることが理解できた。もし理芽のオリジナルソングが好きになったら、笹川真生さんの現地でのライブも絶対にきいてほしい。
笹川真生 - 食虫植物 (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=XLP-maQNahg
理芽 - 食虫植物 (from 1st ONE-MAN LIVE「NEUROMANCE」, 2021) / RIM - Carnivorous Plant (LIVE Ver.) - #19
https://www.youtube.com/watch?v=QoikfllByR0
もちろん理芽ﾁは理芽ﾁでとても魅力的な存在だ。笹川真生さんのザラリとした声とは全く違い、クリアな声で歌い上げる。しかしあの魔性的な惹きつける力はしっかりと持ち合わせている。歌唱スキルもライブを積み重ねていくごとに、歌唱力やパフォーマンスの厚みをましていて、ささやきだったり、とろけるようなあまさだったり、心を揺さぶってくれる。
理芽 - NEUROMANCE / RIM (Official Music Video) #24
https://www.youtube.com/watch?v=LyTaD9pbI7M
どくどく - Live at Virtual, 2022 • 理芽 https://open.spotify.com/track/40tZiIBhxFdZUblP1isgYM?si=ed22b8c88b374e5c&nd=1
僕は死ぬほど恋愛っぽい曲だったり、青春っぽいのが大っっっきらいなんだけど、理芽ﾁのカバーソングは一度も聞いたことがない曲でも、すごくすんなり受け入れることができてしまう。なぜか好きになってしまう魅力がある。
Covered - YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PL2JAJdZbZxxBGn9Cr4L8O2M2u9a_qqtB4
ずるいよ - モノンクル / Covered by 理芽 - RIM 【歌ってみた】
https://www.youtube.com/watch?v=nuw4IqdEm0c
悪い友達 - 木下百花 / Covered by 理芽 - RIM 【歌ってみた】
https://www.youtube.com/watch?v=wBBmAh07eLs
そしてそれはGuianoさんの曲も例外ではなく、舞は最高に刺さった。
こんなタイミング良く刺されるとは思わないじゃん？
理芽×ヰ世界情緒 TWO-MAN LIVE「Singularity Live」
https://www.zan-live.com/live/detail/10208
Guiano - 舞 feat. 理芽 [MV]
https://www.youtube.com/watch?v=eCkdmOMMLFQ
そしてそんな理芽で一番好きだったのは「Pilgrim」だ。
理芽の魅力がこれでもかと詰まっている気がした。
最後に
今年はVTuber音楽でも、大きな変化の年だったと思う。
VTuber音楽とは直接関係ないが、とにかくいろいろゴタゴタした。キャラクターから何らかの理由で離れたと思ったら突然こちらがかなりパニックになる情報が流れてきたり、大手事務所を卒業した方が台風の目なエージェンシーに所属したり、一度やめたと思っていた方達がVTuberの界隈に戻ってきたり、VTuberが物理空間の自撮り写真をあげるハッシュタグがブームになってたり、事務所を卒業するときに名前をもらえずVから解き放たれることでバズった一般人がでてきたりとだ。
僕のすごく勝手な感想だが、VTuberに縛られすぎていたのが少し解き放たれて自由になりつつある気がする。
VTuberという言葉は、キズナアイのバーチャルYouTuberを、勝手に省略して勝手に意味づけた言葉でしかない。なので文脈はキズナアイと近しいかもしれないが、そうでもないのである。
初期の頃から、ゆっくり実況やニコ生主と何が違うねんとも言われていた。これも当時はそうでもあったし、そうでもなかった。しかし今ではVTuberの意味が広がることで包み込まれるようになった。いまではその中に今年目覚ましい進化したAIが、AIVTuberとしてくわわることになったと思う。
さて話を戻すが、VTuber音楽にバーチャル存在をピックアップしたのは、上記の全文が関係している。VTuberを幅広く見る傾向の方達は正直「VTuber音楽ってなんだよ？」になった年だと思うし、VIRTUAFREAKの言葉からもそれが伝わってくる。
僕の意見としては、アニメ音楽のようにVTuber音楽も存在し続けることになるだろう。なぜならVTuberという言葉がブームになった理由の一つは、アバターや顔を隠しながらも明確なアイデンティティを持つ存在たちを明確にまとめる言葉がなかったからだ。そういう存在たちはSpotifyのようにJapanese-VTuberやボカロPといったカテゴリで括られていくのかもしれない。逆に言えば物理空間で存在が知られていても、バーチャル空間の存在が強まればそっちによっていくのだろう。
またアバターをもった一般人の存在は間違いなく増えていくだろう。例えばVRChatだったり、Robloxだったり、Minecraftだったりだ。Tiktokでは明確に個性のあるMinecraftアバターを持ちながら、ホロライブのミームでバズりまくってる方がいる。しかも友達にはVTuberがいる。とても面白いと思うし、今後もそういった存在が増え続けていくのは間違いない。
VTuber音楽というのは、自分がこうありたい、自分はこうなんだという強い意志を持ってアバター活動していて、音楽が生み出されていれば、それなのだ。個人的にはそうであってほしい。その方が音楽がどういうものか伝わりやすいからだ。
だからもし今後音楽を紹介するようなことがあれば、そういう記事になるんだろうな。
みんなも自分のVTuberソングを探してみよう！！！
日本語のVTuber音楽を探す。
https://twitter.com/search?q=VTuber%20cover%20OR%20original%20url%3AYouTube.com%20lang%3Aja%20min_faves%3A2&src=typed_query&f=live
日本語以外のVTuber音楽を探す。
https://twitter.com/search?q=VTuber%20cover%20OR%20original%20url%3AYouTube.com%20-lang%3Aja%20min_faves%3A2&src=typed_query&f=live
VTuber音楽のことなら森山ドロさんの記事を見とけ
https://natalie.mu/music/serial/131
💰お金の歌(MONEY SONG)💰 / セフィナ【にじさんじ】
https://www.youtube.com/watch?v=WPQa8V2-syc
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