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自分詩集

374
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2023年9月の記事一覧

【詩】回法

【詩】回法

言葉の風雨に削られる
巨石
数えることすら難しい

ただ回帰しただけ

再び巨石に戻るだろう

【詩】疲体

【詩】疲体

疲れきった金属が
甲高い悲鳴を上げる
悲鳴は全体を震わせる
硬化したすべてはまだ
しなやかさを覚えている
感情の雨でボロボロになってもまだ

【詩】清風

【詩】清風

風に心が洗われる
乾いていて涼しい心
この清涼感を持って
寂れた雲を包み込む
散った雲は私に来る
私は再び濡れてゆく
そうして風は言う
再び君を流そうと

【詩】不晴

【詩】不晴

何をしても晴れない
煙のようなこの心
後も先も見えやしない
ただぼやけた光があるのみ

【詩】価値

【詩】価値

全てのものは同価値
価値を分つものは我

【詩】信見

【詩】信見

私は見た
魚が歩いているところを
誰も信じない
魚が歩いているということを

私は見た
林檎が喋っているところを
誰も信じない
林檎が喋っているということを

私は見た
小鳥が飛んでいるところを

【詩】蹴石

【詩】蹴石

明日の石を蹴り飛ばした
魚のいない池にぽちゃり
黄色い花の葉っぱが笑ってる
私の明日も笑ってる

【詩】迷駅

【詩】迷駅

列車の遠吠えを聞き
私は覚めた
そこは迷宮のような駅
急行ばかりの発車標
改正はきっと さっき
レールの反射光を跨ぐ
急行  36:00 明日 ■両

【詩】解樹

【詩】解樹

解凍された樹木が
生い茂るとき
ふもとに川が生じる
小鳥たちは溶ける歌を歌う
川の流動は熱を帯び
全身へと流れ込む
僕は嬉しい

【詩】暇々

【詩】暇々

暇だと思えば暇
24時間は36時間
太陽は再来する
永遠と虚無の舞

【詩】堕楽

【詩】堕楽

楽園に堕ちた翼は
覚めることはない
快楽を知ったから

翼を落とす暴風は
永遠の眠りを知り
苦痛を抱えている

【詩】星馬

【詩】星馬

花畑に舞い降りた馬
夜空のような体は花々をチラチラと照らす
花は馬の光を反射する
花の反射で空に星々が投影される

それは不思議な夜空のこと

【詩】人河

【詩】人河

怒りの逆流は
青い河川を怒り色に染めた
清らかなる流れは
我慢によって生み出されていた
人の源泉は何も持たない
一滴が感情の波を形成する
この美しき人河
遡行する魚影
潜水する水鳥
全てが生き生きとしている

【詩】街生

【詩】街生

整理された街は
人々を秩序づける
迷宮な街は
人々を混沌にする
明るい街は
人々を元気にする
狂った街は
人々を狂わせる

街の表情とそこにいる人は似ている
街が人を選ぶのか
人が街を選ぶのか
ただ 街は脈動している