9月14日、「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」という映画を観た。2023年のアメリカ映画で、原題は「The Holdovers」。アレクサンダー・ペイン監督の作品だ。
キャストは、ポール・ハナム役のポール・ジアマッティ、アンガス・タリー役ドミニク・セッサ、メアリー・ラム役のダヴァイン・ジョイ・ランドルフなどである。
といった内容。
で、観終わっての感想。
教員のハナムと生徒のアンガスの間にできた友情
クリスマスシーズンにどこも出かけることもできない生徒”アンガス”。
そしてその彼を、学校命令で見守ることになった”ハナム”。
言ってみれば、混じることのない2人。それぞれの立場だけの関係で終わるはずだった。
ところが、他の生徒たちが皆いなくなってから、アンガスの鬱憤はたまり、その場から逃げようとする。
立場が見守りのハナムからすれば、そんなことをされたら首になる可能性さえある。だから、2人の間はいわゆる対立関係になることは必至である。
ところが、アンガスが怪我をしたあたりから、少しずつ2人の関係が変わりだす。そして持ちつ持たれつの関係から、お互いを知るようになりそこに友情が芽生え始めるのだ。
アンガスは一つ大人になり、ハナムは一つの呪縛から逃れる
映画の結末は、アンガスが転校を逃れ、ハナムはバートン校を去ることになる。
アンガスは、ハナムの行動をみて一つ大人になり、
そしてハナムは、ある意味アンガスのおかげで、一つの呪縛が解け、バートン校を去る選択肢を選ぶことになる。
たった2週間の出来事であったが、大きく人生を変えることとなるのである。
人は皆それぞれ、悲しみを抱えている
この映画には、他にもバートン校の料理長のメアリーが出てくる。
彼女は一人息子をベトナム戦争で亡くし、悲しみに明け暮れていた。
このメアリーも含め、主人公たちは何らかの悲しみを抱えて生きている。
生きていると誰もが、何かしら心には悲しみを抱えていたりする。
人生は人それぞれだが、そのような人々が集まって毎日が過ぎ去る。
そんなものだったりする。
時代背景が興味深い
そう、この時代は1970年。
アメリカは、ベトナム戦争真っただ中にある時代である。
また、ボストンでのボーリングのシーンも明らかに現在のものとは違うボールの大きさである。
また、アンガスの実父が精神病院に入っており、アメリカの精神医療がテーマの映画が多かった時代でもある。
そう考えると、今のようにネットも何もなかった時代背景だからこその、ストーリーなのかもしれない。
では、この2024年の方が人は幸せなのだろうか。
ボクには、まだ1970年の方社会的な発展はないが、ある意味”人として”生きる幸せを、今より感じたりしてしまうのである。