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視点が変わる、まちの着目点

中島:1992年生まれ福島県出身。日本大学工学部建築学科卒業後、地元市役所に建築技術職として入庁。紆余曲折を経て一念発起、2021年にブルースタジオに入社。元公務員としての経験を活かし、bpm事業部シニアコンサルタントとして人生爆走中。三度の飯より酒が好き。

藤森:1996年生まれ長野県出身。雑誌編集部員の時に見たブルースタジオの「まちを編集する」のフレーズにグッと来て2022年入社。クリエイティブディレクター大島芳彦のアシスタント、またコンサルタントとして日々奮闘しながら今年からbpm事業部に配属された公共1年生。得意技は野沢菜を漬けること。

中:公共事変第14回〜
前回前々回とブルースタジオまち歩き研修の提案を振り返りましたが、今回も残り1チームとしてフジモリくんたちのチームのお話しをしたいと思います!
フジモリチームは使われなくなった図書館についての提案だったね!

藤:そうです!我々のチームは東中野駅の南側エリアをまち歩きしたのですが、その時に見つけたのが、旧中野区立東中野図書館です。
3階建ての建物で、2,3階が図書館、1階は保育園として使われていたんですが、図書館は2021年に閉館、保育園は2023年に移転閉園したそうです。

中:駅も近くていい土地だけど、中野区としても今度の活用はまだ決まっていないんだよね〜。
私たちは築地移転してからだから知らなかったけど、東中野にオフィスがあった時はリサーチで利用していたスタッフもいて、お馴染みの図書館だったらしいね!

藤:2021年に閉館する際には200名以上の市民が集まったそうなんですが、そのエピソードからも周辺住民に愛されていたのがわかりますよね。
それと、建物が活用されていないのも勿体無いと思ったのですが、まち歩きをしていると周辺エリアに公園や公共スペースなどがあまりないのも気になってました。

中:なるほど。じゃああんまり地域の人の日常の姿を見かけられなかったりしたのかな・・・?

藤:いや、実はそんなことはなくて!
小学校が近くにあって下校している子供達が多く歩いていたのですが、子供が遊べる公園がエリア内には一つしかなかったり、
シニアの方が道端で立ち話しているのをよく見かけたりはしたんですよね。
だから、地域に住んでる人が憩える場所が足りてないのでは?と仮説を立てまして、
そこで我々のチームは小学生が放課後を、シニアは人生の放課後を楽しめる場所を作りたいという内容の提案をしました!

中:たしかに、「放課後」っていうのは印象的だったね!
閉館する時にもたくさんの人が集まってたっていうエピソードからも分かるけど、地域の人に大切にされてきた貴重な公共空間だったんだろうな〜。
図書館っていうこともあって土地も広いし、今後も地域の居場所としての公共的な役割を残した場所になっていって欲しいよね!

藤:小学校の通学路の記事の時にも話に出ていた「その施設が地域の中でどんな役割を果たしているのか?」を考えるのが大切ってことですね!

中:そうだね!私は図書館って特に大切だな〜と思っていて。
色んな公共施設があるけど、「目的なく、いつ来ても良い公共施設」って、実は図書館と公園くらいだと思うんだよね。
体育館とか文化ホールって、予約が必要だったり、何かの公演を見るとかスポーツをするとか目的が無いと使いにくいんだけど、図書館は「暇だから何か面白い本を探しに行こう〜」くらいでフラっと行ける場所だったりするよね。

藤:高校生の時とか、勉強したり友達と待ち合わせの場所にしたり、よく利用してた記憶があります。お金ないからあんまりお店とか入れないけど、図書館ならいつもで空いているし、理由がなくても居ていい場所、なんか安心して居られる場所っていう感じがします!

中:私も図書館で勉強したり、暇つぶしに本読みに行ったりしてた!
図書館って学校とは違う広義での「学び」を得る場所でもあるから、フジモリチームの提案した「放課後」っていう言葉と相性が良いよね。
従来の図書館は「静かに本を読まないとダメ!」みたいな空気感があったけど、最近は図書館がコミュニティのハブになるような仕掛けって考えて作られてる事例もたくさんあるし、東中野の図書館もそういう役割を担ってた部分もあるんだろうな〜。
図書館っていう1つの機能を終えた建物にとっての「放課後」=次の物語として、カルチャースクールとか「学び」を通じた次のコミュニティ作りみたいなことができたら面白いな〜って思ったよ!

藤:ブルースタジオの創業の地である東中野ですから、実現に向けて一役買えたりしたら嬉しいですね!

中:そうだね!どのチームの提案も事業化するならブラッシュアップが必要ではあるけど、アイデアベースでは面白いし、一緒にやりたいって言ってくれる事業者さんがいたら嬉しいよね!笑

藤:その時には、建物の活用だけを考えるんじゃなくて、その建物が周辺地域の抱える課題をどう解決できるか、どんな変化をもたらしていくかなども一緒に考えていきたいですね!
ところで、今回の研修で改めてまち歩きの奥深さに気付かされたんですが、中島さん的には普段どういう視点で歩いているんですか?

中:私は、というかブルースタジオのスタッフはみんなそうだと思うけど(笑)
まち歩きの師匠は大島さんなので、大島さんのまち歩き8ヶ条がもちろんベースにあるよ!

▼まち歩き8ヶ条についてはこちらを参照ください!

その上で私は

①赤提灯探し(地域の人が集まりそうな居酒屋)
②休憩スポット探し(日影とかベンチ)
③細い路地探し(車が入れないところ)
④通学路探し(子どもが歩くところ)

を見てるかな〜

藤:ほうほう。その心は!?

中:そのまちに住んでる人が、どこを歩いて、どんなところに集まるのか、まちの重心を探してるってことだね!
赤提灯は完全に自分の趣味も入ってるんだけど(笑)
でも地域のサラリーマンとかおじちゃんは赤提灯に集まると信じてるから(笑)
日中どんなに人がいないって言ってる田舎だって、飲み屋には人がいるのよ!あとスナック!(笑)

藤:お酒も飲めて人にも会える飲み屋さんは街歩きのセーブポイントかもしれませんね!

中:休憩スポット探しは、すぐ休みたがる座りたがるワガママボディなので許して欲しい!
でも夏場は歩いてても日影を渡り歩かないと干からびるし、ウォーカブルなまちづくりに日影と休憩スポットは必須だと思うな〜。
車が入れないような細い路地は、再建築できない建物とかが多くて地域課題が山盛りだったりするんだけど、その分そのエリアの歴史とかが詰まってたりするから面白いし。
通学路は子どもがどのエリアに多いのかとかが分かるし。

藤:ふざけてるようで実はちゃんと見てるんですね!

中:いやでも半分趣味というか、楽しんでるし、内心「このエリアで外で酒飲むならあそこだな・・・」とかこっそり考えたりしてるから、ふざけてはいる(笑)

藤:どこのまちも、歩いてみればお宝だらけですね!

中:そうだね!
私にとっての一番のまちお宝は、美味い飲み屋と酔っ払ったおじちゃんおねえさんたちとの出会いです!
というわけで今夜もまちのお宝(居酒屋)探しに行ってまいります!!
また次回も、お楽しみに〜!!!!

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