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「テレワーク・ジェットラグ」がうつ病の一因になる

 テレワーク・ジェットラグという言葉をご存じでしょうか?テレワークと出勤日の睡眠時間や起床時間のズレで起こる時差ボケの事を指します。

 コロナ禍以降、テレワークを導入する企業が増え、テレワークと出社の双方で仕事をするハイブリットな勤務体系が増えてきました。しかしながら、そのハイブリットな勤務体系は、睡眠時間が一定でないシフトワーカーなどと同じくらい「うつ病」のリスクがあるということが分かったそうです。


テレワーク・ジェットラグ

参考にしたのは2024年6月に発売された、雑誌Newtonの別冊ムックのです。

Newton別冊 メンタルの取扱説明書

 様々なメンタルについての情報が盛り込まれていて、かなりの量なのですが、取り急ぎ気になった「テレワーク・ジェットラグ」について記事でお伝えします。

職場環境が一つでないことが、時差ボケを生み出し、メンタルにも悪い影響を与えていることが、久留米大学の松本悠貴博士の研究チームによって明らかにされた。テレワークジェットラグとは出勤日とテレワークの日で睡眠や起床のタイミングがずれることで起こる時差ボケのこと

出典:Newton別冊メンタルの取扱説明書 テレワーク・ジェットラグより抜粋

 出勤日とテレワークの日を繰り返す勤務体系を実施している企業は、コロナ禍以降に多くなりました。完全テレワークの企業もありますが、多くは出勤とテレワークのハイブリッド型に移行したと思います。そのような企業の従業員は、睡眠時間や起床のタイミングは、自然とずれてしまうようです。

なぜ時差ボケになるのか?

 テレワークは通勤時間が必要無いため、ついつい夜更かしをしたり、起きる時間を遅くしがちになります。一方で出勤日は通勤のために早く起床しなければならないため、就寝時間も早くなる傾向があります。それがテレワークの日とのズレに繋がっていきます。

 先進国の約7割以上の人が、1時間以上の時差ボケを抱えているとの説もあるようです。

 オイラも出勤日の時は6:00に起床7:00に出発。テレワークの日は最悪な場合7:50まで寝ていました。その差は2時間弱です。後で出てきますが、このずれはヤバいレベルです。

出勤日とテレワークの日のタイムラグ

 出勤日とテレワークの日のタイムラグについて、テレワーク・ジェットラグが1時間未満のグループと、1時間以上のグループを調査し、中央値を比較すると1時間未満の人は、テレワークと出勤日の起床時間に差は無く、出勤日の前日の就寝時間のほうが1時間早い、という結果になったようです。

 ところがテレワーク・ジェットラグが1時間以上のグループは、テレワークと出勤日で就寝時間の差はなく、起床時間はテレワークの日は2時間遅くなったようです。

 両者を比較すると、テレワーク・ジェットラグが1時間未満のグループの方が、影響が少ないことが分かったそうです。このことからテレワークの日と出勤日で起床時間を変えず、いつも通り一定に起き、むしろ寝る時間を早める方がテレワーク・ジェットラグの悪影響を最小限にすることが可能で、仕事の能率も上がると思います。

悪影響を調査

 松本博士のグループが出勤日とテレワークが混在したハイブリッドワーカーを対象に調査をしたところ、85%以上がテレワーク・ジェットラグに心理的苦痛を感じていて、そのうち15%弱が強度の心理的苦痛を訴えていることがわかったそうです。

 テレワーク・ジェットラグによって、良い睡眠をもたらすメラトニン分泌リズムのバランスが崩れ、概日リズムを乱されるため、疲労と眠気を誘発することが分かってきたとのことです。

 睡眠時間が一定でない交代制勤務の方と同じ症状であり、うつ病などの精神疾患のきっかけになる事もわかってきたそうです。

 テレワーク・ジェットラグの影響を最小限にすることが、メンタルケアにとっても重要なことになりますね。

興味深いのは・・・

 論文には以下の考察が添えられているようです。

 「テレワークの日の起床時刻が出勤日よりも遅くなることによって、起床直後に太陽光に当たる時間が遅くなり、メラトニンなどのホルモン分泌パターンが変動する。そのような変化も、テレワーク時差ぼけによってメンタルヘルス不調が生じる一因ではないか」

DIAMOND ONLINE 2023.12.16のヘルスデーニュースより抜粋

 恐らく通勤によって日光を浴びていたのが、テレワークによって阻害されることもあるのかなと思います。テレワークの時に朝日を浴びることを心がけている人ってそんなにいないと思うので、通勤時間=日光を浴びる時間になっているのかもしれません。

 逆に言えば、テレワークの時は勤務開始までの時間に散歩などを通じて朝日を浴びるようにした方が良いのかもしれません。散歩から帰ってきて、シャワーを浴び、マインドフルネスやヨガで心を落ち着かせて業務に臨むのも良いかもしれませんね。

さて、オイラのヤバい状態とは

 オイラの場合、テレワークと出勤日では起床時間が1時間50分の差があるので、データの通りテレワーク・ジェットラグの悪影響があったものと思われます。

それに加え、出勤しなければならない現実を受け止められず、いつまでもウダウダ起きていたので、時差は2時間どころか下手すれば3時間くらいあったかもしれません。

 確かに夜更かし気味になってしまった時は、休職していても起きる時間が遅いので、それを無理やり起きるのはかなり負担になると思います。

 心負担のみならず、メンタルにもきていたとは・・・
 ということは脳の方にも負担があり、恐らく体(肩こりや頭痛)などにも派生していた気がします。

 そりゃパニック障害みたいな反応にもなりますよね。時差ボケを抱えつつ仕事をしている感じでは、きっとうまくいかないと思います。

 実を言うと、コロナ禍になる前は毎朝5:30に起きて出勤し、7:00頃に職場や近くのカフェで一日の過ごし方をぼーっと考える時間を確保していました。

 その後コロナ禍になりましたが、同じように毎朝5:30に起きて多摩川まで散歩行っていました。すがすがしくて気持ち良かったのを覚えています。

 ところが、その年の梅雨が長梅雨で、かなりしとしと降る梅雨でした。このころ散歩に行けない日が連日続き、それでメンタルが病んでしまったことがありました。暗鬱な天気や長梅雨はオイラは特にダメなようです。

さいごに

 テレワークと出勤を織り交ぜたハイブリッドな勤務体系の職場で、ハイブリッド・ジェットラグに陥らないようにするには、起床時間を固定化し、出勤日の前日は早く寝るという心がけで、仕事の生産性、メンタルの安全性の双方が見込めるようになると思います。

 ストレスが溜まると、早く寝るのがもったいなく感じることがあるのですが、それ自体がメンタルに悪影響を及ぼすので、早めに寝る方が大きなメリットになると思います。

 参考にさせていただいたNewton別冊は、他にも季節性うつや気圧病など盛りだくさんな内容なので、まだ読み切れていないのですが、興味深々な内容ばかりですので、少しずつ要約記事にしていこうと思っています。

Newton別冊 メンタルの取扱説明書

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