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映画「ミナリ」を観て

12月31日、「ミナリ」という映画を観た。原題は「Minari」。2020年のアメリカ映画で、リー・アイザック・チョン監督の作品だ。

キャストは、ジェイコブ役のスティーヴン・ユァン、モニカ役のハン・イェリ、デビッド役のアラン・キム、スンジャ役のユン・ヨジョンなどである。

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あらすじは、

1980年代のアメリカ合衆国。韓国系の移民のジェイコブ・イは一攫千金の夢を掴むべく、妻のモニカと長女のアンと長男のデビッドを引き連れてアーカンソー州の田舎町へと移住する。ジェイコブは一から農地を開拓して大農場主に成り上がろうとしていたが、モニカはそんな夫を冷ややかな目で見ている。ほどなくして、モニカの母スンジャが幼い子供たちの世話をするために韓国からやってきて一家と同居することになる。スンジャは並々ならぬ毒舌家だったが、どこか憎めないところもあり、一家の生活(特にデビッド)に刺激をもたらすことになる。その一方で、農場経営は一向に軌道に乗らず、家計は火の車であった。様々な困難に直面したジェイコブは挫けるどころか、却って成功への意欲を燃やす。そして、全てを犠牲にする勢いで経営に没頭していったが、そのためにジェイコブとモニカの夫婦仲は険悪なものとなる。そんなある日、スンジャが脳梗塞で倒れ、右半身に障害が残ってしまう。
といった内容。

で、観終わっての感想。

一攫千金を掴もうとする父、冷めた母のと間の溝

これって、大なり小なり、男女間にはある気がする。男性は、一旗揚げたい気持ちが強い。一方、女性は、ギャンブルのようなことを好まない。当然、そこには溝ができる。旦那には妻の気持ちが理解できないし、妻もまた然りなのである。この映画では、その姿が妻の表情からすごく伝わってくる。
ボクは男性なので、夫の気持ちは理解できる。だからこの妻の表情はすごく嫌である。

デビッドの成長

そんな夫婦間の溝とは別に、身体に爆弾を抱えているデビットは、心の成長をしてゆく。彼の一挙手一投足が、成長を感じさせてくれたりする。あんなに小さくても、心はとても敏感である。特に、両親が喧嘩をすることはとても耐えられないと感じるのだ。

祖母スンジャと孫デビットとの絆

アメリカに来た、母方の母親。つまり、デビットにとっては祖母である。
デビットは祖母の行動や、しぐさを嫌う。韓国人の血の濃い祖母は、すでにアメリカ人として生きているデビットにとっては、異物のように感じるのだ。そんな中、親からは行ってはいけないと言われている、森の奥の水辺に祖母に連れられて行く。そこで祖母が植えるのが、ミナリ(セリ)なのだ。
この映画の、タイトルにもなっているからには、このミナリは、人生の大切さの象徴として後々、描かれてゆく。

命さえあれば、なんとかなる

祖母の突然の脳梗塞。そして、その祖母が良かれと思って行った、ドラム缶でのごみ焼却から、家を燃やしてしまう。そこに帰ってきた、家族。父親と母親は必死になって、箱詰めしてあった農作物を、煙の立ち込める現場から運び出そうとする。
そして、気づくのだ。
何が大切なのか、何を守らなければいけないのかを。
そう、家族が一番大事なのだ。
生きていれば、命さえあれば、一からやり直せる。
この家族でなければ、いけないのだ。と、父も母も気づくのだ。

一見、単純の物語に見えてしまうこの「ミナリ」という映画。

実は、奥が深い映画だと、ボクは思うのである。


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